ー第1話ー 『魔力と魔法』
俺はゴツゴツした岩山の天辺に降ろされた。
「さて、バンシィ。お前にはこの俺が今日からみっちり色々なことを教えてやろう。」
俺はお願いしてない。
もう一回言おう。
俺はお願いしてない。
「まず初めにここの大陸は、小さい。お前がいた大陸の半分以下だ。」
「へー」
もう良い、俺は知らん……
「この大陸には3400の天龍族が住んでいてな。全員常に一人で生きておるから、自由なのだ。」
それ『族』って言うの?てか自由ってなによ…それもう何か俺のイメージ的に只の無法地帯の間違いじゃ無いの?
「へー」
「じゃあ何故俺が『族王』なのかと言うとだな…この大陸で俺が一番強いからだ!ギャハハハハ!!!」
「へー」
もう、うん、で?って言ってやりたい……正直、だから何だよって言いたいわ……
「言っておくが、この大陸にも魔物はおるからな! そこは全世界共通だ!」
こいつ、ころころ話が変わるからなにが言いたいのか分かんねえよ……
「さて、これからお前にやって貰う事を説明しよう。因みにこれは早くて7ヶ月のメニューだ!!」
そう言ってドラグはすっごい強そうなツメで地面をカリカリし始めた。
うん、シュールだ…
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地面に日本語でメニューを描き終えたドラグは上機嫌に話し始めた
「先ずは一つ目!!知識の強化。……やる事は簡単だ。この俺がお前に勉強を教えるだけだ!!これは、昼前にやる!」
随分計画的なことで……
「昼飯後は剣などの武器を扱う特訓と魔法の勉強、そして実戦!その後は夜飯を食べ魔力を練る練習と筋トレだ!!」
「待て!!メニューが多く無いか!?」
「さて、早速始めようか、まだ昼飯前だから勉強な。」
「おい!!俺の意見はスルーか!!」
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結局最後まで無視されて、この世界の常識という物を詰め込まされた………
何かね、この世界の一年は455日で、1ヶ月35日の一週間は7日だってさ。あ?これ位は聞いてたよ……
あと、何だっけな……俺がいるこの大陸側は裏世界と呼ばれていて人間と魔族が住む場所とは反対の場所らしい。
で、どうして裏世界って呼ばれているかって言うと向こうとこっちには『死海』って呼ばれる大きな穴で区切られているんだってよ
向こうからもこっちからも死海には空を飛んで行かないと行けないらしい。船だとその穴に落ちて死ぬらしい。
で、この裏世界の方は大陸って呼ばれる位大きな島はこの天龍大陸と俺がいた名も無き大陸しか無いんだってさ。他は小さな島が点々としてるらしい。
で、向こうの話をすると向こうは14の大陸に別れていてその内の二つの大陸は浮遊していて悪魔大陸と天使大陸って言うらしい。
そこには誰も近づけないんだってよ。
んで、他の12の大陸は9個の大陸が魔族の領土で、二つが人間の領土で、もう一つはエルフの大陸らしい。
魔族えげつないな……
それでね、その人間の大陸の一つに三つの王国があってそこが協力して魔族と戦ってるらしい。
それで、もう一つの大陸の方はバラギル帝国って言って十年くらい前にこの天龍大陸に攻めて来たことがあるんだってさ。
その時はドラグが無双して全滅させたらしいよ。そのお陰で『英雄』って称号が手に入ったんだってさ。
そのバラギル帝国は魔族の領土からかなり遠いから魔族と戦ってないんだってさ。
てかさ、向こうとこっちじゃ大陸の数がおかしいと思うんだけど……ここの世界の形って球体じゃなくてマッシュルーム型じゃね?
