ー第5話ー 『豚骨麺』
┃電柱┃ω・`)グルメじゃ無いのよ…決して……
俺は西洋風の赤レンガの二階建ての建物、運送ギルドのドアを開け入った。
中は受付が2つしか無くその前には何十人かの列が出来ていた……
俺は少し面倒くさいなと思ったが仕方が無いので最後尾に並び列が減るのを待った。
…………………………遅え……
もうかれこれ10分は並んでいるが未だに一歩しか進んでいない…
俺の背後にもまた新たに人が並び始めていた…
コンピュータも何も無いとこんなに遅いもんなのか?絶対おかしいだろ…効率アップはよ。
…………………………
………暇すぎワロリンヌゥゥゥ!!
良い加減、足が疲れてきたぞ……
お、やっと進んだ。
前を見てみるとあと三人、前に並んでいた。あ、受付が一人増えた。
「はい、次の方〜」
その声でまた一人並ぶ人数が減った。俺の順番はいつの間にか次に呼ばれるまで人数が減っていた。理由はさっき入ってきたおじさんの受付員の仕事がめちゃくちゃ早い。他の二人は何なんだって言うくらい速い。通常?の三倍はあるぞ!そしてそのおじさんのネクタイは赤だぞ!
……間違いない!奴が赤い◯星だ!!
「はい、次の方〜」
そして俺はその赤い◯星に呼ばれ受付に向かった。
「どの馬車ご利用ですか〜?」
この人凄い早口だな……
「王都サンまででお願いします。」
「王都サンですね?畏まりー少々お待ちをー」
そう言って受付のおじさんは席を離れ何か書類みたいなのをゴソゴソする。
そしてすぐに戻ってきた。
「王都サン行きはですね、一番早いもので明日の8時発のものですね。どうされますか?」
早い、よく聞き取れんかったわまあ、聞き取れたって言ったら聞き取れたけど……
「じゃあそれでお願いします。」
「はい、畏まりました、王都サン行きのチケット、一枚1000チールになりますー」
高い!何だこれ!?……いや待てよ…安い方なのか?……いや、円で考えたら安い方かも知れないけど…これは絶対に高い…まあ、払うしか無いけど…
「はい、じゃあこれで。」
俺は袋から銀貨10枚取り出しおじさんに渡した。
「はい、ありがとうございますーこちらチケットです、では明日の8時までに三番の馬車にお乗りくださいーご利用ありがとうございましたー」
速いな…
俺はチケットを受け取りそれをマジックボックスにしまい身体を翻し出口へ向かった
「はい、次の方〜どぞ〜」
……本当に速いな……
さて、俺は明日の8時まで暇になった訳だ……………そう言えば俺、時計無いから時間分からんわ……
…………あ、あと泊まるところも探さないと……
俺は宿屋が無いかメインストリートを歩き回る時々金や純白で塗装された馬車が通る。目立ち過ぎて目がどおしても行ってしまう。馬車には何か家紋?みたいなのが付いてて多分貴族って事を分からせてくれる。
そんな事より宿屋を探した辺りを歩きながら見回すがそれらしい所は見られない。仕方が無いので俺はメインストリートから外れた少し小汚い住宅地に入った。少しウロチョロしていると「宿屋」と描かれた小さな看板がぶら下がっている事に気付いた。
行くところは無いので兎に角その宿屋と描かれた正直ボロい宿屋に俺は入った。
中は凄く綺麗な事は無く、外見どうり凄くボロかった、玄関の壁は少し壊れて玄関からの長い廊下は薄暗く君悪さが出ていた。
「すみませーん。」
……………
居ないのか?
