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ー第2話ー 『スライムゼリー』

「さて、いっちょやったりますか!」


俺は内心ドキドキしながらも指を鳴らして大蛇と対峙する。後ろには運転手が魔法を放つ準備をしている。


俺は魔力樹を構え片刃の剣に変形させそれを2つ用意し双剣にする。


「来るぞ!」


「了解!」


大蛇を縛っていた鎖が砕け大蛇が解放される。

大蛇がそれに動揺し固まっている所に俺が大蛇の口から出ている舌を切り裂く。


大蛇は悲鳴と同時に身体を捻らせ背後に後退した。俺はそれに追撃を掛ける為、身体強化の魔法を掛け地面を蹴り大蛇まであと数メートルの所で跳び上がり大蛇の背よりも遥か上まで跳び上がり双剣を重ね自分の何倍もの大きさの大剣に変化させる。


大剣はその重さによって刃の先から落下し大蛇の頭を目掛けて落ちる。


それに気付いた大蛇は回避行動を取ろうとするが下の運転手によってまた鎖を掛けられ身動きが取れなくなった。



…もらった!



俺は大剣を持ち空中で大蛇の頭に当たるように風の魔法で微調整する。


そして次の瞬間俺は大蛇の頭目掛けて思いっきり大剣を投げ付けた。


大剣は大蛇の頭をあっさり貫通し大蛇の頭から噴水の様に紅い血が吹き出しそのまま倒れた。


俺は重力の落下に従って落ちる。俺は覚悟を決め眼を閉じる。その時、身体全体に何かが纏わりつく様な感覚が起こり俺は何故かベットに倒れる様な感覚で地面に着地した。


眼を開け見てみると身体全体を鎖が覆っていた。



みると運転手がグーサインを出しているのが見えた、俺もグーサインを返そうとしたが鎖が絡まり動けなかった………













「すまんな、大丈夫だったか?」


運転手が俺の鎖を解除した。俺は起き上がりローブに付いた砂を軽く払う。


「はい、大丈夫です……えっと…」


俺は魔力樹が何処か探そうとすると運転手が俺に手を差し出してきた


「俺の名はリックだ。ありがとな、お前が居なければ俺は殺られていた。」


あ、いや、今そう言うの良いです…って言うと流石にアレだから取り敢えず運転手、リックさんの手を握り握手をして自己紹介する


「ディラデイルです。ディラって呼んで下さい。」


「ディラデイルか、覚えておくよ。……所でディラは神官何だよな?」


「ええ、そうですよ?」


「じゃあ、次の村に移動する為に……あの馬、回復させてやってくれないか?」


馬車を引っ張っていた馬を見るといつの間にか泡を吹いて気絶していた………







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「これで良し。」


「……凄いな…無詠唱か……」


俺は手っ取り早く馬を復活させた、先に魔力樹は回収した。

……問題は次だ…


「あの、これどうしましょう?」


俺はリックさんに倒した大蛇をどうするか聞いてみた。


「ああ、さっき俺の仲間に連絡して後で回収しにくるらしいからほっといて良いぞ、それより早く移動しないといけない。」


そう言ってリックさんは馬車に乗り込んだ……

俺が馬車の荷車に乗ると馬車はさっきよりも速く移動を始めた。












さて、俺はこのリックさんのおかしな所を挙げていきたいと思う。


いきなり何故かって?


どう考えたっておかしいだろ!Aランク中位の魔物の動き止める馬車の運転手がどこにいんだよ!?ここに居るけどさ…


だってAランク中位ってここじゃ全く見かけない、ゲキ強モンスターだぜ!?3年間此処に住んでたけどAランクどころかCランクだってあんまり見たこと無いわ!!


それとさ、リックさんって最初に見た時は完全にオッさんだったのに今はかなり若返ってるよ!?25くらいに見えますよ!?


で、俺はリックさんの正体を予測してみた。


先ず1つは、大魔王説。だって若返ってるしAランクの魔物拘束するとかあのおっさんやりそうだし…


でもそれだとおっさん大陸の呪から解放された事になるな……


じゃあ、これは違うか?



