表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界終了のお死らせです  作者: 透坂雨音


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
28/35

第27話 里留の心情



 里留は今七層にいる。

 次は六層のはずなのに、七層になっていることは不思議に思う。が、この場所はどうしてだろう? って思うことが良く起きる。なので今回のことも気にしない事にした。


 最終フロアというところに移動されてすぐ、里留達の所に怖い人達がやってきた。

 目の前では紅蓮が必死になって、その人達と戦っている。


 里留のその人への第一印象は、怖い人だった。あと、信用できない人。

 何だかよく分からないところに来てしまって、傍にはお母さんじゃなくて紅蓮がいた。

 怖い顔して歩くだけで、どうしてここにいるのかとか、どこに向かっているのかとか、何にも説明してくれなかった。


 でもしばらくしたら紅蓮は、迷子になった子供みたいな顔して説明してくれた。


 ここが願壁(がんぺき)という場所で、願いを叶えるための場所だということが分かって、少しだけ希望が持てた。

 ここで頑張れば、お母さんが戻ってきてくれるかもしれない。そう思えれば、知らない場所でも頑張る事が出来た。


 紅蓮は、怖い人だった。顔が時々恐いし、性格も怖い。でもそれだじゃなくて、ちょっとだけ優しい。里留の様子をいつも気にしてくれてる。大体の場合は言葉にしないけど。


 それに危ない目に遭うかもしれないって時は必ず守ろうとしてくれる。途中で一緒になったアレンさんが凄いから、ほとんど危ない目に合うなんて事はないけれど。それでもたまに危なくなると、助けてくれようとしてくれる。


 どうしてだろう。何度も思った。どうして紅蓮は里留の事を助けようとしてくれるんだろう。知らない人なのに。それとも、里留が知らないだけで、向こうは里留の事を知っているのだろうか。


 何度も聞きたかったけど、聞けなかった。里留がそれに近い事をいうと、聞かれたくないっていつも顔に出してたから。


 いつか教えてくれる日が来るのかな……。


 紅蓮と里留は友達になったから、たぶんいつかは話してくれると思う。

 だから、それまでは里留は紅蓮を助けてあげようと思う。

 紅蓮は里留を助けてくれる。だから里留も同じことをするのだ。

 友達ってそういうものだよ、ってお母さんが言ってたから。





 里留がハラハラとした気持ちで見つめていると、聞き慣れた声がした。


 知ってる声。

 ついさっきまで紅蓮と協力していたはずの人の声だ。


「近づかなければいいって話だろう? ねぇ」

「ベティー!」


 ベティーさんが鞭で紅蓮を攻撃している。


 それによって、里留を守る者がいなくなってしまった。

 周囲を覆っていた炎が弱まっていく。それを待って、数人の男女がこちらへやってきた。


「っ……」


 里留は無力だ。アレンさんのように、紅蓮のように戦える術を持たない。

 暴力を振るわれれば成す術なんてなかった。

 遅い来る魔法と武器、子供一人を死に追いやるには十分な力の量。


 だけど、里留は紅蓮に「……」助けを求めない。今は駄目だ。紅蓮は危ない目に遭ってる。集中してる。注意を引いてしまったら気がそれて、大変な事になってしまうかもしれない。それぐらい里留にも分かる。


 何とかしないと。でも里留には何もできない。力もない。頭もよくない。何とかしたくても、出来ない。


 そのまま、にじりよってきた物達が少女の小さな命を消し潰す……その前に……。


「子供一人に、よってたかってるんじゃないわよ」


 里留の前に駆けつけてきてくれた人がいた。


「……シェリ―、さん?」

「馬鹿みたい、こんなの」

「ああだりぃ、だから肩入れしたくなかったんだよ。とっさに体が動いちまったじゃねえか」

「……ローランさん」


 一時の間だけ紅蓮と肩を並べて戦った仲間がそこに立っていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