「すみませーん!」
「何だい?」
「うわっ!ビックリした!!」
振り返ると白髪で腰を曲げた婆ちゃんが目を細め俺を見ていた。
「何だい?おめぇさんが呼んだから出てきたんだろう?」
婆ちゃんは呆れたように俺を見てくる。
「え…っと此処は宿屋ですか?」
「ああ、そうだよ。何だいあんた?泊まるんかい?」
「え…ええ、あの一泊良いですか?」
「いいよ、飯ありか飯なし選べるけどどっちが良いかい?」
うーん…ちょっと見て回りたいからな…
「飯なしで。」
「あいよ、なら一泊3チールだよ。」
3チールは青銅貨三枚何だけど、俺は今一番低いので大銅貨しか持ってない、これは50チールある。
「すみません、50チールでお釣り貰えますか?」
「ん、あいよ、47チールの釣りだ…それとあんたの部屋は3号室だ。貴重品は各自で管理してくれよ。」
「どうもー」
俺は鍵を受け取り薄暗い廊下を歩き3号室を発見する、見た目は普通の木の扉だ。
中を開けるとGが、うじゃうじゃ…なんて事は無く普通にベットと椅子が置いてあった。
目立つものはそれだけで特に印象はない。まあ、良いわじゃあメインストリートで探索でもしますか。
俺はメインストリートのほぼ中心で店を構えていた雑貨屋に入り色々見て回った…….雑貨屋って何処も同じなのか?って思うくらいゴチャゴチャしている。んー特に目的無しに来るところじゃないな……出よう…
俺はまたメインストリートをブラブラ歩いていると俺の大好きなものの匂いがした。
俺は匂いのする方へのこのこと歩いて行くと、メインストリートから外れた所に立ち食いの屋台を発見した。
そこののれんには『麺』とひと言描かれてそこからはスープの匂いと思われる匂いがプンプンした。
……間違いない。豚骨スープだ!!
その匂いを嗅いだ時俺の腹は声を出しそれを欲した。俺は唾を飲み込みその『麺』と描かれたのれんをくぐった。
こんな良い匂いなのにお客は誰もいない、屋台だからか?麺の大将と思われるおじさんは坊主で頭に布を巻いた出来る男をイメージさせる姿だった。
「……らっしゃい。」
だが、その大将は元気がなかった。
だがその大将は俺を見ると変な顔をして言った。
「お客さん、見ない顔だな、旅の人か?」
「ええ、そうですよ。」
「そうかい、うちは豚骨麺と言うスープに麺が入った変わった料理を提供している。食うのか?」
豚骨麺!!良いぞ!そう言うの俺は好きだぞ!!
「…一杯下さい。」
「本当かい!分かったぜ!」
何故喜んだし…
「へい、お待ち!」
置かれたのは豚骨スープに細めの縮れ麺が入ってネギ、木耳が入ったいたってシンプルな豚骨ラーメンだった。
俺はその香りに喉を鳴らした
俺は地球にいた時は学校帰りには必ず何処かラーメン屋を見つけては食べた。俺はかなりラーメンが好きだったと言えるそんな、ラーメンをこの世界でまた、拝めようとは……俺はラーメンの神に愛されているのかもしれない……
おお!神よ!ありがとうございます!!
俺は箸を受け取り先ずスープを一口飲んだ…
………美味い…こってりしているけどしつこくないこれは良いぞ…
そして、麺だ!
柔らか過ぎずどちらかと言うと固いバリカタ位の歯応えがまた最高だ!!
これは旨い!全国展開して欲しいくらい旨い!
「すごい、美味しいですよ!」
「ほ、本当か!?それは嬉しいぜ!」
俺は大将に賛辞の言葉を送って麺を食べ続けた。
しかし、麺は直ぐに無くなってしまい、俺は替え玉が欲しくなった。
「麺のお代わり頼めますか?」
「へい!替え玉ね!了解!」
……それにしても美味いなぁ……
何でこんなに美味しいのに流行らないんだ?………その理由は後になって分かった。
「はいよ!替え玉ね!」
「ありがとうございます」
再び麺をスープに絡ませ食べる。
うめぇ…
俺は麺を平らげスープも飲み干した。
「ご馳走様!……幾らですか?」
「あい、豚骨麺1に替え玉1で合計1500チールね!!」
高え!!ボッタクリだろ!?なんで、馬車より高いんだよ!
「あの……何でこんなに高いんですか?」
すっげぇ疑問に思ったので大将に聞いた。
「そりゃ、これ全部がバラギル帝国からの輸入品だからね!大体こんなもんよ!」
バラギル帝国………いつか滅ぼしてやろうかな?
絶対、値段高くして売ってるだろ……
まぁ食べてしまった物は仕方ない……
俺は銀貨を15枚大将に渡し俺は店を出て宿屋に戻った……
………二度と……二度行くもんか………
残り所持金1250チール