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異世界転生なのです、お姉さん!  作者: 乃平 悠鼓
第2章
30/63

第3部 理想郷の秘密《1》

今回は、ちょっと短めかも。

「ふみゅ」


 お姉さんのお家の居間で、ローテーブルの上に置かれたパソコンと、にらめっこしていますよ!

 ネット通販のセールにそなえ、色々な商品と値段の確認です。

 まず必要なのはベッド。こちらの世界のベッドは、前世のロココの王妃がいた時代のベッドと似てる。

 昔は権力争いで夜襲われることもあり、すぐ起きて行動できるように座って寝ていたから、あの横幅はあるけど縦の幅は短い、ソファーの奥行きをちょっと長くしたようなベッドの形になったとか、昔の人は足を伸ばして寝ることがなかったからあの形だったとか、色々な話を聞いたことがあるような気がするけど、こちらの世界であの形は、あまりよろしくないと思う。

 睡眠大事!! この世界の人の寿命の短さには、睡眠も関係しているんじゃないかと思うよ、ほんと。

 コーメンツ伯領は権力争いはないから、外部からの盗賊なんかの侵入が気になるようなら、お祖父様の部屋とか肝心な所だけ扉を強化して指紋認証とかにしたらいいんじゃないかな、ダンジョンみたいに。

 お祖父様とお祖母様には、長生きしてもらわなくては。


「ちゅたんたーど、べっちょ。こいゆ、まっちょ」


 お祖父様とお祖母様のお部屋に欲しいのは、スタンダードベッドとポケットコイルマットレス。スーパーで買ったマットレスと違うから、皆びっくりするね! もちろん、お母様も同じ物にするつもり。私はすのこベッドに、子供の身体にも優しいマットレスが欲しい。あと欲しいのは


「にたん、べっちょ。りょふと、べっちょ……」


 そう、使用人さん達用のベッドですよ! メイドさん達は六畳くらいの部屋に、あの横幅だけあるベッドの簡素なやつを四つ置いています。ベッドを置いたら、足の踏み場にも困るくらい。

 私としては、二段ベッドを一つと、ロフトベッドを一つ置いて3人部屋にしたいんだよね。

 メイドさん達は、長時間労働のわりに給料は安い。だから自分の物なんてほとんど持ってないわけだけど、ロフトベッドのしたに三つのチェストを置いたら、寝心地のいいベッドと自分だけのチェストを手にいれられるし、すこしは部屋も広くなるんじゃないかな。夜はしっかり寝て、お仕事を頑張って欲しい。


「ふぉ! かぁーいー♪」

「グーちゃん、プール買うの?」

「あい!」


 私はもう、画面を見ているだけでも楽しくて、両手を “ハ〜イ♪” と上げて、お姉さんに答えましたとも!

 今見ているのは、プールとか浮き輪。ユニコーンの浮き輪、欲しいです! ユニコーン可愛い〜♪

 コーメンツ伯領は大河に沿った土地だけど、川下(かわしも)以外は流れが早く人が入って遊ぶのは無理。

 向こうの夏は、日本の夏のように湿度は高くないから、カラッとした暑さだけど、暑いものは暑い。本当は、川の近くにプールみたいな物を作れたらいいけど、今は無理だからファミリープールを買うのだ! お屋敷の庭園の隅っこに置いてもらおう♪ あと、孤児院の分もいる。子供用の水着も買わなくちゃ。そしてユニコーンの浮き輪!

 ファミリープールにユニコーン入れだら他に何も入らないって、ユニコーンはプールの横に置いとくからいいんだよ。

 あとは、人をダメにしてしまうクッション。何に使うかって、ダンジョンに差し入れだよ! ダンジョンマスターも魔物さん達も人じゃないけど、きっと気に入ってくれるね。


「はいグーちゃん、メロン味ね」

「めりょん、あち!」


 思わず振り返って、ピョンピョン飛び跳ねてしまったよ。

 わぁーい♪ 天使達も大好き水玉模様の乳酸菌飲料のメロン味だぁー!

 スーパーで懐かしいなーと思ってスタンダードななつを買ったけど、やっぱり美味しいのです。この夏の間に、全部の種類を飲みたいな。小さな野望よ♪









「あえ、てんちたち、いない」


 ダンジョンマスターの部屋に行くと、真っ先に飛んでくる天使達がいないのです。右を見て左を見てまた右を見て、あれ?と首を傾ける。横断歩道じゃないけどね!


「なんか感じとったらしい狼にくっついて、急いで出て行った」


 えぇー、出て行った? 大丈夫なのダンジョンマスター。まぁ、狼さんが一緒なら大丈夫なのか? 私はいつものようによじよじとソファーをよじ登り、ペタンと座った。

 ダンジョンマスターは、お姉さんが持ってきたオーディオのカタログを見ていますよ。バスケットボールくらいのハリネズミが、真剣にオーディオのカタログを見てるって……。


「そう言えばダンジョンマスター、ここにきて60年くらいになんですよね。この土地がどこか異世界に繋がってるなんて話は、今まで一度もなかったんですか?」


 お姉さんが、何気なく聞いた言葉に


「いや、あったな」


 と、これまた何気なくダンジョンマスターが答えた。“あったのかーっ!! いつ”


「こっちにきて間もない頃、ピオニロが突然やってきて、屋敷から離れた所にある納屋が違う世界と繋がっていると言ってきた。」

「そのピオニロさんは、違う世界に行ってみたんですか?」


 うん、ピオニロさん? ピオニロさんって誰だろう。???と首を傾けていたら、“コーメンツ辺境伯領の、初代領主様のお名前ですよ” と、キャメリアが教えてくれました。ふぉ! 曽祖父の名前だったのかー。


「あぁ。だが、俺が聞いた向こうの世界は、日本じゃなかったはずだ。なんせ、行った先の世界は灼熱(しゃくねつ)の炎の世界だったらしいからな」

「ふぉぉ! ちゃくねちゅ! あっちゅっちゅ、にゃの!」

「そうだな。危険な世界のようだったから、その納屋は立ち入り禁止にしたと言ってた。グルナが開けるまではな」


 そうだったんだ。聞いてるだけだけでも暑そうな所だな、そこ。あの扉、ずっと同じ場所と繋がってるわけじゃないのかな? と思っていると


「あーぁーー!!」


 と、お姉さんの大きな声が聞こえた。


「お、おねえしゃん、どうしたにょ」

「昔お祖父ちゃんに聞いたことがあるの。お祖父ちゃんが子供の頃、すごく大きな山火事があったって!」


 “あぁー!” “それだー!” と、私もダンジョンマスターも叫んだよ!

 あの扉、ずっと同じ場所と繋がってたんだよ。60年前から、ずっと日本と繋がってたんだよ!

 な〜んて話をしていたら、突然バァーン!と音がして、狼さんが飛び込んできた。

 びっくりして振り向くと、狼さんの後ろから飛んできた天使達が手に何かを持っている。2人は急いでダンジョンマスターのそばにくると


だぁー(たすけて)

うー(はやく)


 と手に持つものをダンジョンマスターに差し出した。

 天使達が手に持っていたもの、それはピンポン玉くらいの大きさの丸っこいパステルグリーンの蜂と、普通サイズの薄い紫色の蜜蜂みたいな蜂だった。

一口メモ


エスペラント国 → 日本語


ピオニロ → 先駆者



次回投稿は8月2日か3日の、12時か18時が目標です。

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