ープロローグー 『英雄リン』
リムサン大陸に新たに新設された大都市。三つの王都の中心に位置するその都市の名は新王国連合魔法都市『マギア』三つの王都を結ぶ貿易の中心都市でもある『マギア』の中心には天を突く程の巨大な鉄のタワーが新設されそれを中心にいくつもの商業施設や冒険者ギルド、様々な施設が建ち並んだ未だ開発途中の巨大都市である。
都市のシンボルでもある鉄のタワーには新たな王国連合の施設が入り成長を続ける都市を見守っている。
それを山向こうから見つめる黒いローブの集団。
その1人が深く被ったローブを外し片目で都市を睨んだ。
髪色は水色でその長い髪が風によってなびく。
右眼には黒い眼帯を身に付け髪色と同じ水色の左眼の下には深い切り傷が酷く残っている。
女が左耳に手を当てまるで誰かと会話する様に独りごちた。
「NN隊作戦予定地に到着。」
「……了解。予定通り作戦を実行する。」
女は耳から手を離すとその長い髪をローブの中にしまうと再びローブを深く被った。
「これよりNN隊は予定通り『マギア』中心に存在する王国連合宝物庫の最下層の『神石』を奪取する。」
「「「ハッ!!」」」
「では行くぞ!私に続け!!」
黒ローブの女が消える様に跳ぶと他の集団も続いて跳ぶ。
そこにはもう誰も居なかった。
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『進入者!第2階層に進入!!直ちに排除せよ!』
『繰り返す!進入者!第2階層に進入!!直ちに排除せよ!!』
警報と共にけたたましいサイレンが宝物庫の中に響き渡る。
黒ローブの集団が警備兵を背後から襲い次の階層への鍵を探す。
「居たぞ!こっちダァ!!ぐぁっ!」
叫ぶ警備兵の首元にナイフを投げつけまだピクピクと動くその死体を漁る。
『ピィー』
次の階層への扉の前に立つ黒ローブが常人には聞こえない犬笛を吹く。
合図だ。
黒ローブ達は一斉に扉へと走り出す。その間、犬笛を吹いた黒ローブが階層の扉を開ける。
黒ローブ達は雪崩れ込む様に下行きの階段へ駆け込み降りる。
3階層の宝物庫は式典の時に使用する赤絨毯や玉座など色々なものが置かれていた。
次の階層への扉は一番奥。数人の警備兵を数で襲い身体を探る。
カコンと突然次の階層への扉が開いた。
数人の黒ローブが考えなしに開いた扉に入った。
「ぬがぁっ!!」
扉から黒ローブを巻き込んだ烈火の炎が放出され場を一気に明るくした。炎が絨毯に燃え移り扉からの炎が消えてもこの階層を燃やし始めた。
『2.5階層の扉を閉める!近くの者は退避せよ!繰り返す!2.5階層の扉を閉める!近くの者は退避せよ!』
ハッと気づいた黒ローブが上の階段を上ろうと走ったが階段が鉄の壁によって封じられた。
「諦めなさい。このルートは私が守っている。」
カツンカツンと靴を鳴らし四階層への扉から現れた。身長170はあるふっくらとした胸元に紺青色のローブに紺青色の桃のような形の大きな帽子そこからはみ出す長い青髪その帽子には『バラリアード』を意味する大樹が描かれている。
右手には身の丈程の杖を持ち左手には分厚い使い古したボロボロの魔導書を抱えている。
「聖神魔法『氷の宴』」
カツンと杖を突いた女を中心に巨大な魔法陣が現れる。
次の瞬間燃え盛る無機質の炎をも凍りつかせ階層全体を氷で覆った。
女の近くでその魔法を直に受けてしまった数人の黒ローブは一瞬で氷漬けにされた。
階層全体が永久凍土の様に凍りつき温度が急激に下がり手足の動きを鈍くする。
「『英雄』リンだ!!」
黒ローブの誰かが叫んだ。
「問題ない!フェイズ3に移行だ!」
「「ハッ!!」」
黒ローブ達が散らばりリンを囲う。黒ローブは走り回りながらリンからの攻撃に当たらない様に動く。
一斉に投げナイフがリンに向かって放たれ黒ローブ達は距離を取る。
「流石に訓練されていますね。でも……」
リンは四方から襲い来る投げナイフを冷静に見やると杖を再び床を突いた。
「『不完全な障壁』」
突如現れたリンを守る光の壁がナイフを消滅させる。
杖をまるで剣のように横に払い杖を突く。