因みにこの世界にもダンジョンがあるらしいんだけどわざわざ入る馬鹿はいないんだって
ああ!あと、魔物は全世界何処にでも出るんだけど向こうとこっちじゃ強さが全然違うんだってさ。
圧倒的にこっちの方が強いらしい。
まあ、そんな事はどうでも良いな。………よし、焼けた。
ん?何やってんだって?肉焼いてんだよ。超分厚い肉をな……
いや、昼飯でドラグが生の肉を持ってきて食えって言うんだよ。流石に無理だから焼いてんだよ。
ん?お前腹減らねえだろ?ってか?減らんよ、たださ、気持ちの問題だよ。
なんか無性に食べたくなったからな…
「旨そうだな。一口貰うぞ。」
ドラグが突然背後から声をかけ俺の許可無しで焼き立ての肉を食べやがった!!
「おい!!ざけんな!!」
「ギャハハハ!!!スマねえ!!」
ざけんな!!氏ね!!デ◯ビーム!!
……あ、出た………
「では、バンシィ、貴様の魔力操作の訓練を臨時で始める。」
「うーい。」
さっきデ◯ビーム撃ったじゃん、あれのせいでドラグが俺が魔力をしっかり操作できてないってとられて、メニューが追加された。
「では先ずは、己に流れる魔力を感じるのだ。」
「は?」
何言ってんだよ…ど初っ端からそれかよ。説明しろよ……
「分からんか? ………では、目を瞑り身体の中の動くものを感じるのだ。」
だから分かんねぇよ!!
「良いかバンシィ、全ての生き物には魔力が流れている。それを感じるか感じないかで魔力を扱う事は大分違ってくるのだ…」
「へー」
わっかんねぇよ!!
「……うーむ…まあいいこれはまた今度で良いわ…違うのやるぞ!!」
突然!?
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「良いか?魔法と言うのはだな………」
魔法は種族によって呼び方と細かい能力が違う。
人間なら聖神魔法、魔族なら破滅魔法、エルフなら精霊魔法、天龍族なら天龍魔法って呼び名らしい……
それで、俺が持ってる創造魔法ってのは誰が手に入れるか分からない超激レアな能力なんだってよ。
さっき言った創造魔法以外の魔法は効果とかは一緒だけど、民族上の問題で呼び方が違って何故か聖神魔法なら防御系魔法が強くて、破滅魔法なら攻撃系の魔法が強く、精霊魔法なら補助系の魔法が得意になり天龍魔法なら全体的に強い器用貧乏らしい……
それで、創造魔法は己が想像したありとあらゆるものを無から具現化させたり存在するものに手を加える事が出来る特殊な魔法らしい……
これは俺、強いわ……
因みに獣人って種族は魔法が使えない代わりに身体能力が通常の3倍らしいよ
赤い◯彗星やな…
あと、魔物も魔法を使うけどあれはただの真似事にしか過ぎないんだってよ。
「………と、言うことだ分かったよな?」
「わかった、わかった。」
「よし!!ならば次だ!!」
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俺はひたすら剣を振るう。
「おい!バンシィ!!腕に力が入っていないぞ!!」
特に何も言われることなく剣を振れと言われ俺は振り続けている。
「よし!!次はこうだ!!」
ドラグは突然俺とそっくりに変化し俺から鉄の剣をひったくり剣を振る。
そして、俺に剣を返すと「やれ」と言う一言で俺はそれを真似する。
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「良いか?次は弓だ!!………こうして…こうだ!!わかったな?」
「ああ!」
1時間位剣を振りまくると次ぎは弓の使い方を教えられる
「次ぎは盾だ!!」
「ああ!!」
「次ぎは、双剣だ!!」
「おお!!」
「次ぎは斧!!」
「ムリ!!」
「次ぎは演舞!!」
「………」
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し、死ぬ………
俺は小さな洞窟の中でベットを作製しその上に寝転がった。
あいつえげつない位スパルタだよ……何だよダッシュ50の後は木登り50回ってよ……
ふざけん………な…………よ…………
そのまま俺は眠ってしまった。
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少し遡り大魔王は……
「ウハハハハハハ!!!シャン良いぞ!!もっと進めぇー!!!」
(イエッサー!!)
海を満喫していた?