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ー第2話ー 『スライムの下剋上』

湖を遠回りして山を目指す。


俺は歩いてる間の暇潰しも兼ねて魔物ランクについて聞いてみた。


「なあ、おっさん、魔物のランクってどんなのがあんの?」


「…ふむ、バンシィ、お前は馬鹿なのか?何故そんなことも知らんのじゃ?」


「知らんもんは知らんのだわ!!」


「………まぁ、そう言うもんかの……人族は貧富の差が激しいと聞いておるしの……」


なんか知らんけど自己解決してくれた。なんかさ、転生とか言わない方がいい様な気がするんだよね。俺の考えなだけなんだけど、特に理由は無いんだけどさ。


「…魔物と言うものはな、強い物から順にG、S、A、B、C、D、E、Fと8ランクに分けられておるのだ。さらに、その一つ一つのランク毎に下位、中位、上位と分けられておる。ただし、Sランクは、S、SS、SSSと分けられておってのSSSの上のランクがGランクじゃ、因みにGランクは特に区別は無いぞ。更に言うとGランクの強さは大体、我くらいの魔物らしいぞ。」


ほへーなんとなく分かった気がする。


「ふぅん。」


「Fランクの魔物は誰でも倒せるらしいぞ。Eランクからは訓練した者か、冒険者なるものしか倒せんらしい。危険らしいからの。………これらは人間基準だから気をつけての、我ら魔族の場合は皆、魔法は達者だからな、逃げ延びるくらいなら出来るはずじゃ……知らんけど。」


ほへー


「………バンシィよ……分かっておらんじゃろ。」


「うん。」


「………だろうな、その顔では我の能力がなくても分かるわい…」





おっと、話聞いてたらいつの間にか山がもう直ぐの所に見えてきていた。


と、そんな所でまた、魔物らしき物が目の前に現れた。


「グルルル………」


頭が八つある犬?オオカミが出てきたよ。しかも結構デカイ4メートルくらいかな?


「おっさん、こいつはなに?」


「…ふむ、此奴はSSランクの魔物じゃな、名は……オーバーヘッドだった気がするの……確かこの種は群れで行動する筈じゃ……で、このオーバーヘッドがそのボスだった気がするの……じゃが、安心せよ。Sランク以上の魔物は話を付けれるはずじゃ。バンシィよやってみよ。」


「俺?なんで?」


「お前があの山に行くと申したのであろう。お前がやって当然じゃ」


そう言われて取り敢えず前に出る。


「無理なら拳で語ると良いぞ!」


ニコニコ顔で言うそのおっさんに1発殴りたくなった。



俺は頭沢山の犬に話し掛ける。


「おい。通してくんないかな?」


「……グルルル…」


え、なに?グルルとしか聞こえないんだけど………え?本当に話せんの?

そんなこと考えてたら犬の前足がなんか地面を蹴り始めた。


「おーい、交渉失敗じゃ、頑張って拳で語りあえよぉ……」


おっさんが遠くで体操座りして見守る……後で絶対殴ってやる。



「グガアッ!!」


一つの頭が俺に噛み付こうとする。俺はしっかり後ろに下がる。

その頭は空振りして地面に顔を埋めた。………馬鹿なのか?

気のせいだと思うが、俺なんか反応速度とか、早くなってる気がする。


………あ!あれか、『相棒』の効果か!!スゲーな!!流石異世界!!


他の頭も俺に噛み付こうとするが絶対同時には噛み付いて来ない法則を発見したぞ!!


と思ってたら同時攻撃キタコレ!!

ジャンプで避ける。


「おーい、逃げてばかりかー?面白う無いぞー」


おっさんがウザい。

攻撃出来ねぇんだよ。なんて言うの、アレや、なんかハメ技食らってる気分だよ。


……そうか!!ハメ技を食らうならこっちはチキンプレーで対応すれば良いんだ!!


俺は直ぐにイメージする。箒に乗って空飛ぶ……


するといつの間にか俺の右手には箒が握られていた。


しゃっ!!


俺は直ぐにそれにまたがり空に浮かぶイメージをする。


すると箒と共に俺の体は空を飛んだ。


木よりも高く飛ぶと犬も攻撃が出来ないようだった。


……フッフッフッ……





……フッフッフッ……







……フッフッフッ……







さて、何しようか……



全く考えて無かったよ。どうする?このままコインの雨を降らせるか?ゴール◯シャワー的な?


ま、良いや、グーでドーンてやろ。



バンシィは片手を箒から離しその手を握り締める。そして犬に向かって振り下ろした。


バキバキと木々がへし折れる、犬が衝撃波に耐えられずへたり込む。


「波◯拳!!(注:違います)」


俺は取り敢えず降りて犬の様子を見る。


八つの顔を全部がションボリした顔で俺を見てきた。


(参った!僕の負けです。)


突然頭の中で男の声が聞こえた。


(貴方様のその圧倒的な力に惚れました。どうか僕を部下にして下さい!)


八つの顔がキラキラした目で俺を見てくる。そうか、声は此奴だな。


「良いだろう!!お前を部下にしてやろう!!お前の名前はなんだ?」


八つの顔は同時に首を横に振る。


「そうか、無いのか。じゃあ……お前の名前は………ジャンヌ・ダルクな!!」


理由?適当。おーけー?ただの思い付きだよ。なんのひねりも無いな。


(ありがとうございます!!このジャンヌ・ダルク!一生貴方様について行きます!!)


