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ー第2話ー 『ライト・メアVSノア・イグザ』

やっと、タッ君以外の成長した子達が出てきます。

「ヴェルド、先行し魔物召喚の準備をし、合図と共に暴れ回れ。」


『分かりました、我が主人よ。』


魔法陣と共に消えるヴェルド。

僕は振り返り、現れた魔王軍の数。約1500。『獣王』ズオウ・ド・ブフ率いる獣人族戦士が500。計2000の大部隊が集結した。

魔王軍をズオウ様に引き継ぎ僕は王都サンへと向かう事にした。

理由は僕が王都サンでスケルトン・・・・・を召喚する為だ。

王都シューラを制圧する前に同じ様にスケルトンを召喚したが勇者によって撃退されてしまった。

しかし、勇者が居なければあそこまで圧倒されなかったとE-AIの見解だ。

つまり、王都サンに勇者が居なければ王都サンは制圧が可能という事だ。仮に王都サンに勇者が居たとしてもズオウ様率いる魔王軍が王都ロトムスを制圧してくれるはずだ。勇者は一人しかいない。つまり同時に別の場所で攻撃を仕掛ければ勇者もどうする事も出来ない。つまりはそういう事だ。


今回も外から攻撃を仕掛けるが召喚を気づかれないよう王都サンより遠い場所で行う。


そして僕は召喚に打って付けの場所を発見した。

そこは王都サンより10キロ離れた開けた丘だ。

大気中の魔力が豊富で召喚には行いやすい場所、しかも大軍を用意しやすい平地である。ただ、この丘には魔力を多く吸い込んだ紫色に輝く花が咲き乱れていた。


まぁ、問題はない。


『生ける屍よ今、地獄の底より現世へと姿を現し混沌へと導くのだ。』


30体のスケルトン・ナイトを召喚した。


《警告》


ん?

なんだ?

紫色の花畑が風も無いのに少し揺れた。

魔力感知の感覚を通常より鋭くする。


後方10メートルに此方を伺う人間がいるな。

召喚を見られてしまった様だな。拘束しよう。

僕は魔力を一気に練り上げ振り向きざまに上位破滅魔法『マジックバインド』を放つ。


「ッ!!」


避けた!?


マジックバインドを放った位置から数メートル離れたところにその正体が現れた。


まるで灰を被った様な濃い灰色の長髪の細身の男。その男からは何か只ならぬオーラの様なものが出ていた。

E-AIにステータス閲覧をさせる。


《無属性の魔法の持ち主の様です。勝率は69.86%》


7割以下?其処までなのか?いや、その前に無属性とは聞いた事無いぞ……いや、待てよ…確かつい最近発見された属性だった気が…


成る程、実例が無いから勝率が低いというところか…


「この様なところで魔物を召喚しいきなり攻撃して来るとはどう言う事ですか?」


男が声を発した。その声は見た目によらず随分と子供っぽい声だ。


「貴様には関係無い。ただ、コレを見てしまったからには生きては返さんぞ。」


直ぐ様右手から雷を放電させ男に打つける。


「…!ハッ!」


男の放った真空波と共に僕の雷が魔力ごと消し去られた。

一体何が?


タンッ


と男が踏み込み半透明の剣で剣を下ろした。咄嗟にわき差しの鉄の剣で受け止める。


しかし、何故だ。


男の剣と僕の剣が交わるたび僕の魔力が抜き取られている気がする。その量は不具合すら来さない非常に微々たるものだが、吸い取られているのは事実の様だ。


証拠に男の魔力は減るどころかむしろ少し増えている様にも思える。

そして、この剣の扱いも相当だ。魔王軍の魔装兵辺りでは相手にならないだろう。勇者の片腕の『雷剣』の男の様な自由で強烈に剣を振るってくる。もしかすると同じ流派なのかも知れないな。

