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不死身の神官〜色々平均以下の俺が転生して不死身になった〜  作者: ほねつき
ーヨールパル大陸ー 魔族領進撃編(勇者視点)
64/252

ー新編ー 『プロローグ』


「クギィィィ!!」


森と同化する様な薄黄緑の肌の醜い生物が若き四人組を取り囲みジワジワと距離を詰めていた。


「タリウスとリンは後方のゴブリンをっ!リーリャは俺と正面のゴブリンを倒すぞッ!良いか!油断はするなよ!」


「「おお!」」


三人を指揮するこの世界では珍しい黒髪の少年が正面のゴブリンと呼ばれる生物の腕を切り落とし黒髪の少年よりも背の高い金髪の少女がその脚を奪う。

四肢を失ったゴブリンは首を突かれなんとも醜い奇声を上げ絶命する。

それを見た他のゴブリン達が後ずさる。


「みんな!逃したら駄目だよ!」


「言われなくても分かってるわよっ!!」


金髪の少女が何十といるゴブリンに向かい光の一線を放ちゴブリン達は頭と身体が離れ消滅した。










「魔天…『煉獄陣』!」


紅と碧が美しく描かれた細い剣に灼熱の炎が纏いそれを持つ青髪の少年が一振りすると炎が一直線にゴブリンに向かい一体のゴブリンにぶつかると拡散し次々と他のゴブリンに炎が燃え移りゴブリン達は炎の熱に耐えきれず灰となり消滅した。


「流石タリウスさん…私の出番も要らないとわ…」


「リン、君はこのパーティーの唯一の魔法使いなんだ。魔力は極力抑えてもらいたいからね。」


「はぁ!?リンだけじゃなくて私も魔法使いですけど!」


金髪の少女が見た目とは裏腹に口の悪い言い方でタリウスに絡む。


「魔法使いだったら少しは魔法使いらしい動きをしてもらいたいね。」


「殺すわよ!あんた!」


「まぁまぁ、落ち着いてリーリャ。タリウスも、一々突っ掛からないでよ。」


「そうなんだけどさナガト、正直僕らって魔法使いが1人って少し辛くないかな?」


「だから私も魔法使いだって言ってるでしょ!?」


「さっきからなんなの?僕に構って欲しいの?」


タリウスが良い加減突っ掛かられる事に嫌気が指したのか突然リーリャを睨む。


「う、そんな訳ないじゃない!!」


リーリャは何故か頬を朱に染め吐き捨てる様な事を言い小さなリンの手を握って何処に行ってしまった。


「はぁ…タリウス…お前なんか、色々鈍いな…」


「は?」


ナガトがやれやれと言った感じでタリウスの肩に手を乗せる。


「ちょっとくらい察せよ。」


「何の話だ?」


タリウスは真顔である。


「まぁ良い、魔法使いについては俺も思っていたが、安心してくれ、次、魔物に出会った時は俺1人でやる。」


タリウスは少し考える素振りを見せると何か察した様で「分かった」と答えた。









____________________________






「今、私達が居るのはここ、ブラン大森林です。」


ランプの炎がテントの中を明るく照らす。その下で大きく広げられた地図を囲む4人の姿があった。


「そこから西へ抜けた所からは幾つか魔族の村が存在します。一つは獣人が殆どの村、それと巨人の村、ドワーフの村、他にも幾つかありますが我々が一番避けたい村は魔人の村です。」


「場所は分からないのか?」


ナガトの質問にリンが無言で頷く。


「魔人は記憶力、情報能力、魔力、殆どに置いて他の種族に一線を凌駕します。奴等に見つかれば我々の終わりです。魔王軍が大量に押し寄せてくる事になるでしょう。」


「それは、非常に避けたい事態ね。」


「ですが、見分け方は非常に簡単です。ご存知だと思いますが一応確認を、先ず奴らの特徴は我々、人族と非常に似ていると言う点。それと頭から角が生えているという点。此処には人族は我々以外いない筈なので、人の様な人を見たら魔人と認識する事です。」


「そうだな。」


リンが三人を見て異論がない事を確認すると話を続けた


「その魔族の村々を抜けた更に西に眠りの森と呼ばれる霧に包まれた森があるそうです。」


「成る程、それは厄介ね。迂回でもするのかしら?」


「いえ、それは出来ません。」


「と、言うと?」


リンは一呼吸置いて言い放った。


「其処に我々の第一目的地、『吸血姫』の魔将エルナーヴァ・イーナ・ラーマプリンチームの住まう居城『寝永姫城しんえいきじょう』が其処にあります。」




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