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プロローグ
記憶の断片に彼と初めて出会った彼を私は覚えていた。母が連れて来た彼は私よりも背が小さくて、服もボロボロで何より虚ろだ。彼には何もない。
初めて、挨拶した時も無視されたことを覚えてる。無視されて泣いたことも覚えている。その時、虚ろな彼が私にこう言った。
「泣かないで」
シンプルな一言だった。でも、その一言で私は泣き止んだ。何故なら、彼は私以上に悲しそうな顔をしていた。虚ろだった彼が今にも泣きそうな顔をしていた。その瞬間からだろうか?胸に熱さを感じ始めたのは。
それから、数年後。彼は私のよき友人であり、使用人・・・執事だ。
春夏秋冬シリーズを書いてて、思いついたストーリです。
一話一話は短くするつもりなので、暇つぶしの時でもお読みください。




