ー第10話ー 『聖神会-1』
投稿遅く申し訳有りません。暫くこの位のペースになると思います。なるべく早く投稿する様に心掛けますがご了承下さい。
では、やっと聖神会です、どうぞ!
俺は朝早くに起き飯を食べ、闘技場に向かった。
闘技場は石の壁で円形に建てられていてコロシアムって感じだ。
俺は闘技場の入り口らしきアーチ状の門をくぐった。
中は思ったより綺麗であった。
奥に進んでいくと道が三本に別れていて右か左か真っ直ぐかと選択になった。
何処に行くか迷っていると奥から一人人が現れた。
それは聖神官マック様だった。
俺は取り敢えずお辞儀をした。
「神官ディラデイルよ、直ぐにこの奥のリングに向かうのだ。急ぎなさい、他の方は全員集まっていますよ。」
「あ、はい、分かりました!」
俺は走って奥のリングに向かった……
後ろを振り返りマック様が見えなくなったことを確認して俺はゆっくり歩いた。だってめんどくさいじゃん?
道の先を見ると此処より更に明るい光が入っていた。俺は早歩きで其処に向かい其処に入った。
一瞬眩い光が俺の目を遮り俺は目を閉じ光に慣れるとゆっくり開けた。
其処には天下◯武道会のようなリングが設置され其処には1…2………10人の個性的な方々の白いローブを着た人、全員が俺を見ていた。
しばらく突っ立っていると突然2階からお声が掛かった
「ディラデイル、早くリングに上がりなさい!」
「あ、はい、分かりました。」
誰だよあのおっさん…ローブ着てるから神官だろうけどさ…
俺は渋々リングに上がり空いてるスペースに移動した。するとリング上の塊の中から緑色の髪をした奴……
ウザ男こと、クッキー(※クッティー)が俺の前に現れた。
また何か面倒くさいこと言ってくんのかと聞き流す準備をしていたら突然クッキー(※クッティー)はニコリと笑い手を差し出して来た。
「お久しぶりですね、ディラデイルさん、今回の聖神会、共に全力を尽くし頑張りましょう!」
にこやかに笑って手を差し伸べてくる、見た目はイケメンのクッキー(※クッティー)
何だコイツ……性格違い過ぎだろ……こんな奴、居るもんなんだな…
それでも俺も流石にこんな所で握手を拒否する訳にもいかず俺はクッキー(※クッティー)の手を握り返した。
「ええ、宜しくお願いします。」
そうしていたらクッキー(※クッティー)の後ろの方で恨めしそうにコッチを睨みつけてくる、赤髪と金髪の立て髪ドリルロールの女の人。
なに?ああ…恨めしいのね?別に男だから良くないか?
まあ俺はクッキー(※クッティー)から手を離し距離を置く、睨みつけられるのは良い気分ではないからね。居心地悪いし。
そんな時2階からまた声が掛かった。
「全員其処に気を付け!最高聖神官様が入場なさるぞ!」
何か良く分からんけどみんな背筋を伸ばし二階の特別ドーム見たいな所に視線を移していたので俺も同じ事をやっておく。
するとその奥からクッソデブの金髪の王様見たいな人が現れた。
「良い、皆の者この度の聖神会期待しておるぞ。」
そう言ってデブはなんかめっちゃ豪華ででかい椅子に腰をかけた。……へぇ、あの人が最高聖神官なんだー
どうでも良い…
あ、それとデブよりも手前に7人の御老体が並んで座った。真ん中の方にマック様が座っているので恐らくアレが聖神官だと思う。
するとマック様は立ち上がり何かを口の前にあて話すと拡声器で喋る様に大きく声が聞こえた。
「聖神官のマック・アルバです。では早速ですが貴方達の魔法技術を競って頂きたいと思います。」
マック様が右手を上げるとリングの向こう側からデカイ木の丸太見たいな物が運ばれリングの中心に立てられた。
「簡単に説明しましょう。その木は魔力大樹を改良した物でその木に回復魔法を掛けると色が変わり効果の強さを表します。色は強い物から白、赤、橙、黄、黄緑、緑、青、紫の順で強さが決まります。因みに私が『ハイヒール』を使った際の色は赤色でした。」
おお、と周りが湧く。
え?凄いの?よーわからんわ〜
「回数は一度きり、一番強い物を示した者がこの分野の優勝です。順は師である聖神官の序列第1位の者から始めて行く……先ずは一番、クッティーよ始めなさい。」
「分かりました。」
ああ、彼奴、クッキーじゃなくてクッティーなんだ……紛らわし…
クッティーは悠然と塊の中から出て丸太の前に立った。
そして、手を構えた。
「『ハイヒール』!」
緑の光が丸太を包みだんだん丸太の色が変化し始めオレンジ色に変わった。
「流石ですわ!クッティーさま!」
「無詠唱でその回復力!流石ですわ!」
さっきの赤と金のドリルロールがなんかクッティーを褒めちぎる。
キショい…
「クッティーは橙色、現在暫定一位です。」
マック様がそう告げる。
「クッティー様が一位で決まりですわ!」
「そうですわ!誰もクッティー様には敵いませんことよ!」
おほほほほ、とか何か勝手に一位決めてる赤と金。もう、ドリルロールとか呼ぶのすら面倒くさいんだけど…
と言うか五月蝿い。
「それでは次は序列第2位のウィル・ピルシキの弟子、オカルト、行いなさい。」
「はい!」
すっごく真面目そうな青髪の青年が丸太の前に立った。
……そう言えばガードラ様って序列何位なんだ?
