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不死身の神官〜色々平均以下の俺が転生して不死身になった〜  作者: ほねつき
第2章ーリムサン大陸ー 神官修行編
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ー第1話ー 『ダンジョン』

此処、海の村アバナ村は小さな村だ。海の村…と言っても港の様なものはない、言うなら海の近くの村だ。


村の周りは柵で覆われ森からくる魔物を寄せ付けない様にしているらしい。村から入る門は一つしかなくかなり不便だ。

そして村って言うのはおかしいと思う程広い。それも不便なところの一つだ。



そして、それなりに広いので魔物が現れる確率も高くこの村には冒険者ギルドも存在する。


冒険者ギルドは………まあ、分かるだろ?クエストを受けて報酬を貰う仕事だよ。


で、冒険者がいるという事は武器も必要だから必然的に武器屋もある、もう街って言っても良いと思う。


そして、村には当然纏め役の人が居る、大抵の街などは貴族がやっているらしいのだがこの村はなんと、神官ガードラ様なのです!!



そして当然村長が教会に住んで居るのだから当然そこには村の問題などが舞い込んでくる。




………そして今日も……













ガードラ様はいつもの様に神に祈りを捧げていた。



ここの宗教の名前は六神教。

創造神サラリス、女神リムムリル、魔法神ダリナス、魔力神リサリル、呪神バリュース、呪解神タブリルの六人の神を信仰する人類の9割が信仰している宗教だ。


俺は兎に角、ここの教会の見習い神官として居候させて貰っている。


神官になるには手順が必要でまず、神官の位を持つ人に教えて貰わなければならない……つまり弟子入り。


そして、ある程度の修行を積んで師匠に認めて貰えば晴れて神官となる事が出来る。ただ、神官になれるだけだ。


俺の目的は呪解を得る事だ。呪解を習得するには神官よりも上の位の中位神官に成らなければ教えて貰えない。


神官の位の中で一番声が強い神官が最高聖神官、その次が聖神官、高位神官、中位神官、神官って序列が存在する。


位を上げるのは簡単で、聖神官の人に認めて貰えれば良いだけの話、最高聖神官は王国で踏ん反り返って座っているだけの奴等らしい……


そんな訳で事実上一番声が強い聖神官が大体の事を決めているらしい。そしてその聖神官の位を持っているのもガードラ様だ!!


まあ、聖神官の位を持っている人は他に何十人もいるらしい。


まあ、兎に角ガードラ様は呪解も教えれるすっげぇ人だって事だよ、ガードラ様様だぜ!!



さて、話を戻そうか、今日は教会の扉を勢い良くあけて慌てて入って来たのは麦わら帽のおっちゃんだった。


おっちゃんの名前はポリムスで、なんかね………ティティムって言う、ピーマン的なものを育てている農家のおっちゃんだよ。因みにあまり美味しくはない。



「ガードラ様ぁ!!大変だあ!!スピカん所のガキンチョが『ダンジョン』に入って行ってしまっただぁ!!」



『ダンジョン』……まあ、ドラ◯エをイメージしてくれ。宝箱あるだろ?この世界のダンジョンはそれが無い、そして、死んだら其処で終わり、そして何故この村と呼ばれるのに街サイズの広さなのか、それはダンジョンにある。


ダンジョンは世界中の地下に張り巡らされていて入り口はこの表世界の各所に存在している。


ダンジョンは魔物製造機って事は分かっているのだがダンジョンを攻略しようとはしない。何故か、宝が無いから、それとダンジョンの入り口によってエリアがあって其処にGランク級の魔物が棲んでいるらしい。


ただ、その最強モンスターは自分からは地上に上がらないので問題は無いのだが、其処から湧き出る魔物は狩っておくって仕組みになっている、だからここの村は広い、その代わり危険と隣り合わせって事だ。


悪いな、俺も詳しくは教えて貰ってないし、聞く気もないからな。


兎に角、そんな夢も希望も無いダンジョンに村の子供が入って行ったらしい。



「……本当ですか、それは大変ですね。スピカさんのお子さんの事ですからあまり潜ってはいない筈です、直ぐに探査に向かいましょう。」


「本当かぁ、すまねぇなぁ、気おつけてくれぇ!」


ガードラ様はゆっくりと立ち上がり近くに居たマリサさんに頷き合図を送ると俺の方を向き


「ディラ、貴方も付いて来なさい。」


「は、はい!!」


突然の指摘でどもったが俺は先に外へ出たガードラ様の後を追う。


「おお!ディラも気おつけてなぁ!」


「はいー!」


ポリムスさんに見送られ俺は急いだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ガードラ様を先頭に俺は付いて腰の高さまである草を手で避けながら歩いている。


ガードラ様は90近くだが元気一杯過ぎる魔法の達人だ。まぁ、回復魔法がある様な世界だからな……


それは置いといて、神官は必ず回復魔法は覚えなければならない、最低でも初級魔法は使えないと話にならないらしい。


俺はガードラ様に弟子入りする前に回復魔法を見せろと言われて仕方なく枯れてた花に回復魔法……俺、名前とか知らないんだよね……


ほら、ホ◯ミとかさ、そうゆうの、ただ、回復魔法、解毒する魔法、とかしか教えて貰ってないからさ、てか、無言でその枯れた花を完全回復させたらガードラ様が目が点になってたのは面白かった。


んで、俺は回復魔法を教えてもらわずにガードラ様が直ぐに呪解を教えてくれた。ガードラ様様だぜ!!


