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5話 クリスマスデート?

「これがイルミネーションですか。綺麗ですね」


 私の横を歩くコロネが嬉しそうにそう言った。


 

 しかし……どうしてこうなった。

 私はクリスマスイルミネーションに彩ろられた街道をなぜかコロネと二人で歩いてる。

 それもあれだ12月24日にだ。

 他にも大勢のカップルが手をつないでいる中、私たちは歩いていたのだ。

 やばい。

 まさかこんなことになるとは思っておらず、デートとは言い難い服装の残念女がイケメン中年を連れて歩いているという物凄く違和感のある二人組になっている。

 いや、あれだよ。彼氏いない歴=生まれた年数の私にとってはこの状況はきつすぎると思うの。

 流石に周りのカップルだらけなせいか、コロネを気にする人はあまりいないが、それでも恥ずかしいというかなんというか。

 それになんというか、こっちの世界に来たコロネは強すぎて、終始負けっぱなしで勝てる気がしない。


 すっかり暗くなった中公園から自分の家に帰る途中、イルミネーションが綺麗でコロネが見てみたいとこっちに寄ってみたのだが、よくよく考えればデートスポットだったわけで。


「大分寒くなってきましたが、猫様大丈夫ですか?」


 私があまりの絶望感に項垂れていると、コロネが勘違いしたのか、ごく自然に私の首に自分のマフラーを巻いてくれる。


「え、いや大丈夫だけど!?」


 と、慌てて返そうとすると


「私は平気ですから」と、やんわり拒否される。

 くっそー。こいつイチイチ、やる事がイケメンなんだよ!なんだよ、うちのコロネはもっと、どじっ子の癒やし系なはずなんだけど。

 変態システムをはやく戻さないといろいろやばい。


「猫様の世界はこういった景色を楽しむ余裕がある世界なのですね。

 もっと殺伐としている世界なのかと勘違いしていました」


 私の企など知らないコロネがイルミネーションを見ながら目を細めた。


「え?どんなイメージだったの?」


「はい、怪人?という魔物が街を徘徊し、魔法少女とヒーローがそれを倒しているイメージです」


 ……はい。それ私の持ってる漫画の傾向です。本当すみません。

 アメコミちっくなヒーローものとか魔法少女とか大好きだったんだよぉぉぉ!!

 ついグラニクルオンラインで漫画サイトと連動しました!

 懐かしの漫画も安く大放出✩これでゲーム内でも漫画が読める!とかいうイベントがあったから買ってしまいました。

 すみません。


「え、えーっと。私の持ってる、漫画の日本のイメージはまったくあてにならないので」


「そのようですね。魔王の記憶からみても平和な世界なようで安心しました」


 と、白い息を吐きながら、ニコニコで言う。

 本来ならこういった景色でリアル日本スゲーとなるのかもしれないが……何分ゲーム世界の方が魔道具が発達してる分、魔法でキラキラ光る幻想的な映像が出来てしまうため、正直コロネにはしょぼく見えるのではないかと不安になる。


「でも魔道具の方がすごいでしょ?サーカス見たけどあっちの方がすごかったし」


「ですが魔道具はとても高価ですから。それに発動させるには魔力を持つものが使うことが必要です。

 平民が普通に楽しめるなどという環境ではありません。

 貴族でもなく、一般人がこのように景色を楽しむ余裕があるというのは素晴らしい事だと思います」


「ああ、そっか。魔道具って高価なんだ」


 魔道具がホイホイつくれるコロネやグラッドさんらとしか関わりがなかったせいでちょっと世間からずれていたらしい。

 てか、そういえば、普通の村娘Aだったときは魔道具なんて触れた事もなかったわ。


 に、してもせっかく日本にきたのにコロネをあっと言わせられるものが何もないってのがちょっと悔しい。


「にしても、コロネは日本にきて何かやりたい事とかないの?

 イルミネーションくらいじゃ面白くないでしょ?」


 私が言うと、コロネはニコニコ微笑んで


「いえ、こうして猫様と二人で歩けるのですからとても楽しいです」


 と、恥ずかしげもなく言ってくる。

 くっそー。絶対こいつからかってる。


「そういう恥ずかしい事言うの禁止!!」


 私がびしぃっと指さして言えば


「それは困りました。本当の事なのですが……」


 と、肩をすくめる。


「だーかーらー!!そういうの禁止っ!!」


 じたばたする私にコロネは楽しそうに目を細め


「申し訳ありません。女性姿の猫様は、とても可愛らしくて、つい」


「はぁ!?」


 可愛いとか言われたことがないのでつい顔が赤くなるのが自分でもわかった。

 い、いやいやいや。ないわー26歳の女に可愛いとかないわ。

 それにゲームの世界でもないから顔だって平均値だし。

 美容に気を使ってない分さらにマイナス状態なのに。


「もちろん男性姿の猫様も、お慕いしております。

 ですが今日の猫様は表情がとてもよく変わるので」


 くっそー。悪かったな!!

 男の時は平気でも女の時はどうしても異性として意識してしまうのだからしょうがないじゃないか!

 しかもゲームの世界じゃなくリアルの世界というのもおおきい。

 

 く、しかしコロネが嫌に強気な理由がわかった。これで勝てる!

 余裕が足りないせいでコロネに舐められているのだとしたら余裕をみせればいいだけの話なのだ。


 こうして私のコロネと立場逆転計画がスタートするのだった。




 ……が、やっぱり撃墜された。


 カップルがキスをしているシーンに出くわしたので、コロネが所在なさげに目をそらし顔を赤くしたので、これはいいヘタレコロネ!今がチャンス!と強気で


「なんならしてみる?」


 と、余裕な表情を意識してからかった所、「宜しいのでしょうか?」と真顔で返された。

 もちろん全力で拒否ったら、想定済みだったのかニッコニコ顔で「可愛いですね」と言われる始末。


 なら、他のカップルのようにべったりしてみたら、顔を赤らめるかと思って。

 くっついてみたら、そのままニッコニコ顔で肩を抱き寄せられた。

 絶対こいつわかっててやってるだろう!?


 ちょ、男の人とこんなにくっつくとか無理だから!?

 って自分でくっついたんでした!そうでした!?


 結局ガッチガチになりながらコロネと街道を歩く事に。



 どうしよう。こいつ強すぎて勝てるビジョンが浮かばない。 

 やばい、完全敗北とか私のプライドが許せないのだけれど!しかもコロネに!


「ああ、そういえば猫様。リリ様達にお土産を買って帰りたいのですが、どこかに立ち寄っても宜しいでしょうか?」


 相変わらず肩を抱いたままコロネが聞いてくる。


「あー、うん!リリ達にお土産買おう!そうしよう!」


 私はやったと言わんばかりにコロネから離れるとダッシュで、ケーキ屋へと向かう。

 離れる口実ができたねやったね!


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