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第02話 破壊神



 倒れている女の子へ声をかける。


「おい、生きてるか?」


 なんて馬鹿な質問だ。でも、声を発した奴が救いようのない馬鹿だからしょうがない。


「う……」


 身じろぎ、そして苦しそうなうめき声。

 返事があった。生きている。

 そんなの観察すりゃ分かるだろって言うけどな。観察してる暇があったら俺は、本人に聞く人間なんだよ。悪いか。


 怪我はないかと目をこらす。

 すると女の子の右上らへんの空間に、ステータスウィンドウが見えた。





「………………は?」





 もう一度言う。

 少女のステータスウィンドウが、だ。

 空中に半透明の窓。

 そこには名前、レベル、クラスとか、あとスキルが書いてあった。


「んだこれ?」

『え? 見て分からない? ステータスウィンドウだよ。だって、この方がゲームみたいでいいでしょ? 好きでしょ、ゲーム。ならいいじゃん』


 馴れ馴れしく声が話しかけてきた。

 女の声だ。

 その声の主を探すが、見つからない。

 そうだ、こいつはそういう奴なんだ。

 あの時も声だけ聞こえて、姿は見えなかった。


 滅ぶ世界の前に、人々に話しかけてきたあの時も。


「ふざけんな。ゲームって、お前……っ」

『はいはい文句禁止だよ? 逆らうの禁止。分かってる? 世界救いたいんでしょ? ならはいはい文句言わない』

「じゃあ、ここぁ、どこだよ」


 彼女……(姿が見えないので、本当にそうかわからないが声の感じからしてなんとなくそう判断した)の聞き分けの悪い子供にでも言い聞かせるような口調に、自然と声が低くなる。


『私の遊び場ぁ』

「…………」


 ブチ切れようかと思った。いや、もう半分くら切れている。


『嘘嘘、冗談。ごめんね。悪いとは思ってないけど。だって、楽しいから。ここはぁ、異世界のーぉ、ダンジョンっ! 剣と魔法のファンタジー! やったね!』


 周囲を見回す。

 壁とか床とか天井とかあった。

 悪かったな。教養ないから、そんくらいしか言い表せねぇんだよ。って、誰に言ってる。

 

 よく観察してみるが、まったくもっておかしい見た目だった。白くてのっぺりとしてて、傷や色味はまなく、普通はあるはずの壁と床の継ぎ目とか隙間もない。


「その剣とか魔法とかのワールドなら、どこの建物(たてもん)中にいんだ」

願壁(がんぺき)、っていうおっきな壁の中。ここのてっぺんに行ければ何でも願いが叶うんだよぉ。ど? すごいでしょ? ね? そうだよね』

「上行って、自分(てめぇ)で叶えろってこっか」

『うふふ』

「おい、破壊神。名前は」

『ひっどい。こんなか弱い女の子を破壊神なんて!』

「声しか聞こえねーだろ」


 声質だけは女だが。それだけだろ。

 つか、何が悲しくて加害者に願いを叶えてもらわなくちゃいけねぇんだ。

 おかしいだろ。おかしい。そんなのは分かってる。


『いいよ。名乗ったげる。君にとっての破壊神。私の名前。遊戯のオリガヌ・シーシャ。以後。おーみぃ知りぃおき…をっ!』


 だが、こんなふざけた奴の言葉でも乗っかるしかないのだ。

 世界を救うには、それしか方法がない。




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