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ー閑話ー 『バー〈フレスト〉始めました』

新章の前にちょっと日常の様なお話。


「突然なんだけど、おっさん。フレクトリアに土地余ってないか?」


「なんじゃ、いきなり」



全てはそこから始まった。





「だから、土地余ってないかって聞いてんだよ」


「土地と言われてもどれくらいなのかによるの、豪邸が建てられるほどなのかそれこそ寝泊まりするだけの広さの土地なのか。」


「うーん、程よく狭くて広いくらい。」


「広いのか狭いのか分からんな。そもそも何をするのじゃ?」


「バーを開こうかなと。」


「…は?」


「バーを開こうかなと。」


「いやいや、聞こえておる。え?なに?バー?」


「そう、バーだ。」


「何故いきなりそんな事を?」


「んー、話せば長くなるけど簡単に言えば金を稼ぎたいから。」


「それは…至ってシンプルじゃな。」


「で、土地はあんの?ないの?」


「いや、ある筈じゃ。じゃが待て、魔王府を動かす。フレクトリアにある良い土地を探そう。」


「おー!マジか!ありがとな!」


礼を言うとおっさんは転移して行った。

うん、なんで俺が突然バーを開こうだなどと思ったかと言えばアレだ…

俺の創造魔法、飯作れるからさ、店開いたら楽できるなと思ってな。

まぁ、何故バーって言うとひっそりとやりたいなと思ってな。それに夕方だけしかやらない、つまり昼間は遊べると言う事。

以上の事からバーをする事にした。


で、何故わざわざフレクトリアでバーを開くのかって言うとアレだ。リムサン大陸で開こうとすると許可やらなんやらやらないといけない。

だが、おっさんが裏で支配するブゥルムンドのフレクトリアならなにやら面倒い手続きなしでやれるかなと思ってな。


「見つけたぞ。」


早いな。おっさんが5、6枚の書類を持って戻ってきた。


「おーどんなのがあるんだ?」


「うむ、位置的には地味で中々広いと言う土地を探してきたぞ。」


そう行っておっさんは持ってきた書類を机の上に広げる。

へー色んなのあんなー


お、これとか良さそう。


縦長の土地をした見取り図が書かれた書類を手に取る。


「うむ、それで良いのか?」


「んー、これで良いかな?どんな感じなのか見てみたいけど。」


「良かろう、では早速転移じゃあ!」





転移した。そこはキャスルコアの内部でおっさんの恥ずかしい自画像が飾られている。

本当に良くこんなの飾れるな。


「では、早速外に出ようか。」


「ああ、勿論だ。」


おっさんがキャスルコアに触れると更に転移させられる。


今度は扉の目の前。

扉を開けると更に巨大な門が置かれそこの端の方にある小さな扉から街へ出た。

フレクトリアは活気があり経済的にも潤っている土地らしい。

詳しくは知らん。


「こっちじゃ。」


知らぬ間に外にいたおっさんの後を追いフレクトリアの街を彷徨う。


なんだかんだで魔王城から十分程歩いた所でおっさんが止まった。


「ここじゃ。」


そう言って指差した方を見ると廃墟の様なボロい小屋があった。

窓ガラスは割れドアは傾いている。


「ふざけてるのか?」


「安心せよ、奥には広い。」


そう言って傾いたドアを破壊して入ったおっさん。おいおい…なにやってんだ…



「あ、でも意外と広いな。」


「じゃろ?」


中に入るとボロくて埃っぽいのは置いといて奥に広い。

横幅は畳3枚くらいの幅、アレね長い方じゃ無くて短い方の3枚分ね。


いや、しかし奥に広いな。

何だこれ、50メートルあるんじゃないか?


だが、此処にカウンター置いて、冷蔵庫的なものを置いてワイン棚とか置いて、椅子は背もたれ付きの赤い丸椅子でいいかな。

うん、そうしよう。


「よし、此処にする。」


「良かろう。既にここの許可は得ておる。自由に改造してしまえぃ!」


「了解!創造魔法!!」





さて、ちゃっちゃと内装が完成した。黒のカウンターを奥まで伸ばし床は木の床で赤い丸椅子を50個置いた。

カウンター裏はグラスを冷やすための冷蔵庫を奥まで伸ばしミキサーとかも五つ、それぞれの場所でできる様にした。

壁側に棚を創造してワインとか置ける様にした。

食器とかはどうしようかな…あとバーだからシェーカーとかもいるな。

あと、ワインとかか…俺よく考えたら酒飲んだ事ないわ…

まぁいいや!おっさんに頼もう!


「おっさん!世界中のありとあらゆる酒を集めてくれ!それと食器とバーに必要な器具だ!」


「ふっ、そう言うと思うて全て魔王城に準備させておる!」


「マジかよ!?」


「マジじゃ。」


ここに来て初めておっさんの凄さを垣間見た気がする!!


「あ、そう言えばキッチンが無え。」


「ふむ、それなら店の奥にキャスルコアを繋げ魔王城の厨房に繋がる様にしよう。」


「マジで!?良いの!?」


あそこ地味に広かったもんな。


「よい、どうせ誰も使っとらん。」


あ、察し。

そうだ。ドアを直さなければ。

うーん、赤いドアで良いかな。

あ、あと壁は面倒いから全部黒で良いや。


「創造!」


よし、完璧だ。

後は魔王城から食器やら何やらを持ってくれば…









「よしっ!完成だ!!」


食器やワインをワイン棚に並べグラスや飲み物を冷蔵庫に入れ不備は無いだろうが一応確認した。


「上出来じゃぁ!それで、この店の名は?」


あ、考えてなかった。店の名前ね。


「うーん。フレクトリア…フレクトリア……フレストってどうだ?」


「何故そうなったのか分からんが良いと思うぞ。」


よしそうと決まれば早速外に看板出そう。


創造!




『バー〈フレスト〉』始めました。

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