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異世界転生なのです、お姉さん!  作者: 乃平 悠鼓
第2章
38/63

第5部 理想郷の誕生日《3》

「きたよー!」


 今日も元気にやって来ましたとも!

 東京の高級マンションの高層階。もとい、この辺境地区にあるコーメンツ伯爵領の地下、ダンジョンマスターのお部屋です。

 地下なのに部屋の窓からは太陽の光が降り注ぎ、スカイツリーと東京タワーが今日も綺麗に見えていますよ。先月、私達があちらの世界のお姉さんのお家にお邪魔して花火大会を見ていた時には、この部屋の外の景色も花火大会になったらしいよ。

 あれ、花火大会が見たくなったらここで見せてもらえるってこと? 本物じゃないけど。


 今日は、待ちに待った私の3歳の誕生日! 3歳になったからって、突然自分の名前を “グルナ” って、ハッキリ言えるわけじゃないけどね!

 私の誕生日に合わせたダンジョンのドロップ品は無事完成し、魔物さん達が私に誕生日プレゼントとしてドロップ品をくれるそうで、只今私の前には魔物さん達の行列ができています。


「ふぉぉ! ぷんれちゅ!!」


 目の前で、ミルキーオパールカラーのスライムさんが()()しましたよ!! 私はびっくりして、思わず両手をパタパタさせちゃいました。

 このスライムさんは前世の世界で言うところのピラミッド形、四角錐(しかくすい)の形をしていて、(かど)はおにぎりのように丸くなっています。

 普通のスライムさんは、赤い体だっり青い体だったり黄色だったり色々だけど透明です。でも目の前のスライムさんは、ミルキーオパール色で不透明。それが他のスライムさん達から受け入れられなかった理由らしい。

 でもね、このスライムさんは体の中が遊色(ゆうしょく)効果で、動くたびに虹色に輝いてとっても綺麗なの〜。先月、私が持って来た某有名メーカーのレジン液を五つ体に取り込んでくれて、透明度の高いレジン液を出してくれるようになったのです!


「かあいぃ♪」


 ぴょこ〜んと跳んで来て、私を足元から見上げるのは、ミルキーオパールカラーのスライムさんから分裂したプチスライム。

  ミルキーオパールカラーのスライムさんから分裂したのに、なぜか体はウォーターオパールみたい。そして、体のほとんどが遊色効果で虹色ですよ!


「きゅぴ」

「ふぉ」


 そーと両手を出してみると、ポョ〜ンと飛び乗ってきた。


「ぷよぷよー、ぷにぷにー」


 両手で持って、自分の頬を寄せてスリスリしてみると、なんとも言えない柔らかな肌触り! ミルキーオパールカラーのスライムさんはバレーボールくらいの大きさだけど、この子はおにぎりより少し大きいくらい。


「そいつはグルナのだ」

「ふみゅ?」


 ダンジョンマスター、()()()()ってどう言うこと? 私は手にスライムを乗せたまま、コテンと首を傾けた。


「そいつは地上でも生きていけるから、連れて帰っていいぞ。グルナが欲しい時に、欲しい色のレジン液を出してくれる」


 ダンジョンマスターの言葉に、私は目を見開きましたとも!


「ほちぃ、いりょ」

「そう、ほちぃいりょ、だ。普通のレジン液を色付けする必要がないから、楽だろ」

「ちゅごーい!」

「うん、ちゅごいな」


 うんうんと、ダンジョンマスターが頷いているよ。するとミルキーオパールカラーのスライムさんがやって来て、ポロンと私の手のひらくらいの大きさの、雫形の魔石を落としていきました。


「ちじゅく」


 拾い上げたその雫形の魔石は、ミルキーオパールカラーのスライムさんと一緒で、まるでオパールのように輝いています。見つめる私の瞳もキラキラです♪ そして


「あと一匹」


 ダンジョンマスターがそう言うと羊さんがやって、プルプルと震えるといくつかの毛が落ちていきます。その毛の上にダンジョンマスターが丸い小さな水晶(クリスタル)のような玉を置くと、それが毛をまとってもくもくと膨れ上がり、小型犬くらいの子羊が現れた。


「ふぉぉ! こひちゅじ」

「すごいだろう」


 ハリネズミ、もといダンジョンマスターが胸を張り、私はコクコクと頷いた。だって、ダンジョンマスターがダンジョンの魔物を作り上げるところを初めて見たよ!


