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不死身の神官〜色々平均以下の俺が転生して不死身になった〜  作者: ほねつき
ーヨールパル大陸ー 魔王勇者決戦編
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ー第10話ー 『キャッスルコア』

色々あって遅くなりましたーどぞー今回はバンシィサイド


「のぉバンシィよ、やっぱり行くのやめんか?」


「何でだよ!行けよ!」


良い歳こいたおっさんがキラキラした気持ち悪い目で訴えてくる。


「いやー、やはりもしサラミスが生きているとしたらの…我に一番忠誠を誓っていた者と会うのは……ちょっと恥ずかしい気も……」


「いや、黙れ、行くぞ。」


理由を聞いて損した。さっさとおっさんを引っ叩き転移魔術を発動する。







ブゥルムンド大陸の魔王城城下町は既に人気がほとんど無く月明かりが辺りを照らしていた。

城下町に転移しそこから徒歩で魔王城を目指した。


「のぉ…バンシィ、やっぱり帰らんかの?」


此の期に及んでおっさんはまだ帰ろうとする。


「どうせ帰っても暇なだけだろ?ちょっと話して帰るだけだ。すぐに終わるだろ。」


「そうかもしれんが……」


なんかまだおっさんがブツブツ言っているが無視しよっと。

あ、そう言えば魔王城に集合って言ったけど何処に行けば良いか決めてなかったな。


「なあ、おっさん。転移で魔王城の中に入れないんか?」


「む?勿論入れるが?そもそも、あそこは我の家だしの。」


「やっぱ入れるんだな!さっさとそこまで転移しやがれ!!」


おっさんの肩を掴んでおっさんは転移した。




転移した場所は薄く汚れた赤い絨毯が敷かれ壁にはでかでかと埃の被った人物画が掛けられている。


その人物画は黒髪で漆黒のコートに煌びやかなマントを身に纏い黄金の杖をついた全身の人物画だ。そしてその顔は見間違うことの無い間違いなくおっさんだった。


「お前、こんなの飾ってたのか?」


それを聞くとおっさんは恥ずかしそうに答えた。


「いや、まぁ、それは部下に我の威厳を示すためにじゃな…」


この行動は威厳が示せて無いな。そもそも部下が1人も居ない時点で威厳も何も無いな。


「まぁ良い。取り敢えず座らんか?」


そう言っておっさんは振り返った。

つられて俺も振り返ると台座の上に黒龍の鱗の様なものでできた黒い椅子が一つあった。


「なんだ、ここは謁見の間か?」


「まぁ、そうだった所じゃ。」


そう言っておっさんはその黒椅子に腰掛ける。うーん。まぁ、魔王って言われたら魔王かな?

俺はちょっと部屋?謁見の間をウロチョロする。


するとおかしな点を見つけた。


「そう言えば扉が無いな。」


「いかにも。この部屋には扉は無い。何故なら此処は魔王城であって魔王城では無い部屋じゃからの。」


「は?言ってる事が分かんねぇな。」


魔王城であり魔王城では無いとかどんな謎だよ。


「魔王城の中にある別空間。とでも言うのかの?」


そう言っておっさんは指を鳴らした。


「おっと。」


突然床が開きそこから何やら紅い球体の様なものが出てきた。

それは空中で浮遊し俺の眼の前をフワフワと浮かんでいる。


「まるでコアみたいだな。」


その見た目はすごくエ○ァの使徒のコアにそっくりだ思わず口に出た。


「やはりバンシィも知っておったか。左様。そのコアキャッスルコア・・・・・・・知っておると思うが城を創作管理できる創造魔法を道具にした感じのものじゃ。」


へー知らなかったー。そんなものあるんだーへー。





…凄くどうでも良い。





おっさんが手を伸ばすと眼の前にあったコアがフワフワとおっさんの前まで移動した。


おっさんはそれを手で撫でるような動作で何かしていた。


特にやる事も無いので風魔法で空気椅子を作り座った。

天井を見上げると大きなシャンデリアがゆらゆらと揺れていた。


「おっ。誰かおるの。」


まるで魔王、いや大魔王か。なんでも良いや、それっぽい感じで座ってコアを弄っていたおっさんがなんか見つけた様だ。


「おっさん。それ見せれないのか?」


「ん?見せれるぞ。ほれ。」


眼の前に光が集まりテレビの様な形に変化し動画が始まった。

そこに映っているのは白髪に黒い角を生やした間違いなくサラミスだった。


「おっさん。此奴だ。此奴に見覚えは無いのか?」


「いや、確かに見た目はサラミスなのだが、魔力が何かおかしいんじゃ。」


魔力がおかしいとか言っているが俺には分からない。多分コアの能力じゃね?


