ー第12話ー 『俺たち相棒』
編の終わりなので短いです。ご容赦下さい。
「まあ、何だ…うまくいかない時もあるぞ。」
強者が集うその大陸の最高に位置するその場所に3人の紫色のローブを羽織る者がいた。
ドラグがディラを不器用ながらも励ます。
「……分かっている。」
なんだ、もうどうでも良いわ…
チラリと木陰で黄昏るおっさんを見た。
「ハァ…」
あーもう!!鬱陶しい!
怒りに任せ俺はおっさんの前にたった。
「おい!おっさん!テメェ、何時までそんなテンション何だよ!大体なんだ?どうしてそうなった!」
項垂れるおっさんは俺を見上げ溜息をついた。
「バンシィよ…放って置いてくれ…どうせ、我なんか戦う事しか能がない脳筋のバカじゃよ……」
確かに脳筋だけど…
「放っておける訳ねーだろ!何があったか話せ!…『相棒』だろ!?」
「相…棒…」
おっさんはその言葉を口ずさみ何かを決心した様だ。
「そうだったの!我らは『相棒』ではないか!」
「そうだ!だからさっさと話せ」
まじで、こいつの扱いが面倒いわ…
「実はな…」
お!遂に勇者との関係が?
おっさんが話し出すのを見てドラグも俺の隣にやってきた。
「我は……我は……負けたのだ!」
おっさんは肩を震わせそう言い放った。
「負けた?一体誰に?」
おっさんが戦いに負けたのであれば此処には居ないはず…一体何に負けたのだ?
ゴクリと唾を飲んだ。
「シャ……」
シャ?………シャアか!!赤い彗星め!!天然パーマ主人公が黙ってないぞ!!
「シャンの奴が…」
ん?シャン?
シャンって言ったらあのシャンだよな?
俺はイルカみたいな俺の部下、シャンを想像する。
「シャンの奴が…ババ抜きで…我の事を『ポーカーフェイスが下手すぎてジョーカーが何処にあるかバレバレですよ(笑)』と言いよったのじゃ!!これ以上の屈辱はないッ!!」
キィー!と何処からともなく出したハンカチを噛む。
は?なに、そんな事?
ドラグと目を合わせる。
するとドラグは頷いた。
成る程、ドラグも俺と同じ意見の様だ。
右手に魔力を集中させる。
「ん?どうしたのじゃ?2人とも、何故、魔力を貯めておるのじゃ?」
「「えぇい!黙れ!散々、心配させやがってェェェ!!」」
俺とドラグの渾身の一撃がおっさんを襲った。
「グボォアァァァ!!」
おっさんは地面にバウンドし家の壁に打つかった。
「喰らえ!!アムリタ!!『ドラグーン・ナックル』!!」
ドラグの本気の拳が真っ赤に燃えおっさんを狙った。
止めろ!ドラグ!家が壊れる!!
瞬間。
ドゴォォォォ!
という爆音と爆発で家が吹き飛んだ。
「この野郎!テメェ!ぶっ殺してやる!!」
身体を強化し一歩でおっさんまで距離を詰める。未だノックアウトするおっさんをサッカーボールの様に蹴り飛ばす。
「おらぁ!ジャッジスルーだァ!!」
おっさんを木にぶつけ連続で蹴り続ける。
おっさんが白目剥いているが後で回復するから問題ない。
バキィィ!!
木が折れた。
仕方ないおっさんを蹴るのを止め回復を施す。
「はっ!此処は一体…」
目覚めたおっさんの首を再び蹴っとばし、再開する。
「な、なぁ…バンシィ…さん?そろそろ、良いじゃ…」
「あ"あ"?」
「あ、どうぞ、続けて下さい。」
俺は三日三晩、ずっとおっさんを蹴り続けた。