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ー第6話ー 『ディラデイル。良い人!?』

「それは本当なの?リン…」


タリウスが真剣な表情で顎に手を当てている。


「ええ、確かにディラと言っていた。」


「そうか…ディラ兄……」


タリウスが1人ブツブツと自分の世界に入ってしまった。

だが、もう此処まで来たら聞きたい事を聞いてしまおう。


「なぁ、タリウス。お前の言うそのディラ兄ってのはどんな人なんだ?」


爪を噛み始めたタリウスと目が会う。

タリウスは暫く黙っていたがやがてゆっくりと語り出した。



「ディラ兄の本当の名前はディラデイル…優しくて強くて、何でも出来る神官だよ」


「神官なの?」


「そう、神官って聞いた。」


うん、もうそのディラデイルとやらが高位聖神官で確定じゃね?いや、待てよ…だったら何で王都シューラにスケルトンを召喚したんだ?教会のお偉いさんがスケルトンを召喚して王都を攻める?何の為に?


……分からん、


「ディラ兄との出会いは俺が9歳の時、俺が友達と木登りで遊んでいた時俺は木から落ちて骨が折れたんだ。」


木登り…タリウスも今じゃ子供っぽいとこ無いけど昔は子供だったんだな。


「俺はその時偶々俺たちを見つけたディラ兄が折れた骨を治してくれたんだよ。」


ディラデイル良い人!!


「当時の王都サンの神官は碌な奴が居なくてな、回復魔法も金がいる、魔法は大抵出来るから威張り散らしてばっかりだったんだ。…だけど、ディラ兄は違った。お金なんて取らなかったしむしろ俺たち子供に回復魔法とか属性魔法を教えてくれたんだ。」


なにそれ!ディラデイル滅茶苦茶良い人やん!


「ディラ兄は旅の神官らしくて王都サンに寄っていたみたいなんだ。」


旅の神官…

俺は相槌をうって話を聞く。


「ディラ兄は暫く王都サンに泊まって俺たちに魔法や剣を教えてくれたんだ。……俺って『雷剣』って呼ばれてるだろ?」


「ん?そうだな。」


「その、『雷剣』の代名詞、剣に雷を纏わせる技。【魔天】も、実は全部ディラ兄から教わったんだ。」


そうだったの!?ギルドのオッサンとかはタリウス独自で編み出した究極の技とか言ってたけど、実はディラデイルの技なの!?


待って…待って…色々ごちゃごちゃになってきたんだが……

えっと、高位聖神官という噂話の役職は実は存在していて、その人は実はタリウスの色々な師匠で……しかも、王都シューラをスケルトンで攻撃したと……

もうわけ分からん。


「だけど、ディラ兄が現れたその数日後にディラ兄は急に姿を消してしまった。」


「うん?」


「ディラ兄が消えた直ぐに王都サンの神官は誰にでも助けを貸す神官に変わったんだ。……今思うと、ディラ兄が高位聖神官だってのも納得出来ると思う。」


繋がった。ディラデイルが高位聖神官だという事は確定したとして、まだ色々と疑問が残るな。



「タリウス。あの時やり合った仮面の方はディラデイルで良いとして赤髪の方は誰か分かるか?」


「………」


タリウスは首を横に振った。


「俺は赤髪の男は初めて見た。ドラゴンみたいなツメで攻撃してきた時は驚いたよ。」


赤髪の男は知らないか、また、謎が増えたな。仮面の高位聖神官ディラデイル。謎が多すぎる。


味方なのか、敵なのか…


「味方であってほしいな。」


「ナガト?」


「いや、何でも無い。」


うっかり声に出してしまったようだ。いけないな、気が抜けてるのかな?


「………俺、実はロトムス王国防衛の時にディラ兄と会ってるんだ。」


「なに?」


初耳だな、その時俺はズオウと戦っていた頃だろうし。


「王都内に魔族が攻めていたのは知ってるだろ?」


「ああ、ズオウもなんか『魔将』メアの部下がやったとか言ってたな。」


俺が気づかない間に侵入されてたらしく、その時魔族と交戦したロトムス王国の名誉騎士団長ギルガッシュってひとを始めとした騎士が何人も死んだらしい。

まだ記憶に鮮明に残る出来事だな、まぁ、俺はこの世界に召喚されてからずっと記憶に新しい事ばっかだけど。


「その『魔将』ライト・メアの部下、リジィの精神魔法で操られた1人の男がいたんだ。」


「うん。」


「その男はノア・イグザ。かつて俺と一緒にディラ兄に魔法を教えて貰った友達の1人だったんだ。」


「うん、それでそのノアはどうなったの?」


「分からないけど、生きてる。」


ん?分からないのに生きてるってどゆこと?