「あ、俺の名前はバンシィ=ディラデイルだからバンシィって呼んで良いぞ。」


(分かりました!!バンシィ様!!)



グフフ…バンシィ様…



「おお!流石だな!バンシィよ!あのオーバーヘッドを下僕にしてしまうとは!!おどろ…ボハァッ!!」


1発殴ってやった。


「……酷いではないかバンシィよ……」


「うっさい!!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ん?あれ?気付いたらほぼ真っ暗じゃん。


「……おお、バンシィよそろそろ寝ようではないか!!」


「…ガウ!!」


(バンシィ様!どうぞ僕の毛の中でお休みください!!)


「お!マジか!カリガトな!!」


と言う訳で今日は仲間にした犬の中で眠るとしよう。……初めてまともな睡眠になるな……


「おおい、バンシィよ、我の寝床は?」


「うっさい!その辺で寝ろよ!!」


おっさんがなんか不貞腐れてそうだが無視だ!


お休み!!



《条件を満たしました。称号『名付け親』を入手しました。》

《条件を満たしました。称号『SS魔物の飼い主』を入手しました。》









「いけーー!!突っ走れ!!ダルク!!」


俺とおっさんは昨日部下にしたジャンヌ・ダルク(犬)の頭に乗り森の中を駆け抜ける。


すげえな、頭8個もついてる癖に一回も木にぶつからず走ってんだけど!!


「ヌハハハハハ!!!行け!!突き進むのじゃぁ!!」


………おっさん、歳考えろよ……


(バンシィ様!間も無く神聖の山の麓につきますよ!)


「おう!了解した!そのまま突っ走れ!!」


(御意!!)


そう言えば俺が目指してた山神聖の山って名前らしい。

……正直どうでも良い。



「そう言えばダルクよ、お主は群れで行動せんのか?」


おっさんがダルクに聞く。



(…………)



おい!答えてあげろよ!!


(…チッ、確かに私の種族は群れで行動しますが、この大陸では群れると纏めて殺られるだけなので、他の群れる種族も全て単独で行動してると思いますよ。)


「ほう…面白いのぉ…流石は裏世界じゃの…」


俺はよく分からんかったけどおっさんが分かったらしい。

……俺からするとこう言うのって「え?だから?」の一言で済ませてしまうわ。



突然ダルクが止まる。


「どうした?」


(何かに囲まれています!)


おっさんが少し辺りを見回す。


「……本当じゃの、何かおるな……」


え?なに?ちょっ!俺だけ!?わかんねぇの?


「来るぞ!!」


おっさんがそう言った瞬間、森の中から何かが勢い良く飛んでくる。

おっさんはそれを腕の一振りで止めた。


飛んできた物体は緑色のスライム的な何かだった。


(…これは……)


「知っているのか?」


(はい。これは…この森の頂点に立つ最強の魔物……究極アルティメットの王キングスライムです…)


「何!?究極アルティメットの王キングスライムだと!?其奴はGランク間近のSSSランクの魔物では無いか!!」


長い……もうAKSで良いじゃん……


「取り敢えず、強いスライムという事で良いんだろ?」


(強いってものじゃありません!!私なんか手も足も出さずに殺られてしまいますよ!!)


「良いか?バンシィよ、SSランクの魔物とSSSランクの魔物とではかなり力の差があるのじゃ例えSSランクで最強を誇っていたとしてもSSSランクではただの餌でしか無いのだよ。しかも、アルティメットキングスライムだと、我もこの犬めを守りながらだと勝機は無いぞ。」



何それ、ヤバイじゃん。


その時おっさんがこっちを向いて目を見開いた。


「バンシィ!!危ないぞ!!」


後ろを向いた直後に緑色のスライム的なものが俺の腹に勢い良く当たる。


「うがぁぁぉぁ!!!!」


お腹が熱い…痛い……ただ……チクチクする程度なんだよ……


何この微妙な痛み……何これ……ほんと…微妙なんだけど………


そんな事を少し考えていたらいつの間にかスライム的なものが消え痛みも無くなってしまった。


ただ……服がそこの部分だけ穴が空いてしまった………


ダセェ……そうだ!再生させよう!!


俺は服が元どうりな姿を想像する。


すると服の穴の空いた部分が塞がった。やりぃ!


「そうか!不死身と創造魔法か!!」


なんか突然おっさんが驚き始めた。


「バンシィよ!このスライムは我に任せよ。お主はこのダルクを身を持って守ってやると良いぞ。部下は大切にするものじゃ。」


おっさんは俺に微笑むと向き直り手を後ろにやり何かを掴む動作をしゆっくりと上に上げ始めた


するとその間から黒く光り始め一本の黒い棒のようなものが出来てくる、おっさんがそれを一気に抜き取り前に構えると黒い光の塊がパッと分散すると何かカッケー黒い剣が現れた。


おっさんはそれを右手で持ち左手をブランと下ろし何かを掴む様な動作をまた始めた。


今度は手を動かさず黒い光が突然現れ分散しカッケー黒い剣よりも短いあの………アレ……江戸時代の役人とかが持ってそうなさ……あの……「御用でい!!」とか言ってさ持ってるあの……鉄の棒…………あ!十手!!真っ黒な十手が現れた。


おっさんはダルクから飛び降り歩き始める



「掛って来るが良い…魔物カスよ……」





その姿はマジの魔王だった……

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