「ほら、こいつの毛は虹色だろう」


 そうなんですよ! このダンジョンにいる羊さんは毛が虹色なの! 今生まれたばかりの子羊も虹色なのよ。


「この子羊も、グルナが欲しい時に欲しい色、欲しい太さの毛糸を出してくれる」

「ちゅごいにょ! ちゅぐれもにょ?」

「まぁ、スライムも羊も確かに優れものだな」


 子羊が私の隣にポテポテと歩いてきましたよ。プチスライムを反対側の隣に置いて、子羊に手を伸ばし撫でてみると


「ふわふわ、でしゅ!」


 そう、ふわふわです。これは、極上の毛糸ができるに違いない! かぎ針を使えるようになったら、皆にマフラーを編もうっと♪


「二匹とも地上で生きていける。ただ、地上には魔素がないから成長が遅く、普通の動物サイズまでしか大きくならない。食べ物は野菜と……そうだな、大河の水をやってくれればいい。わかったか」

「あい!」


 私は両手をあげて、元気いっぱいに答えましたとも! そのあと羊さんが、私の手のひらくらいの大きさの、雲みたいな形の虹色の魔石をくれたの。


 ダンジョンで魔物が落とすのは、ドロップ品か魔石のどちらかだ。ダンジョンマスターが説明してくれた、今回決まったドロップ品と魔石は


 “ ミルキーオパール色の (ドロップ)スライム がレジン液か、雫の魔石 ”

 “ パウダーピンク色の (ソイル)(ラビット) が十二色の着色料をランダムにか、土の魔石 ”

 “ イエローグリーン色の (ウィンド)(ホーク) が軟か、風の魔石 ”

 “ シアンブルー色の (アイス)(イーグル) が硬か、氷の魔石 ”

 “ エンジェルスキン色の (フォグ)(オウル) がスキンケアの素か、霧の魔石 ”

 “ レインボー色の (レインボウ)(シープ) が毛糸か、虹の魔石 ”

 “ 金色の (ゴールド)ユニコーン がマイクロフリースか、金の魔石 ”

 “ レモンイエロー色の (サンダー)(レパード) がマイクロファイバーか、雷の魔石 ”

 “ パステルブルー色の (ウォーター)(ベア) が裏シャギーか、水の魔石 ”

 “ (マダー)色の (ファイア)(ウルフ) が裏ボアか、火の魔石 ”

 “ 見た目高麗人参(こうらいにんじん)万能薬(パナシア)マンドラゴ が、正常 ”

 “ オフホワイト色にペパーミントグリーン色の宝石を頭にのせた 灰鉄ばん(デマントイド)柘榴石(カーバンクル) が、宝石 ”


 なの! マンドラゴとカーバンクルは、ドロップ品だけで魔石は落とさないものなんだって。


 それぞれの魔物さん達からドロップ品と、私の手のひらくらいの大きさの魔石をプレゼントしてもらい、マンドラゴからは “正常” と “根の先” をもらったよ!

 マンドラゴの根の先は特に薬草としての効果が高いらしく、“正常” よりも高い効能があるらしいが、普通マンドラゴを土から抜くと根は途中で切れて土の中に残るから、めったにお目にかかれる品ではないらしい。

 そしてカーバンクルからは、“大きなデマントイドガーネット” と “色とりどりの宝石のビーズ” をもらったんだけど……


「ふ、ふほぉ」


 思わず声が出ちゃったのは、しょうがないと思うの。だってね、カーバンクルがくれたデマントイドガーネット、すっごく高級なんだよ!

 大きさもさることながら、ダイヤモンドよりも強い分散光と中に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、“ ホーステイルインクルージョン ”が綺麗に見えるの。かって、某国の皇帝が “幸運の象徴” と呼んで身に付けたと言われる品だ。


「ちゅ、ちゅごい」


 デマントイドガーネットを持つ手が、値段を想像してプルプル振るえちゃうよ!


「普通ダンジョンでとれる魔石は、どれもグルナがもらった魔石の半分くらいの大きさになるかならないかくらいだから、それがあればきっと何でもできるぞ」


 “えぇー、何それー。” 反対に怖いんですけど、世に出せる品物なの? とりあえずポシェットにないない、しよ。私はポシェットをぽんぽんと叩いた。


「だぁー」

「うー」


 ニコニコ顔の天使がやってきて、自分達の真っ白な翼から一本の羽を取って、私に “誕生日おめでとう!” と渡してくれました。“えぇー、ちょっとまってー。痛くないの!”


「天使の羽は幸運の印だ。その羽めがけ、幸運がやってくるらしい」


 “何それー、コレもポシェットの中に入れとくべき?” 私は天使達に手をあげて “ありあとー!” と、ニッコリ笑って言った。天使達の翼が、嬉しそうにパタパタしてるよ! その時


「じゃ、次は俺の番だな!」


 と、大きな声でダンジョンマスターが言う。“えっ! 考えて作ってくれたドロップ品が、プレゼントじゃないの?” 私はコテンと、首を傾けた。


次回投稿は9月3日か4日が目標です。

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