まさか、こんな所でこんな強敵に出会ってしまうとはね。


剣を弾き距離を置き剣を下ろした。


「貴様、名を聞こうか。」


男は半透明の剣を消散させると言った。


「他人に聞く前に先ず自分から名乗るのが礼儀ですよ?」


随分と生意気な言い方をしてくる。

少しイラつきを覚えたが落ち着いて受け流しておく。ここで怒ってしまっては『魔将』としてどうなのだ。


「失礼した。私の名はライト・メア。魔王軍の『魔将』をやっている。」


「魔王…軍…?」


男の声が少し震えた。

動揺しているのだろう。人族の間では王都シューラでその場にいた魔王軍は全て皆殺しにしたと伝えられていたはずだ。

実際は数百程逃げているがな。


「そうだ、魔王軍だ。貴様の名を聞こうか?」


「ノア・イグザ、王都サン出身だ。」


王都サン。こんな隠し玉を持っていたとはね。だが、此処に居たのが運の尽きだな。


「そうか、ではノア・イグザ。互いの自己紹介が終わった所で先ほどの続きを始めようか?」


「…『魔天』」


合図と共にノアの腕に先ほどの半透明の剣が赤い炎を帯びて出現した。

同時に激しい衝撃を剣で受けた。


数歩後ろに弾き飛ばされる。


「グランドニードル。」


右足を地面に踏み付けると地面が崩れ形を変え針の様に鋭いいや、身の丈程の土の針が幾つも地面から突き出る。ノアの避ける方へ針を突き出し徐々に行動範囲を狭くしていく。


逃げ場を失いかけたノアが針よりも高く飛び逃げたその先に針を突き出し慌てて体を捻り手前に着地しよろめいたところを狙い剣で首を狙った。


するとノアは更に無理やり体を捻り体勢を後ろに崩し頭を下げた。

しかし、首は当たらなかったが利き腕を斬りつけた。


血飛沫が舞い剣が赤く染まった。


グッと止まり振り返るとノアは斬られた腕に回復魔法をかけ治療を施していた。

回復魔法が使えるとは驚きだ。

これは是非とも魔王軍に引き入れたい。

あ。


その時僕は閃いた。


作戦を変更。


ノア・イグザを拘束する。


「ニードルグランド」


再びノアを封じ込める様に土の針が幾つも飛び出す。


地が砕け元の面影が無くなり始めた頃ノアがフラついた。


「グランドロック!」


手で何か掴む動作を行うと土がノアを包み込み拘束した。

魔力が吸われていくが僕の魔力は底を知らない。全然余裕がある。


ゆっくりと近づき倒れるノアを見下す。


「クッ…!『アクアボッ!!」


魔法を唱えそうだった口を靴で塞ぐ。グリグリと足に力を込める。


《電気ショックを行います。》


ノアの心臓にあたる部分の土だけ退かし右手を当てた。


《ショック》


ドンッとノアが跳ね気絶した。


土の拘束を解除しノアを担ぐ。


確か魔王軍に『傀儡魔法』とかいう禁術が使えた奴が居たな…


メアはその瞬間スケルトンを残し転移した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



カラン!カラン!カラン!カラン!カラン!カラン!カラン!


普段平和なその国に敵の襲来を告げる鐘の音が響き渡った。


「アイナ君!君は早く避難所に逃げるんだ!」


この国の聖騎士の隊長クラスの人が私の名前を叫び避難する様に声を掛けた。


「アイナッ!早く逃げよッ!」


私の友達、メルちゃんが私の手を引き避難所に向かう道に走る。

私達とは逆に城壁の外へと向かう聖騎士の方や、冒険者の方が多くすれ違う。服装からしてかなり腕が立つ人達だと思う。


最近、魔王軍の攻撃が多くなっている。多分、この襲撃も魔王軍だと思う。魔王軍に対抗する為に『勇者』の称号を持った凄く強い人が魔王軍と戦っているって聞いた事があるの。分からないけど、多分、その勇者さんがきっと助けに来てくれるはず…


避難所に着くと沢山人が身を縮ませ怯えていた。


「おぅ!アイナにメル!なぁ、ノアのやつ見てないか?」


オレンジ色の髪が特徴のランバ君。あの物静かなノア君が居ないみたい…


「見てないわよ?きっと違う避難所に居るんじゃないの?」


メルちゃんが答えてくれた。私も知らない。見てないもの…


その時少しイヤな予感がしたの…でも、私は特に気にしなかった……


時間は一時間くらい、たったのかな?


