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異世界転生なのです、お姉さん!  作者: 乃平 悠鼓
第1章
16/63

第4部 理想郷のお姉さん《2》

「ふぉぉぉ!」


 お姉さんのお家の玄関には、こんな張り紙がしてありました。


【グルナちゃんへ。チャイルドシートもらいに行ってくるね。帰りは2時か3時頃になります。向こうに帰る時に物置の中にある棚の下を見てね。】


「ちゃいるどちぃーとー!」


 わぁ〜い、嬉しいですー♪ 私はその場でぴょんぴょん跳びはねました。そうなんですよ! あのチャイルドシートが手に入るらしいんです!!

 昨日泣いてしまった、くだんのあの件です。私が子供の頃にはチャイルドシートなんてつけてなかったから、すっかり記憶から抜け落ちてましたよ!

 昨日チャイルドシートが義務化されていると思い出した時は、マジで泣きましたからね。チャイルドシートを買うお金なんて無いから! いや、安い物なら買えるかも知れないけど、100均で使えるお金がなくなっちゃうから。


「お家の人はいないのかい」


 おっと、失礼しました。

 今日はお祖父様とこちらに来ています。昨日、お昼寝もしないでお姉さんの所に入り浸った結果、夕食の時には姉さんの話をしながら睡魔に襲われ、食べながらふらふらしてしまったよ。

 お祖父様はお姉さんに挨拶をしにきたんだけど、お昼からだね。


「ちゃいるどちぃーと、もりゃいに、いってくれたの」

「ん、なんだい。そのチャイルドシートとやらは」

「こどみょ、くりゅまに、のりゅちょき、いゆ」

「あの箱のような物に乗る時にいるのかい」

「あい」


 とりあえず、いつも通りに箱とお野菜を道路沿いに置いて、また後から来ることにしました。

 私はお祖父様と手を繋いで、お屋敷に戻ります。

 物置へ向かい、お姉さんの言っていた棚の下を見ると、【グルナちゃんへ】と書かれた紙袋がありました。小さな不器用な手でそれを開けてみると


「ふぉ!」


 ビックリです!

 昨日これを知ってたら皆の役に立てたのに、と話していたレシピがプリントアウトされた紙と、計量カップなどのキッチン用品が入っていたのですよ。

 お姉さん、優しいです。中にはお手紙も。


【昨日聞いたレシピのプリントと、家で余っていた計量カップ、計量スプーン、泡立て器、ベーキングパウダーです。よかったら使ってね。】


「おねえしゃん……」


 嬉しくて嬉しくて、涙が。

 今まで、どんなに考えてもダメだったことが、お姉さんと会ったことでこんなに早く解決するなんて、お姉さんは天使ですか! ありがたく使わせていただきますね!


「おちぃしゃま、きょーのおひりゅは、ほっちょけーきと、ぽてちょさりゃたでしゅ!」


 私は紙袋を抱え、お祖父様に満面の笑みで言いましたとも!


「それは、美味しいのかい」

「あい! ふわふわで、ちやわせのあじがしましゅ。うまうまでしゅ」

「そうか、楽しみだな」


 お祖父様がニッコリ笑って、紙袋を持ってくれました。私はお祖父様と手を繋いでお屋敷に戻ります。

 お屋敷にたどり着くと、私はさっそく紙袋を両手で抱えて、スキップしながら厨房へと向かいますよ♪

 たぶんスキップ……、ね。


「くっくちょ、こえ、ちゅくってー♪」


 ぴょ〜んと、厨房の入口に現れた私を見て、料理(クック)長は笑いながら私と目線を合わせると


「なんかいいもんでもあったのかい、お嬢様」


 と言った。

 そうなんですよ料理長、と〜ってもいい物をもらったのよー、と厨房の隅に料理長を呼んで、一緒に紙袋の中を見る。レシピの表記は大さじ1とか1カップとかだったから、お姉さんが計量スプーンと計量カップをくれたのー♪

 日本語をこちらの言葉で伝えて、一通りの説明を終えると、料理長は異世界の料理に興味津々(きょうみしんしん)のようで、おもしれぇと言ってピーノに指示を出しながら料理を始めた。


「お嬢様、今度はどんなお料理ですか」


 キッチンメイド達がしゃがみこんで聞いてくるので、私はふんと胸を張って


「ふわふわで、うまうまで、ちやわせのあじでしゅ」


 と答えた。

 まぁー、と声をあげるキッチンメイド達と一緒に、甘い香りが漂う厨房でキャッキャしながら待ちましたとも!

