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ー第5話ー 『自由人』


だはぁ…よく寝たわ…


布団は良いねぇ…リ◯ンの生み出した文化の極みだよ。


おっさん?ああ、ソファで寝てるよ。


さて、俺は寝癖が凄いことになっているので、朝シャンをしたいと思う。












……おい!ゴラ!!ジジィィ!!!




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ふう…サッパリしたぁ…ん?大魔王?外で天日干しにでもされてるんじゃ無いかな?


兎に角俺は魔法でタオルを創り出し身体を拭き魔法でローブ姿に変身する。


俺は靴を履きドアを勢いよく開ける。


一瞬目の前が眩しく目を閉じてしまったが直ぐに慣れる。気持ちの良いくらい快晴だった。


「…はぁ!空気が良いねぇ…」


「そうじゃの……」


声のした方を横目で見ると物干し竿に干された大魔王がいた。

勇者とかいたら唖然とするだろうな……


俺はおっさんを物干し竿から解放してやるとおっさんはまた、調子に乗り出した。


「バンシィよ!!今日は海に行くぞ!!」


おっさんは一人で拳を上げる。


……んー、ここって、山の頂上だからさ、凄い周りが木だらけなのよね。


そうだ、階段を創ろう!!



俺はおっさんを無視して家のドアの鍵を閉めそこから真っ直ぐ歩き山が斜めになった所で魔法を発動する。


イメージは石の階段ね。


俺は手を前にかざしゆっくりと斜面を下っていく。それと同時に魔法が発動し木や石や地面が綺麗な石の階段に変わっていく。


俺はその階段を下りながら階段を創ってゆく。大魔王?だれそれ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ふう…5時間くらい山、降りてた気がする……すげえな…俺、全然疲れねえわ……



俺は振り返り創ってきた石の階段を見上げる。


上が見えねぇ……


んー何か、足りんなぁ……


そうだ!!門を創ろう!!


俺は早速横に生えている木に触れ扉をイメージする。





はい、出来た。


見た目はアレだ、神社とかにある、木で出来た門だね。


ふむ、我ながら良い出来だ…


ただ、アレだ…この門、回ったら通らなくて良いってヤツだからアレだな……


あれこれ、門必要なくね。



「……のう、バンシィよ。海に行かんか?」


まあ良いや、おっさんが泣きそうになってるから海に行くか……


「よい、行くぞ!」


「おお!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



三時間、真っ直ぐただひたすらに歩いた……クッソ……転移魔法が欲しい……


目の前は青い海、透き通る位綺麗な海が広がっていた。


「うひょぉぉ!!」


おっさんが黒いコートを脱ぎ捨て青と白の縞々パンツで海に飛び込んだ。


すげぇ……10メートル位一気に飛んで行ったよ……


バシャーンと大きな水飛沫が上がる。

だが、水飛沫はなくなる事が無かった。


「たっ!!助けてくれぇ!!バンシィ!!」


溺れてる!!溺れてるよ!大魔王が!!


俺は慌てて海に飛び込みクロールでおっさんの所まで向かう。

おっさんは物凄く手足をバタバタさせ頑張って水面から顔を出していた。


どうやって、助けようか迷っていると向こうの方からこちらに近づく生き物が見えた。


その生き物は水面から一回飛び出す。


見えたぞ……イルカだ……絶対イルカだった……


そのイルカらしき生き物は俺たちの足元近くを泳ぐと水面に顔を出してきた。


イルカだ…もろ、顔イルカだよ……


(ニンゲン、困っているようだね。ボクが助けてあげよう。)


頭の中でそんな声が聞こえる。魔族の言葉では無く日本語で……てか、此奴、直接脳内に!!


イルカは溺れるおっさんを鼻ですくい上げ自らの背中に乗せた。すげぇ…甲羅みたいだった……


イルカは岸の方まで気絶したおっさんを運ぶと砂に投げ飛ばした。


俺も泳いで岸に上がりおっさんの腹を押して……何だっけ、胸骨圧迫か、それやる。


4回位やったらおっさんはゲホゲホしながら復活した。


「……身体回復」


おっさんが呟くとおっさんが緑の光に包まれた。


その光が消えるとおっさんは立ち上がりイルカに話し掛けた。


「ありがとう、助かった。」



イルカは顔をニコニコさせる。


(所で君はオーバーヘッドの奴を手下にしたヤツだよね?)


また、直接脳内に声が聞こえる。

オーバーヘッド?……ああ、ダルクの事か……


「そうだが?」


(だよね。じゃあさ、ボクも君の手下にしてくれないかな?)


ほう……いきなりか……フッフッフッ……


「良いだろう!!このバンシィ様の部下にしてやろう!!貴様の名前は何だ!?」


そう言うとおっさんが変な顔をして俺の方を見てきた


(ボクかい?ボクは、オーバーターライプって種類だよ。)


うん、どうせ名前ないと思ったよ。ざんねーん今回はもう決めてあるのだ!