「なんだっ!うわぁ!!」


避難所の外から王都の中を警戒していた聖騎士の誰かが声を上げそこから何も聞こえなくなってしまった……


「何!?今の!?」


「外で誰かやられたのかな?」


「そんな訳ないでしょっ!まだ、城壁の外で騎士と冒険者が戦っているはずよ!」


「じゃあ、今の悲鳴はなんだよ?」


メルちゃんがうっ…と押し黙っちゃった…

もぅ…メルちゃんはランバ君相手だとすぐ黙っちゃう!


「まっ!魔物だ!!魔物が出たぞ!!」


誰かが言ったその言葉に避難所に居る人はみんな混乱し始めちゃった。


「外だ!外に逃げろ!」

「馬鹿野朗!外に逃げたら魔物の餌だ!!」


「皆さん落ち着いて!!」


気づくと私は叫んでいた。


「アイナちゃんだ…」

「本当だ!アイナちゃんだぞ…」

「なに?あの『雷剣』のタウリスと肩を並べるあの?」

「いや違うよ『謎の仮面』ディラの弟子だよ」


なんか、みんな変な誤解をしてる気がするけど…でも!私はッ!!


「皆さん、落ち着いて此処に待機していてください。私達が外が安全だと確認するまで此処にいて下さい!」


「え?ちょっとアイナ?私達って…もしかして私も入ってる?」


メルちゃんが心配そうな目で見てくるから安心してと大きく頷いた。


「アイナちゃんがそう言うなら…」

「じゃあ俺もアイナちゃんが言うなら…」

「お前らアイナちゃん大好きかっ!?俺もアイナちゃんの言う通りにするけどっ!」


皆んなよく分かんないけど従ってくれるみたい!良かった!


「じゃあ、メルちゃん、ランバ君。行こう!」


「「お、おぅ…」」


もうっ!二人ったらこんな時にハモってイチャイチャしてっ!私もタウリスと……キャーーーー!!!


顔が沸騰しそうになるのを必死で振り払う。


「「「なんだ、あの可愛い生き物は…」」」


避難所の男共がほのぼの見つめる。


「はっ!い、行こうっ!二人共!」


その場から逃げるように私達は外へと出た。


外は誰も居なく不気味な静けさだけがあった。


その時、すぐ近くの民家から音も無く火の手が上がった。


「アイナッ!直ぐに消火をっ!」


「う、うんっ!水の癒しよ『ウォーターベール』!」


火が上がる民家を包む様に水の粒が覆いゆっくりと消火した。

いきなり人が居ないのに火が出るなんておかしいよ……

その時、地面に巨大な魔法陣が現れた!


直ぐに距離を置いて観察すると魔法陣からは白い骸骨。スケルトンが何体も現れた。


「げぇっ!スケルトン!?」


「…『ウッド・ハンマー』!!」


メルちゃんが巨大な大木を出現させ魔法陣ごとスケルトンを押し潰したの。メルちゃん…怖いよ…



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ニーナ!いっくよー!!」


「馬鹿ニーナ!止めろッ!」


ウサ耳バンドを頭に着けた黄色の髪の天然魔導師ニーナは『魔導具』と呼ばれるメイスの形をしたモノをスケルトンとザンバ目掛け撃ち放つ。

するとメイスの先から青白い雷が放たれる。


「うわっ!」


ザンバは持ち前の土属性の魔法で壁を作り雷を防ぐがスケルトンは雷によって粉砕された。


「馬鹿ニーナ!死ぬだろうが!」


「…?死んだよ?」


「お、れ、が!死ぬところだったろうが!!」


「え?生きてるよー?」


ニーナは可愛らしく小首を傾げる。その小動物の様な動作にザンバは何も言えなくなった。





「ニシシッ」


「おい、ギノ、お前さっきから俺を盾にしてないか?」


「気のせいだよ、ニシシッ」


「あっそ、『ウィンドブレス』!」


デュメスは鎌のような風を起こしスケルトンを切り裂いていく。その後ろにニシシと笑うだけのギノ。

なんとも言えない光景である。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



混乱が起こる王宮内で一人、まるで精気がない虚無な眼をした嘗ては教会内で絶大な人気を誇っていた男が心の奥底にドス黒い何かを抱え力なく歩いていた………

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