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ー第12話ー 『聖神会-3』

更新が遅く申し訳有りません。早めの更新を目標にしますがどうしても遅くなります…ごめんなさい。

「ディラ君凄いですね!あのシャナをあんなに簡単に倒してしまうなんて!」


だったら拍手の1つくらいしてくれ…なんか虚しかったよ。



「……ええ、それでは予定よりも早く一回戦が終わった為、予定を繰り上げ二回戦を執り行いたいと思います。」


マック様の声が掛かると場はシンと静まり返った。


「ええ、前回優勝者のソルトは変則ですが此処でソルトにはシード権が与えられ決勝まで駒を進めます。」


マック様は一呼吸置いた。


「では二回戦目を始めていきたいと思います。では二回戦、クッティー対パン、リングに上がり向かい合いなさい。」


クッティーとパンがリングに上がり向かい合うとマック様の開始の合図が鳴った。


パンが風魔法を身体に纏い動きを素早くしクッティーに蹴りを放った。


クッティーが半身で躱しパンの地に着いている足を払うとパンはバランスを崩し前のめりに頭から倒れた。


クッティーは炎の球を3つ生成するとパンの頭上と真横に発射した。


パンの頭に当たらないギリギリで炎に包まれる。


パンは立ち上がりクッティーから距離を取り、身構えるがクッティーは既にレイピアを構え振り返ったパンの喉に突き付けた。


「………」



一瞬の沈黙。



「……参りました。降参です。」


パンがその沈黙を破り白旗を挙げた。

クッティーはレイピアを鞘に戻す様な動作をするとレイピアは消えた。


「……うむ、勝者。クッティー!」


拍手と賞賛の声が響く。


パンはベネトチオの方に向かい撫でられてた。


…クッソ、リア充か、氏ね!



案の定クッティーは赤と金ドリルに褒めちぎられている。



リア充氏ね。




「……では次の組、ナナ対ディラ、リングに上がり向かい合いなさい。」


お?もう呼ばれた。


リングに上がると今度は金ドリルの方だった。金ドリルも赤ドリルの様に俺を睨みつけた。何なん?恨みでもあんの?


思ったが口には出さなかった。面倒臭そうだからな。


「始めっ!」


「ウォーターバインド!」


手を向けられると俺の手首足首に水で出来た太い枷が掛けられ重く動き辛くなった。


「ふんっ!」


金ドリルは大振りのビンタをする。

左頬に強い衝撃が掛かる。成る程、この強さなら(下から)二番のオカルトが吹っ飛ぶのも頷ける。


それ位、強いビンタだった。


俺は仰け反る上半身を力で押し戻し踏ん張る。


体勢を立て直し手足に掛かる枷を呪解で解く。

水の枷はパシャりと消滅し身体が軽くなった。


どうでも良いけど、呪解で自分に悪影響を及ぼす魔法なら何でも解けるんだよ。どうでも良いか?


「!!……ウォータープレス!」


金ドリルから水がビームの様に勢いよく噴射され俺は両手で防ぐ。腕の隙間から水が溢れ俺の顔を直撃する。


……息が出来ん!!


風魔法で水を押し返し深呼吸をする。


…さて、どうしたものか。


水が見えない壁に押し止められまるで空中で浮遊している様だ。


金ドリルはまだ水を出し続けている。

だから俺も軽く・・押して止める。



……これってアレだね。あの、何方かが離したら離してない方に当たるってあの、ゴムパッチンみたいな?


流石にまた水が飛んで来るのは嫌なので思いっきり風魔法で水を押し返す。


徐々に水が金ドリルの方に押し戻される。


「きゃあ!」


やがて金ドリルから水が現れなくなりそのまま吹き飛ばした。

勢いよく吹き飛び場外に背中を打ちつけそうになった時。


「はっ!」


クッティーが滑り込みお姫様抱っこで金ドリルをキャッチした。


「おぉ〜」


何故か湧く闘技場。


巻き起こる拍手。


何なん?


「……ええ、ナナは無事の様ですが、場外に出てしまったのでディラの勝利です。」


俺の名が挙がると静まり返る会場。


ソルトを見て見ると腕立て伏せして全く聞いていなかった。


リングから降りると少しジロジロ見られる視線を感じた。

無視するけど。


「……ええ、次は準決勝なのですが、その前にお昼に入りたいと思います。次の開始時間は約1時間後です。…それでは各自、自由に休憩を取りなさい。」



ふむ、休憩を取れと言われては取るしかないが、残念な事に俺は弁当を持って来ていない。つまり、何か買って食べなければならないのだ。


しかし、俺は此処ら辺の土地勘がない。

それもその筈。何故かこの王都は東西南北でエリアが分かれて南側が俺が泊まる宿がある平民が集まるエリアで東エリアと西エリアが貴族、つまりデブで脂ギッシュの性格糞の奴等が集まる(偏見)エリアで北は立ち入り禁止区間、軍隊とか一杯ある所らしい。


んで、今いるエリアは西エリア、つまり貴族のエリアだな。あ、因みにマック様の教会があるのは東エリアな?


貴族が住むエリア、絶対ラーメンとかないだろ?俺は今ラーメンが食べたいのだ!


ないなら作るか!?作れねぇよ!!






……いや待てよ。






創造魔法使えば良いやん!!






俺は長椅子ベンチに座りラーメンを創造する。


イメージは丼に入ったアッツアツの醤油ラーメン。トッピングにメンマとチャーシュー大きめと刻みネギ、それと半熟玉子トッピングだ!


イメージがつくと魔法を使い生成する。


ポンと手の中に大きくなく小さくない良い感じのサイズのラーメンが現れる。


香りが素晴らしい。


ただ…1つ失敗がある……それは……








今、俺は豚骨ラーメンが食べたいのだ!