ま、いっか。名前呼ばれる時に分かるっしょ。
「はぁぁぁぁぁ……」
オカルトって子が茶色に戻った丸太に手を翳し、何かの力を貯めている様な雰囲気で詠唱を始めた。
………強い(確信)
「癒し給え……『ヒール』!!!!」
いや、ヒールかよ!
光が丸太を包みだんだん丸太の色が変わる
結果は髪の色と同じ青色だった…
下から二番目…序列は上から二番目なのに魔法は下から二番目…
ショボい…
「…………オカルトは青色ですね。……では次の人は序列第3位のロード・ゲイデュバンの弟子、ソルト、行いなさい。」
「分かりましたぁ!」
あの……忍者ナ◯トのロック◯リー見たいな奴が出てきた。
「行きます!……癒せ『ハイヒール』!!」
………結果は黄緑色だった。
…普通って所なのかな?
「……ソルトは黄緑色ですね。……では次は序列第4位のブルーアイ・ルナシーの弟子、シャナとナナ、行いなさい。」
「はいですわ!」
「クッティー様に見届けて貰いますわ!」
あー、さっきの赤と金が二人出てった。
赤い方がシャナで金がナナらしい…
先ずシャナの方が『ハイヒール』を唱え黄色。
ナナの方も『ハイヒール』を唱えて黄色。
正直どうでも良い。
「……では次は序列第5位クシャ・トリアの弟子、リード・ガイ行いなさい。」
凄いのが出た…
緑の髪のおかっぱで、体格がゴリラ見たいな奴が出てきた。
こいつは、絶対強い。
「す、すみません……それでは、やらせて頂きます。すみません。」
なんか、突然見てる奴ら全員に頭を下げ始め謝罪をしてから、丸太に手を翳した。
「最高の祝福を、癒せ『ハイヒール』…」
緑の光が丸太を包み色が橙色に変わった。
「ひぃ!すみません!すみません!」
だから何故謝る。性格問題有りすぎだろう……
「おお、リード・ガイは橙色で一位のクッティーと並びましたね。ですが、この魔法技術では字の通り技術も点数の内ですので、詠唱有りのリード・ガイは2位となりますね。素晴らしいです。次回に期待しています。」
珍しくマック様が長々と語った。
「それでは、次は序列第6位のマリオン・リリフの弟子、アクテムラ・ペルティル、行いなさい。」
「はーい!」
胸がデカイお姉さんが幼稚園児みたいな返事をして丸太の前に立った。
「えーと、えいっ!『ハイヒール』!」
丸太は黄緑色に変化した。
何だろうね、あの人、変わってるね。
「ええ、それでは次は序列第7位のリトル・グルムンドの弟子、リットリオ・ベネトチオとパン、行いなさい。」
ピンクの髪の女の子と紫の髪の目つきが鋭いイケメンが出てきて、ピンクの髪のパンが黄緑色、紫の髪のリットリオが黄色だった。
……そして、俺の番が来ない…
「では、最後は初出場の序列第8位のガードラ・トトフの弟子、ディラデイル、行いなさい。」
最後の最後で俺が呼ばれた。
俺は他の奴らと同じ様に丸太の前に歩みでた。かなりジロジロ見られる。
さっさと終わらせよう。
……ヒール!
軽く丸太に触れ俺はその場を離れリングの端の方に歩いた。
場は静まり返った。さすがに雑過ぎたか……
俺は丸太の前に取り敢えず立っていようと振り返り丸太を見ると、丸太は真っ白に輝いていた……
あれ、これ一番いい奴じゃね?