「何がおかしいんだ?」


「魔力が二つあるのじゃ。一つは確かにサラミスの魔力じゃが、もう一つ何が別の魔力が混じっておる。」


あー、確かに初めて会った時もそうだった気がするなー

そうだったー魔力二つあったなー


「300年生きてるんだ。何かあったんじゃないか?」


「ふむ、それもそうじゃの。」


そう言っておっさんは立ち上がる。

俺の近くまでゆっくりと歩くとコアもそれに付いて移動する。


「では、サラミスの前に移動するかの。」


そう言うとおっさんはコアを軽く撫で俺の視界は切り変わった。




「っと。」


眼の前が扉だったので思わず一歩退く。

扉の向こうには確かにサラミスの二つの魔力を感じる。

と、おっさんを探したがどこにもいない。あの野郎……

魔力感知をこの魔王城内に広げるがおっさんの魔力は見当たらない。

本当に別空間にいるのか?

まぁ、なんでも良いか。

扉を開け外に出ると冷たい風が吹き込んだ。

サラミスは此方に気付くと直ぐに駆け寄ってきた。


「これは、バンシィ殿。アムリタ様は何処に?」


うわ、開始早々おっさんかよ。ちょっときもいわー


「ああ、中に入ってくれ」


サラミスを入れ扉を閉めると視界がまた切り替わった。


「おぉぉぉ!!なんと…アムリタ様ぁぁ!!」


サラミスは招き入れた俺を押し退け王座に腰掛けるおっさんの前にヘッドスライディングでもするかの様に跪いた。

流石にこれはドン引きである。

最初から若干引いてはいたが。


「アムリタ様!!お久しゅうございます!魔法軍魔法総指揮長リューマン・サラミス。忠義の名の下に参上致しました!」


「う…うむ。久しいのサラミスよ。」


「おぉぉぉ!!このサラミス!大変喜ばしゅうございます!アムリタ様!お変わり無いようで何よりでございます!」



うわ、此奴面倒くせー適当に後ろで座ってよっと。

空気椅子に座り2人の光景を見つめる。

あ、おっさんと目があった。

目逸らしとこ。


気づいたらフワフワと俺の隣にコアが浮かんでいた。

紅く艶のある綺麗な球だ。これ程綺麗なものは見た事ないな。


軽く撫でる様にコアに触れるとコアに何か映し出された。


そこには門の前に立つドラグとガンマの姿だった。

なにやら話し合ってドラグが門を叩いている。

これどうやって彼奴らここに連れてこれるんだ?

メニューかなんかないのか?


あ。開いた。


なんか色々ジャンルが現れちょっとよく分からない。

スクロールしていくと魔王城というジャンルがあったのでタッチした。


え?パスワード?


適当に『アムリタ』と打ってみた。


開いた。


なんだ、この簡単なパスワード…


魔王城のジャンルには多分この魔王城と思われる城のすべての部屋が映し出されたと思う。

滅茶苦茶にスクロールしても色々な部屋の映像は無くならない。


ああ!もう!!


あの2人をここに連れてこれないのか!?


するとコアの画面が切り替わり再び2人の映像が映し出される。

取り敢えず2人をコア越しにタッチしてみた。

コアの画面は切り替わり『招待しますか?』という文字が映し出される。

勿論。


すると2人の眼の前の門が開き魔王城に招待した。


「おっ!」

「うわ!」


俺の眼の前に現れる2人。へー、適当にやったら何とかなったねー。コアって意外と簡単だな!


「よお」


「ぬ。バンシィか。ここはまさか魔王城の中枢か?」


「ああ、そうだな。」


俺は軽くおっさんとサラミスの経緯を話してやり「まぁ、座れと」空気椅子に座らせてやった。

再び此方におっさんの視線。これは目をそらす。


さて、魔王様とやらの偉大なるお姿(笑)を見せてもらおうではないか。


「成る程、サラミスよ大義であった。では、ここで我が相棒と仲間を紹介しよう。」


ふむ、どうやら巻き込まれた様だ。


「真ん中で座るあやつが我の相棒。バンシィじゃ。」


「なんとっ!!バンシィ様!これは!知らなかったといえ今までの無礼お赦しください!」


うわ、面倒くせー


「いや、良いぞ。うん。」


「そしてその隣のバンシィと瓜二つの姿をしておる。天龍族『族王』ドラグじゃ。」


「なんとっ!!あなたが!破滅魔法に第一に関わった伝説の天龍族様ですか!!」


「お、おう。」


『族王』様(笑)が動揺する。


「そして、バンシィの隣に座るバンシィの部下のガンマじゃ。」


「サラミスさん。私が先輩なのでそこの所お忘れなく。」


「はい。畏まりました」


ガンマ、お前も面倒くさいな!

なんでそこでドヤ顔だよ!?なんかお前嬉しそうだなおい。


「では、サラミスよ。何か解決策は考えておく。その時まで待っておれ。さ、今日はもう帰るが良い。」


「はっ!!アムリタ様、誠にありがとうございます!このサラミス。生涯の忠誠を!」


「良い。退がれ」


あれれ?もう終わり?サラミス帰るの?と思ったら最後に面白いものを見せてくれた。


サラミスは右手を心臓の部分に当て足を揃えた。


全てはビィスヴィ大魔王様の為にベルディブル!!」


そう言い残しサラミスは転移した。




「……ブフッ!」




静まった部屋に堪え切れなくなった笑いが響いた。

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