ホワァイ!ジャパニーズぴーぽー!!


何で俺は豚骨ではなく醤油作ったんだよッ!?馬鹿かッ俺は!いや、バカか……



「……頂きます。」


作った物はしゃあないので頂く。


あ、割り箸忘れた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「……全員揃いましたね?それでは準決勝を始めて行きたいとおもいます。クッティーとディラリングに上がりなさい。」



…………腹いてぇ…


やっぱり、醤油食った後また豚骨食べるんじゃ無かったわ…胃が…胃が死んでまう……



俺がさり気なくお腹をさすっているとクッティーがレイピアを俺に向け何か言ってきた。


「君のレディーに対する扱いは最低だ。この私が粛清してあげるよ。」


あ?無視だ、無視。俺は今腹いたいんだよ。


「それでは、始めッ!」


マック様が合図を出し試合が始まってしまった。


「ショック!」


クッティーがレイピアを振りそう唱えた。特に危険とか無さそうだからそのままお腹をさする。すると勘違いしたのかクッティーが高笑いし始めた。


「どうだ動けまい!この魔剣ピクルゥスで貴様の動きは封じてしまうのだ!」


え?全然動けるんだけど…現に今、右手でお腹さすってるし……


「どうだ?降参してはどうか…ぐへぇ!」


口を大きく開け大笑いするクッティーに少しイラっとしたので右脚で思いっきり顎を蹴ってやった。


口から血を流し白眼でクッティーは倒れてしまった。


……おい、立てよ……頼むから立ってくれ……この沈黙は何だ……お前が立てば一気に盛り上がるだろ……


「……勝者、ディラデイル!………次で決勝戦ですのでディラデイルはそのままで居なさい。お願いします。」


マック様がそう言うと黒ずくめが担架を持って現れクッティーを何処かに運んで行った。


「ではソルト、リングに上がりなさい。」


ソルトがリングに上がったその時。体全体が大きく横に揺れた。


「うわ」

「おお?」


少しふらついた。……地震だ。これはかなり強い…1分ほどで大きな揺れは治まった。


「……ええ、少し揺れましたが、問題はないでしょう。それでは聖神会最後の種目、決勝戦、序列8位で初参加のディラデイル対、序列3位で前回優勝者のソルトの対決です。……始めッ!」




「はあっ!」


素早く力強い拳を退がって躱す。


「ふんっ!」


勢いに乗った回し蹴りを片手で受け止め足を払う。支えを失い倒れるソルトは地面に両手をつくと足を素早く空中でまるで、見えない壁に足をつけている様に動きが45度の逆立ち?のまま静止し俺が掴んでいない足で空中を蹴ると俺は足を掴んだまま空中に放り投げられた。


パナい…


風魔法で空中でバランスを取りゆっくりと地面に足をつける。


不味いな…7割でやろう。


俺は魔力を練り上げ口の中に溜める。


ドラグ直々の天龍魔法。


鼻から息を吸い上げ手を口の前で筒の様に構えソルトに向ける。


『ドラグーンブレス』


口から息を思いっきり吐き出し溜めた魔力を放出するとドラゴン並みの超火力の炎がソルトを襲った。


息が切れ炎で前が見えなくなり俺は深呼吸して息を整えた。


「はあっ!」


ソルトが煙の向こうから跳び蹴りして現れた。咄嗟に腕で防御し蹴りを堪える。


ソルトは好機と見たのか連続で蹴りを決めてくる。

ハイキック、ローキック、ミドル、正面!


正面に出た足を掴みクルリと回す。

ソルトはバランスを崩すがまた同じ様に空中を蹴り距離を置かれた。



……覇気・・を使うか…



英雄。

俺のステータスにいつの間にか存在していた称号の1つ。天龍語でバンバーンと言う。英雄や何とか王、勇者、それらの称号を持っている奴は一定時間相手の動きを止める能力を手に入れる。俺はこれを覇王色◯覇気と呼ぶ。正確には……



力を少し溜め解放する。




英雄バンバーンの威圧フォース』!!


頭の中で呼称し空気と空気に流れる魔力を一瞬震わせる。対象はソルト、ただ一人。


その振動は生物本来が持つ魔力を共振させ動きを止める。ってドラグが言ってた。


ソルトも例外では無く身体が少し震え動きが止まる。


素早く風魔法を発動し吹き飛ばした壁に優しく背中をつけさせそのまま落下させた。


ソルトは力が抜けそのまま倒れた。





………………






パンパンパン





静まり返る会場の中でただ一人手を叩いてくれた人が二階から聞こえた。


見てみると最高聖神官が立ち上がり手を叩いてくれていた。

その行動に気付いた聖神官様方が慌てて手を叩き始めると他のメンバーもつられて手を叩き始めた。


会場が拍手で包まれる。








「……ええ、優勝はディラデイル!何と前代未聞!全種目優勝を達成しました!ディラデイルには『特級神官』の称号が贈られます。この称号を受けた者は今回が始めて!全員盛大な拍手を!」









–––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––



ディラデイルへ。


この手紙を読んでいるという事は貴方は聖神会で優勝したという事でしょう。先ずはおめでとう。

私も観に行こうと思いましたが、中々過去の思い出を忘れる事が出来ず行けなく貴方の勇姿を見届ける事が出来ず大変申し訳ない。

優勝したのならば色々と厄介事があるかと思いますがそれも修行の内とでも思いなさい。思い出話は貴方が帰って来た時に聞きましょう。

ゆっくりで構いません。道中安全に帰って来なさい。


ガードラ・リリフ

マリサ・リリフ



––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––




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