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不死身の神官〜色々平均以下の俺が転生して不死身になった〜  作者: ほねつき
ーヨールパル大陸ー 魔族領進撃編(勇者視点)
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ー第11話ー 『完全なる神罰の雷』

イーナ戦終局みたいですよ。


真なる剣から発生した光の壁は傷だらけのタリウスを癒し始めやがてその傷は塞がりタリウスはスウスウと寝息を立てた。


……今、戦闘中ですよ?


タリウスは目を覚まさない。きっと真なる剣の能力だろう。

その真なる剣の効力は小さくなっていた。

装備者を癒したからだろうか、光の壁は段々小さくなりやがてタリウスの周りだけを囲うように光の壁は展開された。


タリウスは抜けた。だけど、やるしかない。

イーナの飛ばした魔法の球を真剣で真っ二つにし横目でリーリャを見た。


怪我もなくスタミナもまだあり動ける。


斬撃を受け流しリンを見た。


結界に守られ今までの出来事も無かったことのように平然と詠唱を続けている。


何でリンはあんなにも平然と出来るんだ?


少しリンのその冷静さに感心と驚きを感じているとイーナの斬撃がまた飛び弾いた。

俺も段々慣れてきたぞ。


地を蹴りイーナとの距離を一気に詰めた。

真剣を抜きその勢いを真剣に乗せ切り上げた。

しかし、受け止められた。


「破滅魔法『グラビティプレス』」


「ぐっ…」


全身に重石がのしかかったように身体が一気に重くなり足が動かない。


「……ウオォォォ!!!」


力を振り絞り真剣を振りイーナを追い払う。

その着地点にリーリャが走りその勢いで一閃。

だが、また受け止められてしまった。


「フフッ、まだ甘いのじゃ!『ダーブラスト』!」


リーリャが弾かれ吹き飛びその着地には成功する、しかし、遅れて放たれた紫紺の波動が掛かりリーリャは力が抜けたように倒れてしまった。


「フフッ!どうだ!これが妾の必殺!衝撃波と『魔将軍の威圧ジェネラルフォース』を組み合わせた妾の魔法。『恐怖の波動ダーブラスト』の能力は!!」


「チッ」


接近戦がかなり難しいって事か…

どうする?


魔法を撃ち合って勝てるのか?


俺が覚えている魔法は属性魔法の中位まで、おそらくイーナが覚えているのは最低でも上位魔法だろう……





駄目だ!勝てる気がしない!!


「ホーリーライト!!」


親父さんに貰った御守りの効果か、リーリャはすぐに復活し魔法を放つ。


「ダークフレイム!」


光と闇がぶつかり合い周囲に魔力を撒き散らしリーリャとイーナの魔法は拮抗した状態が一瞬、リーリャの力が弱まった瞬間イーナの魔法がホーリーライトを打ち消しリーリャを闇の炎が包み込んだ。


「リーリャ!!」


「余所見している暇があるのかの!」


斬撃を弾きイーナへと距離を詰めるが斬撃が襲い中々距離を詰めれない。

リーリャを見るが大したダメージは無かった。


「真剣・風撃!」


風の刃を放つとイーナは回避し再び紫紺の斬撃を放ってくる。

その軌道を見切り全て風撃で相殺し距離を詰めていく。


「…破滅魔法『エターナルバーン』」


「チッ」


闇の光線が放たれ反射的に後退してしまった。

……距離が詰められない…

真剣・解放を使うか?