ただ、まだ3年も経って完璧には教えて貰ってない。


まあ、階級上げてなんちゃらするよりはマシなんだけどねー



さて、そんな事を考えていると、ダンジョンの入り口が見えてきた。


それはただの洞窟の様にも見えるごく普通の洞穴だった。



ダンジョンにはあっさりと入れた。中は明るく奥の方まで見渡せる位の明るさだった。


ガードラ様の後を追ってダンジョンの奥へと入って行くと身体が重くなる様な感覚に襲われた。


突然ガードラ様は立ち止まり俺も止まるとガードラ様はこちらを振り向くと


「ディラ、【呪解】を行いなさい。呪文は、“呪解神タブリルよ、我らに掛かりし呪いを解き放ち給え”…です。」


「は、はい!………呪解神タブリルよ、我らに掛かりし呪いを解き放ち給え……【呪解】!!」



一瞬俺とガードラ様を緑の光が覆うとさっきまで重かった身体が軽くなるようだった。


成功だ。


……そう言えば、おっさんが俺の呪いを解く時に長文言ってたけどアレは詠唱省略しないとああなるらしい……


因みに呪いを解く時の詠唱はどんな呪いでも一緒って言うね、楽なんだよ。


「…もっと短くても大丈夫そうですね。」


「そうですか?」


「はい。次はもっと短くしてみましょう。」


ガードラ様は笑顔で俺にそう言ってきた。

褒められるとやっぱり嬉しいよね?


「はい!!」


「では、先を急ぎましょう。」


ガードラ様はまた前を向い向くと更にダンジョンの奥まで歩き始めた。


今のところは一本道の細い洞穴になっている。


暫く歩いていると奥の方から微かに、はしゃいでいる子供の声が聞こえてきた。



「ガードラ様!」


「ええ、聞こえました。無事の様ですね。………ただ……」


立ち止まったガードラ様の前を見ると道が初めて二つに分かれていた。



「………どっちでしょうかね?」


「…この道は左手に進むとダンジョンの二階へ行く道です。右手は行き止まりで少し広いフロアの様になっています。」


ガードラ様がダンジョンの説明をしてくれる。……子供の事だから左じゃね?ごっこ遊びとかしてそう……


「………【魔力感知】」


ガードラ様が目を閉じそう呟き暫く待っていると


「……こっちです、付いてきなさい」


「はい。」


迷わず右手の道に進んで行った。


暫く歩くとバスケットコート位の広さの部屋に出た。

其処には木の棒を持ってチャンバラをしている二人の男の子がいた。


二人はこちらに気づくと


「あーー!!ガードラ様だー!!」

「ほんとだー!!」


テケテケ走りながらガードラ様の方へ走る子供の姿はとても可愛らしく思えた。


「リサちゃんに、ルサちゃん……ダメですよ、こんな所に来ては、お母さんが心配してますよ、さあ、帰りましょう。」


「「はぁーーい!!」」


リサちゃんに…ルサちゃん?女の子だったんだ……


俺は少し恥ずかしくなったがまあ、忘れる事にする。だって、髪が短髪なんだもん!間違えるわ!!


「さあ、ディラも行きますよ。」


「あ、はい!!」


既に二人と手を繋ぎ帰っているガードラ様を俺は追いかけた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




魔物も出る事なく、無事にダンジョンから出た俺たちはダンジョンの入り口で立ち止まった。


「ディラ、この子達にも念の為【呪解】を掛けてあげなさい。…そうですね、今回は名称を唱えるだけで良いです。」


「はい、分かりました!」


俺は集中する、


「…【呪解】」


リサちゃんとルサちゃんに緑の光が一瞬覆った。


「素晴らしいですね!この短さでも大丈夫だとは!これならば『特級神官』も夢ではなさそうですね。」


特級神官ってのは階級的には聖神官と同じなんだけど、政治に口を出すとか、なんだろ、教会を操る事は出来ない的な?かなり高い階級で、天才的な奴じゃないとなれない役職だ……



え?俺天才?


まじか!


「本当ですか!?」


「ええ、そうですね、今度行われる、“聖神会”に参加しましょうかね、手続きを後で私がしておきましょう…」


「ありがとうございます!!」


聖神会…まあ、神官の人達が実力を競い合う大会だよ、天下◯武闘会的な?


「では、行きましょうか、」


「はい!」


ポケーとしていたルサとリサを引っ張る様に俺たちは村へ戻って行った。






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