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ー閑話ー 『悪魔界-《色欲》』

ギャグコメディ的展開……

おっさんが現れてから俺は、おっさんに今までの事を話し終え、向こうの世界ではどうなっているのか聞いた。


「………ふむ、一つ言っておきたい、バンシィはこちらの世界で一年以上過ごしたと言っておったな?間違いないかの?」


「一体何を間違える?ダルクだって太陽が昇って沈む事の回数くらい数えられるぞ。」


てっきり俺が日にちも数えられない馬鹿だとでも、思われたのかと思ったが、おっさんの反応を見るにそうではないらしい。


「実はな、バンシィよ。元の世界ではお前が消えてまだ、22日しか経っておらんのじゃ。」


「………どう言う事だ?」


「おそらく、此方と元の世界では時間の流れが違うのじゃろう。此方の一年は、向こうの22日と言う非常に大きな時間のズレじゃ……成る程、基本的に寿命のない悪魔が強い理由がわかった気がするの。」


おっさんはいつも、別々の事を同時に考えている為、会話をしていても急に自分の世界に入り込んでしまう事がある。そう言うときは大体おっさんの話が長くなる。

なんかもう、おっさんはこの数分の間で、長年の謎を一つ解決した様だ。


「おっさん、俺はあと4体の邪神を倒さねぇといけないんだが、何かいい手はないか?」


「ふむ、悪魔を呼び寄せたいのなら、その悪魔に合った呼び寄せ方があるが……正直当てにはならんぞ。」


ほぅ、流石はおっさん。悪魔の呼び寄せ方なんて知っているのか……だったらとっととやって、邪神を討伐してしまいたい。


「構わん。やってしまえ。」


「………仕方ないの……先ずは一番簡単な『色欲』の悪魔を召喚するぞ。」


へー、色欲の悪魔が一番召喚しやすいんだー。……どうでも良い。


「『欲するは色。色を求め、色を欲する。』」


おっさんが魔法陣を展開し、空気中の魔力が魔法陣に吸い込まれ使用される。

魔法陣は光り輝きやがて中心にその光は収束を始める。


「『顕れよ『邪神イビルゴット色欲ルスト』我は色を宿し者なり。』」


最後の詠唱と同時に魔法陣は強く発光し目を眩ませた。


「………おや、おやおや………なんだかご指名を受けたと思ったら……三人ね……貴方達はナニ・・がお望みかしら?」


聞こえたのは女の声。その女は声に、何らかの効果を発揮する魔力を乗せて、俺たちに語りかけてくる。

魔力を感じ取り、分析するがよく分からない。


「うわ……」


目を開き、その声の主を映した。

艶やかな白い肌、曲線美とでも言うのだろうか全身そのものが『美』。細く美しい脚と腕それに見合うサイズのふっくらとした胸。何だろう……多分『勇者』ナガトなら恐らくこう言うだろう………


