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【番外編】本編のその後

リクエスト頂いたので本編verのその後です。

番外編とは設定が異なりますので注意してください。

ややこしくてすみません……。



「カエデ!これとっても美味しいっ!!」


 スイーツバイキングでこれでもかと、全種類もってきて机に並べたリリが嬉しそうに食べながら感想をのべる。

 その横では机に並べられた甘いスイーツによく食べれるなといった顔のアルファーと、意にかえさずコーヒーを飲むコロネ。

 その向かい側ではやはり、5種類くらいスイーツをもってきて丁寧に食べているファルティナの姿。

 

 レイスリーネは嬉しそうにチョコレートの機械でチョコバナナを作って遊んでいる。


 わりとかなりの量の果物にチョコを塗りたくっているけど食べきれるのかしら。


 最初に食べきれない分は作ったらダメと注意してあるので食べてくれるのだろう。たぶん。


「こちらの世界のお菓子は美味しいですね。帝都で食べたお菓子より美味しい気がします」


 と、ファルティナ。


「うーん。調味料とかの材料の違いかな?

 まぁ、あっちの世界小麦は大雑把に一種類しかなかったりしたからね。

 品種改良とかなしにゲームのままだったし」


 まぁ、連れてきた店がわりと高級店なお店だったりするのもあるのだろうけれど。

 一人5000円もする。一人だったら絶対こない。

 でもあれじゃん、どうせみんなに食べさせてあげるなら美味しもの食べてほしいじゃん?

 奮発したよ奮発。

 