「では、お前の名前はシャンだ!!よろしく頼むぞ!!」


理由?シャンプー、わかった?


(シャンね。わかったよ!!ありがとう!!)


「………のう、バンシィよ、そなた、えげつないな……」


何がだよ……


(じゃあ、ボクは戻るから、用がある時は呼んでね。)


そう言ってシャンが海に潜ろうとすると


「待つのだ!シャンよ!!」


おっさんが突然呼び止める。

シャンがおっさんの方を見る。


「…我はティー・ターン、アムリタだ。よろしく頼む、いきなりで悪いのだが、そなたの、その背中に乗せては貰えんかの?……我は恥ずかしながらカナヅチなのじゃ……」


なのに、海に飛び込んだんだ………


シャンはニコニコしながらおっさんに背を向け乗るような仕草をするとおっさんはそれにまたがりシャンとおっさんは水面を泳ぎ始めた。


「バンシィよ!!我は転移で帰るで、おぬしは先に帰っていると良いぞ!!もう直ぐ日が暮れるぞ!」


クッソ……転移死ね。


「わかったよ!!先に帰ってるからな!!」


「おおう!!」


俺は振り返り森に足を運ぶ


……またこの道歩かないといかんのか…………


そうだ、ダルクを呼ぼう!!


「ダァァァルク!!!!!」






………………






「出でよ!!ダルク!!」






そう唱えると俺の目の前に大きな黄色の魔法陣が浮かび上がりダルクがその中から現れた。




(お呼びですね、バンシィ様!!)






あらぁ……呼べちゃったよ…………








………



なんだ?なんか言えって?

寝起きの人間にそんなこと言うか?


俺は昨日、ダルクを呼び出し門の所まで送って貰って、そっからベータ呼び出して、ジャンプで家まで送って貰って、風呂入って寝たわ。

真っ暗だったしな。そんでもってどうやって入ったかは知らんが、おっさんはソファで寝てたし。






まあ、いいやとりあえずおっさんを起こしに行こう。



部屋を出ると目の前にはおっさんが立っていた。


「おお!バンシィよ!起きたのか!今起こそうと思っていたのだよ。」


なんだよ……


「まあ良い、話が早よなった。バンシィよ!外へ出かけようぞ!!」


「……そのつもりだ。」


あったりまえだろ、テレビも無えしやること無えし。







外へ出ると突然黒い影で視界が覆われた。


「3日ぶりだな!バンシィ!!」


空から現れたのはドラグだった

此奴、3日に一度しかこねぇのかよ……どうせ今日もウルト◯マンだろ……


「よう!」


「な!ドラグ!!貴様!まだ生きていたのか!?」


おっさんが慌てて俺の前に出る。


「当たり前だ。俺は誇り高き天龍族だぞ…『魔王・・』、久しいな。」


「何を言っている?『族王』よ、我は『魔王』のような貧弱なものではない、我は『大魔王』だぞ?……それとも、『族王』の力は衰えたのか?」


おっさんとドラグの間に火花が見える。いや、見えないけど。


「フハハハ!!何を言うか!俺が衰えるわけなかろう!分かっておるわ!お前の能力など!!」


「ほう……そうか…………」


ふふふ……と笑いあう二人いや、一人と一匹。正直、青年同士ならほのぼのな光景だけどおっさんと年期の入った黒龍じゃな………



「まあ良い、久しいな、アムリタ!!300年ぶりか?」


「そうだな、ドラグよ、して、何をしに来た?」


「おお!そうだった。忘れるところだった!バンシィ!!お前は常識と能力が足りない!俺の大陸に来い!!修行と勉強だ!!」


「は!?」


待て!!何故俺が勉強をせねばならんのだ!!字は書けるぞ!計算も出来るぞ!!暗算3級だぞ!!珠算3級だぞ!!これ以上何を学べと言うのだ!?


「おお!!良かったではないか!バンシィよ!此奴は性格は悪いが文武共に長けておっての、色々教えてもらうと良い!」


おいコラ!何言ってんだよ!!てめぇは俺の味方じゃねえのかよ!!


「そうかでは、アムリタ!俺はバンシィを連れて行くからな!また会おうぞ!!」


「おお!良いだろう!バンシィよ!シャンは頼むで呼び出すことはせんように頼むぞ!」


「は!?」


おい!俺の意見は!?


「では!行くぞバンシィ!!」


「ほわぁ!?」


俺は頭を掴まれドラグに連れて行かれた…………



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



快適じゃない空の旅を続ける事20分……

もう20分位掴まれてくると色々慣れて来たわ………


「おい!バンシィ!!見えたぞ!!アレが俺達天龍族の大陸!天龍大陸だ!!」


「そのまんまかよ!!捻りはないのかよ!!」


つまんねえよ!!20分かけてこれかよ!!ふざけんなよ!!



結構遠くに見える俺がいた大陸とは違い緑が少ない、岩?崖?が剥き出しの大陸がそこには見えた。


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