「よく分からないなどういう事だ?」


「イグザは…ディラ兄に助けてもらった。ついでにその魔族のリジィもディラ兄が殺したんだ。」


ディラデイル…色々美味しいとこ持ってくな…


「その時、ディラ兄はこう言ったんだ、『俺はお前の味方ではないが、敵でもない』って…」


敵でもなくて味方でもない…か……

一番危険性が高いなそれは、下手に信用して不意打ちを掛けられる危険もある。どんなに善行そうでも信用しないほうが良いな。少なくともディラデイルは王都シューラを攻撃したんだしな。


「…戦いが終わった位に凄い砂煙りが起こったのって覚えてる?」


「ああ、びっくりしたよ、急に砂嵐みたいになってなにも見えなくなったんだからな」


急にだよ、あの時は本当にびっくりしたよ目に砂が入って滅茶苦茶痛かったし。………まさか…


ふと、タリウスは何とも言えない様な微妙な笑顔でこう言った


「あの、砂嵐、ディラ兄の仕業なんだ。」


やっぱりかぁぁー!!!

流れ的にそうだと思ったよ!!


「でもなんで!?」


「リーリャがいきなり槍を飛ばしてきたんだよ。」


「は?リーリャ?」


未だに寝ているリーリャを見た。


「そう、リーリャ。問答無用でディラ兄の事を魔族って決め付けて魔法を放ってきたんだよ。」


「はー…」


リーリャ…お前、本当にお転婆すぎるだろ…


「ディラ兄はそこから離脱する為にあんな王都中を砂まみれにする程の砂嵐を起こしたんだよ…」


「はぁ…」


リーリャも大概だが、やはり、ディラデイルもなかなか非常識だな。まぁ、この世界に常識は通用しないが…


「あの、そろそろ、『寝永姫城』を発見したので報告して良いでしょうか?」


「あ、うん。」


話が長くなった原因はリン。君だよ。


思ったが口には出さなかった。リンでも流石に不機嫌になるだろうし、リンは怒らせないほうが良いだろうし。


頭を切り替え、寝ているリーリャを揺すって起こした。


「…なににょ…」


身体は起きていても頭は寝ている様だ。目は半目でヨダレが垂れている。更に地面を下にしていた方の髪が少し跳ねている。


「リン。どんな感じなんだ?」


「はい。『寝永姫城』は城と呼べるか分からない黒い二階建ての屋敷みたいです。」


成る程、それは城じゃなく屋敷だな、屋敷って言ってるし『寝永姫屋敷』に変えたほうが良いな。ダサいけど。


「それで、場所は?」


「此処です。」


「はい?」


ちょっとよく聞こえなかったな、俺の耳がおかしいのかな?


「もう一回いい?寝永姫城の場所はどこなの?」


「此処です。」


「うん?どこ?」


「だからここです。」


リンは平然とした顔で『此処です』としか言わなかった。



ども、ほねつきっす。

いや、なんでしょう、今一盛り上がりに欠けました…そんなつもりじゃなかったんですけど…

自分の未熟さが恨めしいです…



……とまぁ、そんな事は置いといて、どうでもいい蛇足を一つ、実はリーリャを途中で起こして会話に参加させてやろうとしたのですが、リーリャの過去も語らねばならなくなって『寝永姫城』所の話じゃないくらいカオスになる気がしたので止めました。リーリャのそう言うお話はまたですね。


さて、前回の盛り上がりで期待されていた方々には大変申し訳ないと思ってますこの通りですorz

でも!言い訳をさせて下さい!これしか道がなかったんです!!リーリャ乱入ルートにするとガチでカオスになって話が進むどころか敵前で勇者パーティー解散の危機に陥る事になり兼ねなくなってしまうんです!!

マジで期待して下さった方々、すみません!

じゅびばじぇんでじだぁぁぁ!!


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