 味見は厨房担当の特権だよねー♪


「あぁ〜、これが幸せの味」

「ふわぁふわぁです」

「おいちぃ」


 うん、うん。料理長やピーノ、キッチンメイド達と、できたてのホットケーキを頬張ってます。

 ホットケーキミックスは、小麦粉と砂糖とベーキングパウダーを混ぜ合わせればできるもんね!

 あぁ、()()()()の味。懐かしいですー。

 これだったら、子供でも大人でもお年寄りでも大丈夫だよね。領地の皆に食べさせてあげたい。

 問題はベーキングパウダー。この世界には、ベーキングパウダーがないのだよ。これをなんとかしなくっちゃ!

 次はマヨネーズ作り。ハンドミキサーがあればいいんだけど、ないから泡立て器でまぜまぜしましょう。


「できたぞお嬢様」

「あ〜い。ピーノ、おやちゃい」

「はい、どうぞ」


 ピーノに用意してもらったスティック野菜を皆で持って、マヨネーズをつけていただきます。


「あら」

「まぁ」

「うまうまでしゅ」


 このマヨネーズを茹でたじゃがいもを潰したものにまぜて、炒めたベーコンと卵を入れ塩胡椒で味付けしたら、ベーコン入りのポテトサラダのできあがり。


「旨いな」

「初めての味だわ」

「グルナの言う幸せの味ね」


 お祖父様もお祖母様もお母様も、パクパクとホットケーキとポテトサラダを食べていますよ!

 いいよね、もっともっと幸せの味を皆に食べさせてあげたい。

 簡単に作れるプリンとかチーズケーキはどうだろうか。私も食べたいー!









『おねえしゃん!』


 物置を出ると、車の後部座席に上半身を入れたお姉さんを発見しました!


『グルナちゃん』

『おねえしゃん、レチピとチュプーン、カップとか、ありあと』

『どういたしまして』

『おひりゅ、ほっちょけーき、ぽてちょさりゃた、たべたの! おねえしゃんのおかげ、おいちぃかったのー♪』

『そうなの、役に立ててよかった』


 私はお姉さんの所に駆け寄り、お姉さんの手を取ってキャッキャッしてしまったよ!


「グルナ」


 あっ、いけない。お祖父様と一緒だった。


『おねえしゃん、おちいしゃまなの』

『まぁ』

『ハジメタシテ、セワニナッテ、アリガトウ』


 お祖父様は、覚えたての日本語で挨拶をした。

 私はお祖父様とお姉さんの間で通訳をしながら、お互いの紹介を済ませてもらいましたよ。

 お姉さんがもらって来てくれたチャイルドシートを見せてもらったり、なんと乗ったりしました! いゃ〜、チャイルドシート初体験ですよ! そして


「うん、可愛いぞグルナ」

『どう、チャイルドシートを譲ってくれた人が子供服もくれたんだけど』

『たいちょうぶでしゅ! きやしゅいでしゅ!』


 チャイルドシートを無料で譲ってくれた人のお子さんが着てたワンピースらしいけど、まだまだ着れるから大丈夫! お揃いの帽子が可愛いですよ♪

 これでいつでもお出かけOK、100均に行くぞー、おー!


『グルナちゃん、今度の火曜日スーパーが均一セールの日なの。100均とホームセンターに行ってからスーパーに行ってみる?』

『いきましゅ! いきたいでしゅ!』


 この後、お屋敷で向こうのお店に行くと言ったら、お祖父様、お祖母様、お母様も一緒に行くと言い出し、お嬢様だけでは行かせられないと、トルキーソやキャメリアまでが行くと言いはじめ、激しいグルナと向こうのお店に行こう争奪戦が繰り広げられたのである。

 って、いやいやダメでしょ、皆ロココだからね! 無理だから! 髪型とか服とかどーするの?

 私は幼児だからまだロココっぽくないし、髪も瞳もブラウンだからいいけど、皆はダメでしょ。お姉さんだって困るよ、そんなの。

 結果、お祖父様とキャメリアが向こうのお店に行く権利を勝ち取りました!

 って、だーかーらーどうするのよー!!

次回投稿は21日か22日が目標です。

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