駄目だ、こんな状況で魔力を大量消費するのは悪手だ。

どうする?一体どうすれば………




「超越級神聖魔法奥義………」



その声の方に振り向くと詠唱が終わったのか結界を解除したリンがゆっくりと魔導書を胸に当て歩いていた。


数歩進んだあとその場で立ち止まり突然魔導書を手放した。

魔導書が地面に落ちる間、その僅かコンマ何秒の間に人間とは思えない速さで口が動き右手から杖を振り上げた。



「顕現せよ。数多なる者に超越した力を見せよ。」






「今ここにその力を見せつけ給え『ダリナス』」






巨大な魔法陣が展開され現れた巨大なローブを着た巨人。

魔力が無くその姿だけを見れば魔法使いや賢者にも見えなくはない。

『ダリナス』…何処かで聞いた事はあるが、なんだ?思い出せないな…

しかし、魔力がないが何が出来るのだろうか…





「ダリナス!?馬鹿なッ!よりにもよって何故、『魔法神』を召喚できる!!いくら賢者であろうともそんな事は有り得ん!!」


魔法神……そうだ!思い出した!

魔法神ダリナス。この世界の人族の宗教、六神教の六人の創造神の一人……この世界に魔法や魔術を広めたとされる魔法の神だ。だが、イーナの言う通り神を召喚なんて出来るわけがないそもそも召喚は自身より格下でなければ召喚が出来ないはず、神を召喚できるって…リンは神なのか!?



「……召喚したんじゃない。顕現して頂いただけ…」


「…ふざけるな…」


イーナが絞り出すような声でリンを睨みつけている。


「だれであろうと神を呼ぶと言う事は絶対に有り得んのじゃ!そんなものハッタリじゃ!!破滅魔法『エターナルバーン』!」


「超越級神聖魔法奥義『完全なる絶対障壁オールフォース』」


リンの魔力がどっと減り俺たちの前に巨大な光の壁が展開されイーナの魔法を完全に消滅させた。


「ナガト様。」


リンのその手の合図を見て俺は頷いた。

そして真剣・解放を発動し魔法を消滅させられ動揺するイーナへと距離を詰める。

リンの手の合図は右手をイーナへと差し左手を胸に当てていた。

この合図は全員で決めた合図でこの合図を出した時は出した人がその人を援護するから全力で行けと言う合図だ。その合図を決めて既に半年は経つが未だに誰も使った事の無かった合図だ。


何故だろう、皆んなで決めた物事が達成されるとなんだか嬉しいな。

しかも、それをやってくれたのがあのリンって事もね。


真剣を握る力が自然と強くなる。


距離を詰めた瞬間大きく引き抜き切り上げる。


「クッ!」


両腕で止められた瞬間、真剣を手放し勢いを乗せ蹴り飛ばした。

屋敷に向かって吹き飛び地面に何度も打ち付け転がる。


「超越級神聖魔法奥義『完全なる絶対攻撃オールブラスト』」


その瞬間イーナが更に吹き飛び屋敷の二階に穴を開け消えた。



「ナガト様。屋敷ごと吹き飛ばします。詠唱するのでどうか守備を」


「了解!」


俺はリンの前に立ちイーナの反撃を警戒する。



「創造主たる魔法神ダリナスよ、その超越した力を悪しき者に見せつけ神罰とせよ」


リンの魔力が抜けると巨人にその何倍もの魔力が現れその巨人の腕が動きだし天に翳すと上空に白い巨大な魔力玉が出現した。


「超越級神聖魔法奥義『完全なるオール神罰の雷プラズム・サンダー




不自然に現れた雨雲が雷を落とし魔力の球体にぶつかるとそのまま球体はゆっくりと落下を始め屋敷をその影で包み込む。




ゆっくりと落下をする雷を纏った球体が屋敷を押し潰そうとしたその瞬間。

逃げればいい筈なのに、イーナが現れ身体強化の魔法をいくつもかけその巨大な魔力玉に両手を広げ抑え始めた。



「なんで…」


「知らないわよッ!喰らいなさい!『ホーリーライト』!!」


リーリャが無防備なイーナに光の閃光を放ち仰け反らせる。

それでもイーナはその魔力玉を受けた手は離さない。


よく見るとイーナの口が動き何かを言っているようにも見えた。


詠唱?


違うか?