まぁ、良いや2つ目は闇の秘密結社の幹部説。いや、それっぽそうだし、さっき仲間が回収するとか言ってたし……




………もう良いや、何考えても答えなんて分かんないし……











そんな事を考えていたら木の柵で覆われた村の様なものが見えてきた。












「ついたぜ、此処で2日分の食糧を買っときな。出発は30分後な。」


「分かった。すぐ戻るよ。」


俺はそれだけ言い残し馬車から降りた。





この世界にもちゃんと時計ってのは存在していた……ただそれが日時計なので、正確な時間はよく分からない


でも、この村にも日時計は存在していた、あ、でもこれ日時計じゃ無いかも……




俺は馬車から降りた大通りの様な所でやっていた雑貨屋さんの様な所に足を踏み入れた。


其処はごちゃごちゃしていて何があるのかよく分からなかったが1つ、壁に面白いものが飾ってあった。

それは円盤の中心に太めの長い針が突き刺さり円盤の周りに均等に1から12までの数字が1つずつ並べられそれに半透明の半球が被せられその中に魔法で小さな火の玉が中で針の周りをゆっくりと移動していた。



時計…だと思う……火の玉の光が針にかかりその影が10の数字を指していた。凄いな…こんなのあるんだ……


俺は素直にそれが面白いと思い暫く見ていた。



アレだね、地球にあった時計とはまた違った面白さがあるね。流石異世界!



っと、そんな事より早く飯を買わないと…


店員の人に睨まれたけど俺はさっさと店から撤退した。



さてさて、今度は弁当屋を見つけた。蓋は閉じられていて中身が見えない。店員のおばさんに長持ちするのはどれか聞くと石の箱に入れられた弁当を薦められた。


何が入っているのかと聞いてみると


「バララの肉とレタス、トマト、ニンジン、それとスライムゼリーだよ。」



バララの肉が何かは知らないけど……待って、スライムゼリー!?








「毎度あり〜」






買ってしまった……少し悩んだ結果結局さっきの弁当にしてしまった……しかも5つ、少し安くしてもらったよ。50チール、大銅貨一枚分。えっと、貰った銀貨一枚分の半分の値段だね。高いのか安いのかは微妙なラインだけどさ……




まあ、俺はこれ以上ウロチョロするのもあれなので馬車に戻った。


戻ったがリックさんは居なかった。馬車を引く馬が暇そうだったので俺はリックさんが来るまで馬と戯れあっていた……









「いやぁ、ごめん、じゃあ行こうか!」


リックさんがやって来たのは馬と戯れて10分位後だった。


その時には俺のローブは馬の唾液でベトベトだった。















何も無い……すごく暇……





俺はさっきの村を出てまた馬車に揺られていた。


相変わらず風景は森の中で本当に飽きてきた……



グゥーと突然腹の虫が鳴ったので俺はさっき買った弁当を開けた。


石の蓋が凄く冷たい………残りの弁当は全部マジックボックスにしまった。



弁当の中身は綺麗に配色されたしっかりとした弁当だった。黄色い米?にローストビーフ見たいな肉が3枚乗っけられその隣にレタスなどの野菜が軽く盛られていた……其処までは……






其処までは良いのだ……




其処までは………





俺は肝心のスライムゼリー・・・・・・・が無いじゃないかと思い少し手を付けずにいた。




だが、俺は分かってしまった………







スライムゼリーが俺の知っているゼリー・・・では無いことに…!!








みんなはゼリーと言ったらゼラチンが入ったものを想像するだろう?まあ、こんにゃくの畑でもいいしそこら辺は任せるけどさ……


まぁ、大体の人間(地球人)が想像するなら食後のデザートや、お菓子感覚のものだろう…ゼリーは飲み物だ!とか言う奴は無視するぞ。




まぁいい、俺は気付いてしまった、何で米がこんなに真っ黄色何だ?と、それは摘んでみて分かった。



ムニ……



柔らかい……



俺は付属の箸でその黄色い物体を掴み上げた。

ムニムニと変な感覚が手に伝わる。


俺は恐る恐るそれを口の中に放り込んだ。



ドロドロとした水溶き片栗粉の粉を入れ過ぎた様な……変な食感が伝わる……


あ、歯にくっついた……



俺はそれを舌でコロコロしながら確認すると、俺は確信した。










……これ、スライムだわ……





俺はその後スライムゼリーなるものだけを避けて箸を進めた……


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