そう思い俺は二階のマック様の方を見て見るとマック様は最高聖神官に呼び出され何か話している様だった。
暫く経つとマック様が振り返り言った。
「えーと…ま、魔法技術での優勝は序列第8位、ディラデイルに決定しました。」
未だに静まり返っている…
え、何だよ…優勝したのに…ガードラ様なら絶対褒めてくれるぞ……
「コホン。ええ、それでは次の種目に移ります。」
そしてグダグダなままリングの丸太は撤去され今度は何本もの鎖がグルグルに巻かれた丸太がリングの中心に立てられた。
「呪解技術の説明をしましょう。その丸太に巻かれているのは見ての通り鎖ですが、その鎖には帝級以下の呪が全て掛けられています。『呪解』を掛けるとその『呪解』のレベルによって鎖が解けます。例えば初級レベルなら一本、下級レベルなら二本と外れます。」
冷静に説明を始めたマック様。
中級なら三本、上級なら四本、王級なら五本、帝級なら六本全部だってさ、因みにマック様は帝級レベルらしい…
それと一様、神級も存在するけどこれは絶対解けない呪いだし、大体そんな呪いにかかる奴は大抵死んでしまうから意味がない。
「では順番は先程と同じ様にクッティーから、始めなさい。」
無言で丸太の前に立ったクッティーは鎖に触れ魔法を発動した。
「……『呪解』!」
白い光が一瞬丸太を包むと鎖が五本ジャラリと落ち外れた。
「うむ、鎖が五本外れたので王級じゃな。では、次、オカルト行いなさい。」
ああ…さっきの残念だった子ね。
「ふぅぅぅ……」
ここはなんか強そうなんだよな……
「呪いを解き放ち給え!『呪解』!」
光が包み鎖が……
案の定、一本だけ外れた。
期待を裏切らないね、この子は。
「はい、では次、ソルト、行いなさい。」
うわー、スルーされたよ…かわいそ…
「では、行きます!……解き放て『呪解』!」
鎖は二本外れた。
なんか、この辺はしょぼいよな?
別に良いけど。
「うむ、では次、シャナ、行いなさい。」
赤の方が丸太にたった。
「『呪解』!」
鎖は四本外れた。赤の方は振り返り何故か俺を睨んで来た…
顔が整ってる奴が睨むとマジで怖いからやなんだけど…
まあ、睨む理由は大体想像つくわ、どうせ妬みだろうな。
俺が天才過ぎて(笑)
「シャナは上級、まだまだ、伸び代はありますね。次も頑張りましょう、次、ナナ、行いなさい。」
金の方も鎖は四本外れ、そして睨まれた。殴って良いかな?殴らんけど、殴りたい、なんか腹立ってきた。
なんか見てるのも怠くなってきたので俺はリングの角で腰をかけずっと壁を見つめた。
「…では次、ディラデイル行いなさい。」
心を無にして瞑想していたらいつの間にか順番が来た様だった。
俺は立ち上がり他の神官達の間をすり抜け無詠唱で呪解を発動させ丸太をタッチして鎖の呪いを解いた。
結果、全部解けた…
なんか、流れでそんな感じはしたけど、ここまでだとはね?
また静まり返る会場…
なんとかならんかね、この空気…
居心地悪すぎるわ…はよ帰りたい。
「……優勝はディラデイルじゃな……」
マック様の声が虚しく響く。
もういい、止めてくれ、この静けさはなんだ!?俺のメンタルがもたねぇ!
「ええ、次は魔力持久力じゃな。お願いする。」
リングの向こうから黒ずくめの男達?が木の椅子を10個持って横に並べて帰っていった。
「魔力持久力は簡単じゃ、その椅子に座ると魔力が吸い取られる。魔力が無くなり辛くなったら椅子から降りるといい。つまり、より長く座っていれば良いのじゃ。では全員椅子の前に立つのじゃ。」
そう言われ俺は一番端の椅子に座った。
すると隣にはソルト…ロッ◯・リーみたいな奴が隣に立った。
ソルトはコッチを向いていった。
「ディラデイル君。今まで勝っている様だけど、この持久力では僕が勝ちますよ!」
「そうか、分かった。」
なんか反応に困るので取り敢えず分かったと言っておいた。
「それでは、座りなさい。魔力持久力、開始。」
座ったが、特に何も感じなかった。
俺は何とも無いじゃ無いかと思い隣のソルトを見てみた。
「クッ…負けません……」
凄く辛そうだった。
なんか、何とも無いんだけど……スイッチ入ってる?スイッチが有るのかは知らないけど……
………………
頬杖をつき俺は目を閉じる。
ソルト君には悪いけど眠いから寝るわ。次第に意識は無くなっていった……
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「………ディラデイル、起きなさい。」
はっと目が覚め目の前にはマック様の顔があった。
「……ディラデイル、魔力持久力も貴方が優勝です。ガードラに私から手紙を出しておきましょう。素晴らしいですが、競技中に寝るとは如何なものかと思いますよ?」
目が笑ってない……やだ、この人、怖い……