幼なじみとの遭遇
前回より読むページを長くしてみました。
短くて読みやすかったと思ってた人には、
いきなり長くなってめんどくさくなりましたが、どうか読んでください。
これからもお願いします。
時刻は午前6時頃。
気持ちよく眠る俺に人間アラームが忍び寄る...
「アリトさーん。起きてくださーい朝ですよー」
....眠い
「起きないんなら毛布剥がしちゃいますよー」
すまん...今回は眠たいため無視させてもらお....
がばっ。ホリンは宣言した通りに俺の毛布を剥ぎ取った。
「さっむ!」
毛布を剥ぎ取られた俺は、ダンゴムシのように丸くなる。
「おはよーございまーす」
「...おはよう」
「早く顔洗っちゃって下さいね。かっこいい顔が台無しですよ?」
「えっ...かっこいい?」
「気にしないでください、お世辞です」
ホリンはそっけない態度で俺に返したあと、部屋から出ていった。
説明が遅れたが、ここは俺が町役場で見つけた借家。
昨夜、長ーーーい道のりを終え、
ここについた俺達は夜ご飯を食べ(まだ買い物には行ってないのでほとんどレトルトだったが)、自分の部屋を決め、
幸い部屋に一つずつあったベットにバタンキューと言うわけだ。
俺は顔を洗い、リビングのイスに腰掛ける。
昨日放り投げたバックから
インスタントのコーヒーとカセットコンロを取りだし、お湯を沸かす。
今さらだが、この世界の道具のほとんどは全て魔力で動いているので
ほぼ無限に使い続けられるのだ。
そうこうしているうちにお湯が沸いたので、
バックからカップを二個取りだし、一つだけコーヒーを注ぐ。
ホリンのカップにはコーヒーの元を入れといて蓋を被せといた。
ちなみにその本人はと言うと、
「すいませーん!こっち来てくれますか?」
洗濯機の方から声がしたので向かうとホリンはいた。
「どうした?」
「これどうやって使うんですか?」
「.....。」
どうやらホリンは洗濯機の使い方を知らないらしい。
服は入れてあったので俺がボタンを押してやる。
ピッ
起動音と共に洗濯機が動き始める。
「おおー...魔法?」
「このスイッチを押しただけだ」
「なるほどー」
俺は用が済んだので改めてリビングに向かう。
椅子に座り、先ほどのコーヒーを飲む。
「苦いな...」
砂糖がないから当たり前だが、コーヒーは苦かった。
「何飲んでるんですか?」
リビングに来たホリンが俺のとなりに座る。
「大人の飲み物」
そう言いながら先ほどのホリンのカップからコーヒーの元を戻した。
「何で戻すんです?」
「お子ちゃまだから」
「そんなことありません!」
ホリンは戻したコーヒーの元をカップにたくさん移し、お湯を注いでから...
ごくっ...
コーヒーを飲んだ瞬間ホリンの顔が青ざめる。
そりゃそうさ、俺だってあんなに苦そうなの飲んだこと無いもん・・・
「.....うげぇー」
「な、無理だったろ?」
ホリンはまだコーヒーがまだたっぷりと
残っているカップを俺に返してきた。
俺はカップを受けとると、台所の流しに捨てる。もったいない...。
「さて、今日は買い物に行くぞ、準備してけよ」
「買い物ですか?」
「おう」
俺達は支度を終えて町の市場へ向かった。
市場には色々な物が売っていて、
俺達は食料を買い終え、生活用品を買いに行くところだった。
まず市場の中らへんにあったデカい店
(確かアルペンとか言ったかな)に入っていった。
店の中にはフライパンやら鍋やら包丁などの調理器具や、
自分を着飾るための服、
はたまた料理をするための材料などが置いてあった。
「ここで買うものは全部揃いそうだな」
「まず何を買.....うわあぁ」
ホリンは俺に何を買うかの確認をしている途中に
店の中の洋服売り場に走っていった。
「かわいいー」
ホリンは色々なかわいい服を手に取り、目を輝かせている。
俺はやっと洋服売り場に付き、ホリンを見つける。
ホリンは服を5、6着持っていた。
ちなみに全て黒か白のワンピースである。
俺は買い物カゴを持ってきてホリンの服を入れてやる。
ホリンはワンピース以外に興味はないらしく、
これ以上は増えなかったが、
もうひとつだけ気になったワンピースを見つけ、走って行ってしまった。
俺は歩いてホリンのもとに着くと・・・
「私が見つけたんです!」
「私が先でした!」
なにやら他の客とワンピースを取り合っているようだ、
「これはわたしが見つけたんです!」
「何でよ!私が先よ!」
「おいおい、店の中で暴れんなよ」
俺はホリンの腕を弾いて、もう一人の客にワンピースを譲ってやる。
「あ、どうも......ってアリト?」
「え?そう...ですが?」
「やっぱりそうかー!」
俺の見知らぬ客はそう叫んだ瞬間俺に抱き付いてきた。
抱き付かれた俺の体に女の人特有の2つのお山がくっついてくる。
やはり抱きつかれたらこうでなくっちゃ....
じゃなくて!
抱き付いてきた見知らぬ客を引き剥がした俺に
彼女は(なんで?)と言うような反応をする。
なんかどっかで見覚えのある体格に、
なんかどっかで見覚えのあるスレンダーな体。
またまたどこかで見たことのある幼げな顔.....って
「お前...ネルか?」
「ま..まさか気付かなかったとか言うんじゃないでしょうね」
正直に言います
気付きませんでした。
彼女は俺がアグルスに住んでいた時、隣の家に住んでいた幼なじみである。
「で、そこの女の子は誰?ロ・リ・ト・くん」
「誰がロリトだ!」
「明らかに女の子といるだけで、ロリコンでしょ?」
「この子は.....」
しまった。
なんて説明すればいいんだ?
(この子は自分の親、
特にお父さんがウザイらしくて家出してきたときに
転移に失敗して丘の上で休んでた俺に空から落ちてきた子だ。
名前はホリンっていうんだ)
なんて言えるかあぁぁ!
ああああ、なんて説明すればいいんだよ!
ネルへの説明を考えている俺をよそにホリンが口を開いた。
「アリトさんの奥さんです」
・・・今なんつった?
俺の奥さん?嫁ってこと?
アホーーーーーー!!!!
なんでそうなるんだよ!まだ会って3日しか経ってねぇだろ!
ネルは顔を赤らめて口をパクパクしている。おーい、誤解だぞー。
「あ...あんたなんてことしてんの!?
だってまだ7さいぐらいじゃない....」
「嘘に決まってんだろがぁ!!!」
俺の叫び声が店内に広がると同時に他の客がこちらを見てくる。
ネルは俺の耳を引っ張り小声でささやいた。
(ちょ、ちょっとアリト!
ここ店の中よ!私まで変な目でみられてるじゃない)
(お前が変な勘違いするからだろ!)
(お二人してどうしたんですか?)
(お前のせいだ!)(あなたのせいよ!)
俺とネルはホリンを小声で叱ったあと、
レジにて会計を済ませ、すぐさま食品売り場に向かった。
「ほんとやめてよねー」
ネルは先ほど俺が店内で叫んだ事をまだ寝に持っているらしく、不機嫌だ。
「悪かったよ」
「まぁそんなに怒ってる訳じゃないし、今回は見逃してあげる.....ただし」
「ただし?」
「今日の夜ご飯は私がつくってあげるわ!」
「・・・はぁ?!」
この時の俺はまだ知らなかった。
自分が女の子の料理を大嫌いになることを...
次の更新は10月の始めには出す予定です。
3月18日に改行しました