全身から滲み出るエロス。とな。


これはもう……凄いな、絶世の美女?いや、女神とでも言っても良いかもしれない。これは確実に男を落としにきている。

ホモでも無い限り、男なら確実に惚れてしまうだろう。それ程の美女だ。コイツは………


俺はなんとも思わないが。


美女だと思う感情はあるが、それ以上は何の感情も湧かない。不死身ではなかった時の俺ならば、確実に惚れていただろうが……今の俺にはその手の物には全く動じない。

というかもう俺、性別無いし……


「ふむ……成る程、流石は『色欲』の邪神。服すら着ておらんとはな………」


そう……そうなんだよ………俺は先程『滲み出るエロス』と表現した……だが違うな……正しくは、『ただの露出狂』だった………


滲み出るエロスと言うか、もろ・・エロスだな。


「ウフフフ……私の美貌には、着飾るモノなんて必要ないのよ!」


成る程、頭もおかしいのか。これは酷いな。


「よしおっさん。目に毒だ。とっとと殺そう。」


こんな服も着てない悪魔が現れるなんて聞いてないぞ……おっさん……とんでもないのを呼びやがったな……


殺害宣言はしたので魔力樹を、フォルテも砕く巨大ハンマーに変形させ、片手でブンブン振り回す。


「危なっ!バッ……バンシィ!?危ないっ!ちょっ……まっ!ギャッ!」


おっと……調子に乗り過ぎておっさんの方にぶつけてしまった………うっかりしていた。


「おっと、すまんすまん。」


「わざとじゃろ!?絶対わざとじゃろ!?」


失礼な、おっさんはいつも、俺が何かをやった時はそうやって疑いやがる………わざとで味方を攻撃するわけ無いだろ……全く………まぁ、わざとだが。


「なんじゃ……そう言うプレイが好みか……また変わっておるの……」


素っ裸で悠長に構える『色欲』の邪神に話を割られ、切り替える。おっさんから巨大ハンマーを返してもらい、今度はちゃんと肩に担ぐ。


「いや、俺はお前を殺す為に呼んだだけだ。」


「ほぅ……成る程、でもそう言っていた男どもは、みんな私の美貌の虜になってきたわよ。」


……それ、ただお前が裸だから欲情したって訳じゃ無いよな?信じるぞ……欲情ではなく、美貌で虜になったって、信じるからな!


「そうか……」


「ウフフ……いつまで威勢が良いかしらね。『美の虜ビューティ・キャッチ』!」


『色欲』の邪神から放たれた不可解な魔力の波動。それを体全体に受けたが、俺の身体は何の異変もない。………一体何だ?


「「……?」」


この何ともないもどかしさを、どうにか解説してもらおうと、おっさんの方に視線を向けるが……おっさんもおっさんで何が起こったのか余り理解出来ていないようだ。


「…………あら?『美の虜ビューティ・キャッチ』!!」


再び先ほどと同じまりの波動を受ける………しかし、何も起こらない。


「……なぁ、おい。」


「……うむ。『色欲』の邪神。大したことないの……」


「な………何で………性欲のある生物なら、耐性を無視して支配できるSSSクラスのスキルなのに!!……『美の虜ビューティ・キャッチ』!!『美の虜ビューティ・キャッチ』!!」


ああ……成る程、つまり……そう言うことか………


おっさんにアイコンタクトを取り、俺がハンマーを持ち上げ邪神に一気に接近する。

俺が突っ込み、おっさんが援護する。何だかんだで、おっさんは合わせてくれる良い奴だ。背中を任せられる信頼がドラグなんかよりも厚い。


だから俺は空へと飛び上がった。


このハンマーは相手を殴り倒すのではなく、叩き潰す為のものだ。だから振るう力は全力で、叩きつけてやる。それ故に大きな隙が生じるが、おっさんならば確実に援護してくれる!腐っても『相棒』って奴だッ!!


「破滅魔法。『魔力拘束パースティル』!」


おい待て、それ呪いじゃねーかよ!援護でも何でもないわ!殺しに掛かってんじゃねーかよ!

………おい待て!俺がハンマーで叩き潰すんだよ!!何故お前がハンマーを構えている!?おいっ!オイィィィィィィィィィ!!!


「ふざけるナァァ!」


叫んだが、時すでに遅し……おっさんはハンマーを振りかぶり、魔力を封じられ完全に気絶する『色欲』の邪神を、叩き潰した。


「うぉぉぉぉぉぉ!!!アムリタァァァァァァァァ!!!!」


「あっ!ちょっ……バンシィ待っ……ぎゃゃァァァァァァァァ!!!!」



紅い二つの月が大地を照らす、『悪魔界デモンワールド』は今日も平和でした。


ども、無課金勢のほねつきです。最近FとGOがつくアプリで三万課金してガチャ爆しました。(大嘘)


さて、皆さま確実に忘れ去られているだろう?魔法。『魔力拘束パースティル』……この魔法、ー第1章ーの『お勉強と修行編』、ー第4話ー『世界の中心で……』で登場し、おっさんとバンシィが戦った際に、おっさんが悪足掻きで放った呪いの魔法です。ディラにも効いちゃう最強候補の魔法で、対象の魔力を完全に使用不能とするチート魔法です。


んで、『色欲』の邪神ですが……本来なら強いんです。間違いなく。他の邪神と対等に戦える程に……ただ、相手が悪かった……本来なら『美の虜』は絶対に効くチートスキルの一つなんですよ………流石の『色欲』も、性別無しには為すこと無しってことです。


さぁ、あまり説明し過ぎると、話の中で書けやとか言われそうなのでここまでにします。

正直、この閑話ギャグなのかシリアスなのか……そもそもこの話はファンタジーなのか……?

ファンタジーとは?(哲学)


哲学バカにしました、すみません。


では、また。

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