表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/35

第04話 ステータスが……



 だいたいあれから小一時間かかった、俺達が今もまだ迷路の中だ。

 ただ歩くのも暇だったので、あのクソ野郎仕様のステータスウィンドウを覗いてみる事にした。

 

 自分のものはこんな感じだ。





 名前 (たちばな) 紅蓮(ぐれん)


 レベル 99


 クラス メイジ


 スキル 灼熱陽光(プロミネンス) 絶対氷結(コキュートス)



 んで、りるのものはこんな感じ



 名前 乙部(おとべ) 里留(りる)


 レベル 1


 クラス 一般人


 スキル ―





 感想、なんじゃこゃあっ!! だ。


 俺は、はっきり言って魔法使って後ろから攻撃するより、前で肉弾戦してる方が得意なのに。


 しかも何でメイジなんだよ。

 それにレベル99って……チートすぎんだろ。

 嫌味か。

 あえて不得意な分野で戦わざるを得なくするとか、嫌味だろ。


 しかも、里留はレベル1って…。

 どういう理屈だ。

 つーか、ここって戦闘とか必要な世界だったりすんのか。危険かよ。

 進んでチビに戦わせようとは思えわねぇけど、そりゃあんまりだろうが。


『願いを叶えさせてあげるんだから、これくらい大目にみてよねー。きゃはははっ。私の機嫌損ねたいのー?』


 そんな事を考えてると、まるで心を読んでましたみたいな、タイミングでそんな反応が返ってきた。

 里留には聞こえてない。無反応だ。周囲には怯えているが。


 土俵に上げてやったんだから、不利な条件でも呑めってか!?

 俺らは遊び道具か何かよ。


『何かじゃなくて、玩具(おもちゃ)そのものなんだけどー』

「クソっ!」


 虫唾が走った。勢いよく壁に拳を叩きつける。


 普段だったら、迷わず殴り飛ばしてやってるくらいのウザさ憎らしさだったが、それは敵わない。

 世界の命運を握っていて、かつ姿の見えない敵なんて、どうやったって殴り様がないからだ。


「……」


 そこで、ふと近くにいるはずの少女の存在に思い至った。今ので怖がらせたかもしれない。

 しかし、


「あぁ……?」


 周囲を見回すものの、それらしい影は一つもなかった。いない。いなくなってる!!

 問題発生だ。

 いやただの問題じゃない、大問題が……だ。


「おいっ! どこだ!」


 返事が聞こえない。

 まずい。いつからだ。いつからいなくなってたんだ。さっきはいただろ。まったく気づかなかった。

 何でいなくなってんだ。おいおい。冗談じゃねぇ。現実かよ。現実だ。冗談でもなんでもない。まぎれもない現実。馬鹿な俺。馬鹿だろ、ホント。


「返事しろ! チビ……じゃなくて、里留っ!!」


 慌てて、元来た道を走りだす。

 しばらく走ってから、壁から手を離している事に気付いた。

 振り出しだ。迷路攻略。今までの一時間、パァだ。

 それより、チビ……いや里留だろ。今はどうでもいい。そんな事気にしてられっか。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