「こちらの世界ではそれほど種類が豊富なのでしょうか?」


 コーヒーを飲んでいたコロネが興味深そうに聞いてくる。

 君はそういう話題にはすぐ食いつくんだよね。


「うん。もう数え切れないくらい。

 気温や環境、風土にあわせて作れる物が違うし」


「ああ、なるほど。

 こちらの世界では常に気温は一定ですから、そういった特色をだすのは難しいのかもしれませんね」


「え!?一定だったの!?」


「はい。雨というものもありません」


「へ!?マジで!?」


「雨が降ったのを経験したことがありましたか?」


「ああ、なかった」


「空から水が降ってくるんだよね!リリ楽しみ!」


 リリがもぐもぐ、いちごパフェを食べながら言う。


「空から水ですか……羽が濡れそうですね」


 ゲンナリとした表情でアルファー。

 確かにアルファーとか羽が濡れたら飛べなくなりそうだ。

 もうふっさふっさだもんね。ふっさふっさ。

 一度あれ、触ってみたいかもしれない。


「それでは食べきりましたのでおかわりをもってきます!」


 会話にはまったく参加せず、きりっとした表情でファルティナがわざわざ宣言をしていそいそと席をたった。

 一応律儀に食べきるまではダメというのは守ってくれているらしい。


「……女性は何故あのように甘いものを際限なく食べれるのでしょうか……」


 アルファーがリリとファルティナを交互に見ながらため息をつく。


「や、リリとファルティナはすごいほうでしょ。私も無理だあんなに食べれない」


 と、いっても基本貧乏症なので、少しでも元を取ろうと果物ぱくついてるけどね。

 いちご美味しいよいちご。

 次はライチ食べたい。


「食べきった!リリも新しいのとってくる!」


 と、机に所狭しと並べてあったデザートを食べ尽くしリリも新しいものをとりにいくのだった。


 △▲△



「あー。美味しかった!!」


 食べ終わり外にでてブラブラ歩きながらリリが背筋を伸ばしながら言う。


「そうですね。リリ様。沢山食べましたね」


 コロネがニコニコ言うと


「うん!全種類15個ずつ食べた!」


 と、リリ。うん。この子、大食い選手権にでれると思うの。


 同じく満足そうなファルティナと、果物にチョコレートを塗りすぎて、チョコ味を延々たべることになったせいで、若干気持ち悪そうなレイスリーネがその横を歩いている。

 よくよく考えれば、この面子、美少女・美女×2・美青年・イケメン中年・残念女というよくわからないメンバーになってしまっている。

 時々道行く人たちが振り返るが、まぁ気にしないでおこう。


 アルファーは道行く途中で走っている車をまるで物珍しそうに見ながら歩いていた。


「うーん。このあとどうしようかな。車の展示場はちょっと知識がないから、きちんと調べないとだし。

 ゲームセンターで車運転するゲームでもしてみる?」


「ゲームセンターですか?」


「うん。VRの車運転するゲームあるから本物とあまりかわらない体感できるし。

 結構面白いよ?初めての人用の運転の練習の仕方もあるし」


「はい!いきたいです!」

 

 と、アルファーが目を輝かせる。うん。君、スイーツバイキングの時のテンションと全然違うね。

 まぁ、男性はあちらの世界でもデザートはあまり好きじゃないのかもしれない。



 △▲△


「カエデ!あれほしい!」


 クレーンゲームの中で、リリの好きな魔法少女の人形を見つけてリリが目を輝かせた。

 うん。ぬいぐるみじゃなく、マジもののフィギアの方なのだけど。

 リリちゃんは順調に私に似たらしくオタ街道まっしぐらえある。


「うっし。じゃあとってあげるからちょっと待ってて」


 私はお金を入れてクレーンゲームにチャレンジしだした。

 因みにアルファーはレーシングゲームに夢中で、ファルティナは逆に興味がないのか、休憩コーナーでファッション雑誌を読んでいる。

 私とリリとレイスリーネとコロネはぶらぶらとクレーンゲームのコーナーに来ていた。

 5回目くらいで、フィギアをとるのに成功すると、コロネとレイスリーネが感嘆の声を上げる。


「はい、どうぞ」


 とリリに渡すとリリがありがとー!と私に抱きついてきた。

 うん。リリちゃんマジ天使。


「にしても、カエデ様は上手ですね」


「ふふふ、一時期はまっていたからね。

 ぬいぐるみならもっととれる自信あるよ」


 と、レイスリーネに答える私。


「では、あのぬいぐるみはとれますか?」


 と、もふもふの大きいぬいぐるみをレイスリーネが指さす。


「うーん。位置的にちょい厳しい位置にあるけどいけると思う。

 欲しいの?」


 私の問いにレイスリーネが顔を赤くして頷いた。

 やだこの子まじ可愛い。気の強そうな外見とは裏腹にレイスリーネちゃんって萌キャラだよねマジで。


 8回目くらいでなんとかゲットするとレイスリーネちゃんがありがとうございますと、嬉しそうにぬいぐるみを抱きかかえた。

 うん、マジそのまま一緒に寝るとき抱っこしそうな勢いで喜んでいて微笑ましい。


 さて、リリちゃんととレイスリーネちゃんにとってあげたしと、一緒に居たコロネを見れば


「……い、いえ私は欲しいものはありませんので結構です」


 私の言いたい事がわかったのかコロネが慌てて首を振った。 

 ですよねー。


 リリもレイスリーネもあれから楽しそうに自分でクレーンゲームにチャレンジしだし、リリちゃんは相変わらずの器用さで、ばしばしぬいぐるみを取り出す鬼畜っぷりを発揮し、逆にレイスリーネちゃんは不器用なのかなかなかとれない。


「コロネは何かやりたいものないの?」


 私が聞けば、


「いえ、特には。こうして楓様と一緒にいれるだけで幸せですから」


 と、恥ずかしいセリフをさらりと言ってのける。


「んなっ!?」


 つい、顔が赤くなるが、バレてはいけないので顔を背けた。

 うん。本当にコロネはさらりとキザなセリフを言うから困る。


 に、してもたまにはみんなでこういうのもいいよね。マジ戦闘しかしてこなかったし。


「たまには戦闘しないでこういうのもいいもんだよね」


 私が言うとコロネもにっこり微笑んで


「はい。そうですね」


 と、同意した。

 願わくば、どうかこのまま平和な世界を満喫できると嬉しいのだけれど。

 と、私は心のなかで願うのだった。


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