やがてイーナは魔力玉に押され始めゆっくりと屋敷に近づいていく。


「聖なる光よ『ホーリープレス』」


リーリャは更にそのイーナに追い打ちを掛けるように光の閃光を放ちイーナにダメージを与える。



次の瞬間、俺とリーリャはリンの魔法で屋敷から距離を離されリンの放った光の壁で向こうと隔離された。

それと同時に魔力玉は屋敷にぶつかりその瞬間弾けた。


眼を焼くような強い光が発光し思わず眼を閉じた。



キューーンと言った耳を裂くような不愉快な音が耳を抜けた。









「…………やったか?」


光が収まった頃に眼を開け屋敷のあった場所に眼を向けると其処は屋敷の跡と思われる黒い焦げだけが残り光の壁より前の森は消え空間を包んでいた紫紺の霧は消え明るく光る月だけが辺りを照らしていた。


「夜?」


「その様ですね…」


「イーナは?」


「おそらく爆発に巻き込まれたかと………ただ」


「ただ?」


そう言ってリンは魔力を大量に消費したにも関わらず澄ました様子でその屋敷の焦げ跡の近くに寄った。


「何かあるのか?」


「………」


リンが無言で指を差したその先には明らかに不自然に焦げ跡が無い土の部分が丸い形で残っていた。


「これは?」


「……魔術の転移跡」


「どういう事だ?」


俺が見ていた時はイーナは転移した様子は無かったが、何が転移したんだ?


「なに?イーナが転移したのかしら?」


リーリャが顔を突っ込んで聞いた。

その答えにリンは首を横に振った。


「イーナは転移していない。」


「何故そうだと?」


「イーナが転移していれば『完全なるオール神罰の雷プラズム・サンダー』も転移している。」


「じゃあ、他の誰かが転移したって事で良いのか?でも、屋敷には誰もいなかったんだろ?」


「…そう、屋敷には誰も居ない。地下には一人居た。」


「は?」


待てよ、今サラッと言ったけどそれ早めに言うべきじゃないのかな?


「リン、そう言うのは早めに言おうな?」


リンは無言だった。


暫くして口を開いたと思ったらこう言った。


「第一の目的は達成されました。次の目的に移るのに少し休憩しましょう。幸いここは魔物も居らず魔族もたった今居なくなったので、」


「え!?ちょっ、リンっ!?」


リンが突然目を閉じそのまま倒れてスウスウと寝息を立て眠り始めてしまった。


ここ、砂の上ですけど良いんですか?


「なーんか、呆気なく終わっちゃったわね。」


リーリャがボヤいた。

あの、貴方、めっちゃ無防備な人攻撃してたね。

なかなか、セコイよな此奴…




……まぁいっか、疲れた。俺も寝よう!


おやすみ!!リーリャ!後は任せた!!









《称号『勇者』のスキルが多数、解放されました。》






ども、ほねつきです。

さて、今回イーナ戦、これで終わりです。いつも通りあっけない終わり方です、ですか?次から前から言っていたように閑話って感じで親父さんの過去、ついでに、イーナ視点ですねそれは確実に書きます。もしかしたら関係ない思いつきで書いたモノが投稿されるかも……多分しないです。


もしかしたら、皆様の中で割としっかりこの駄作を読まれている方が居たとするならば、色々、矛盾に気づかれるかも、かも、知れません。その辺は一応、僕の中では伏線…そんな感じでして…一応書いといたほうが良いのかな……?

まぁいいや、言っておきます。

・リン・ペルティルの『ペルティル』の性と同じ人がリンよりも前に出てます…伏線です。暇なら聖神会でも見て下さい。

・親父さんから貰った『九石の腕輪』これの復活能力が発動してません。おかしいでしょ?伏線って言うのかな?伏線です。

・リーリャ・スペティア・アルマータ。一応権力がある感じで作中にも描いてます、その親父?祖父?が最初の方に描いた登場人物紹介に出てます。切られたら死にます。…これは伏線では無いです。すみません。狙ってわざとやりました。


……つーか、言い出したら『王国連合』とか、もっと伏線なんですけどね笑

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