「『迫り来る氷柱』」
杖を払った位置に魔力が収束し氷の氷柱が無数に放たれる。
「ぐぁっ!」
「がぁ!!」
数人の黒ローブは氷柱の餌食となり腹を貫かれそのまま氷漬けにされる。
氷漬けの死体がゴトリと音を立て床に倒れる。
仲間の死を物ともせず十人の黒ローブが一斉にナイフを持ち飛びかかる。
リンはそれを一瞥すると再び床に杖を突く。
「『暴風の嵐』」
緑色の風を表す魔法陣が展開されリン中心に竜巻の嵐が発生する。
黒ローブ達は風に勢いよく吹き上げられ天井へぶつかった後落下する。
「チッ……『英雄』リン……」
「どうしました、残りは貴方だけです。今投降し貴方達の上の情報を話せば命は助けてあげましょう。」
「破滅魔法……」
黒ローブの女が右手を構え魔法を唱える。
「はぁ……仕方ありませんね。良いですか?敵わない相手に挑む事は勇気ではなく無謀なのですよ。」
「水龍!!」
女の右手から放たれた水の龍がリンへと襲いかかる
「『氷の棺』」
リンが杖を突き魔法陣を展開すると目の前に氷の棺が生成される水龍はその棺へと吸い込まれる様に入り込むと氷の棺はその蓋を閉じ水龍を閉じ込めた。
「破滅魔法……水刄!」
黒ローブの女が水の刃を飛ばす。
「強制転移。」
「……!!水壁」
水刄が突然女の背後から現れる。それを水の壁を作り出し防いだ。
「成る程、やりますね。ですが……」
リンが消える。女は辺りを警戒し首を回す。
「コッチです。聖神魔法『雷炎』」
天井近くに転移したリンが杖を持った手で魔法を放つ。
雷と炎が混ざり合った魔法が凍った壁に反射し眼を顰める。
女が右手を眼帯に当てその眼帯を外した。
その眼は真っ赤な紅の炎が灯り眼には見えない魔力が溢れ出ていた。
「『魔力解放』!!」
紅の炎が燃え上がり女を赤黒い炎で包む。そこに『雷炎』がぶつかり発光と爆発を発生させた。
「ほぅ……」
リンは杖でその光を翳し爆風になびくローブを魔導書と共に抑えながら熱量によって溶けた氷の床に着地する。
「魔力解放が使えるとは…それにその右眼……魔力眼ですか……ですが制御は出来ない様ですね。」
リンが爆炎の中からユッタリとフラついた足取りで現れる黒ローブの女の姿を見やる。
背中から片翼のボロボロの黒い翼が生え出て魔力眼を持った右側の顔だけ黒い魔力に覆われ紅の炎が灯っている。
「コ……ロ………ス……」
「はぁ……まともに話す事も出来ないのですね。まぁ良いでしょう。」
杖を突く。カンという鈍い音が強く響く。
「『人間族』となって良い事がありました。魔法の発祥である魔族の魔法の知識。それが入って来ましたからね。貴女が知っているかは知りませんが『平和の為の破壊』抜け落ちていた部分がかなりありましたが読みました。素晴らしいです。先代の魔王『ティー・ターン・アムリタ』彼は正に天才です。尊敬しましたよ。」
リンが杖を捨て手に持っていたボロボロの魔導書を開く余りにも古過ぎるのかページが取れて床に落ちる。
それを気にせずリンは最後のページまで開いた。
「見せてあげましょう。『ティー・ターン・アムリタ』の作り出した最高の破滅魔法を……」
息を吐き思いっきり吸い込んだ。
「永久に眠りなさい。帝級破滅魔法。」
リンの背後に何十もの紫色の魔法陣が展開される。
右手を黒ローブの女に翳し唱えた。
「『永久の終わり』」
魔法陣から放たれた紫の光線が眩く光り女はおろか部屋全体を大爆発に巻き込んだ。
女の記憶はそこで途絶えた。
ども、ほねつきです。
新章開幕。ベラベラと喋るリン。もうリンは大人なんです!
暫くは女黒ローブ視点です…ディラですか?次で出ますよ……ハイ…
最後にお願いです。ブクマ登録お願いします。僕のテンションが上がります。
レビュー、感想も頂けると嬉しさのあまり悶絶してしまいます!…誰ですか今キモいって言った人!安心して下さい。悶絶はしません。(・ω・)
あ、あと誤字脱字、なんか同じ文が二回連続になってるとかありましたら報告してくれるとありがたいです。僕の場合適当に確認しているのでそう言う事がたまにあると思うのでお願いします。
では、また(`_´)ゞ




