一文字違うだけ
俺とホリンは次の町に向かって森の中を歩いていた。
「あとどれくらいで付きますかね?」
「だいたい2日ぐらいじゃないか?」
「えー!そんなに!」
「そんなに驚く事じゃないだろ」
ホリンとたわいもない会話をしながらだいぶ歩いたが
まだまだ出口は見えない。長いなぁここ。
歩き始めて30分ぐらいした頃にホリンがいきなりしゃがみ始めた。
「どうした?具合でも悪いのか?」
「....おんぶ」
「えっ?」
「疲れた。おんぶ」
「はぁ!?」
「おんぶ!おんぶ!おんぶ!おんぶ!おんぶ!おんぶ!おんぶ!おんぶ!おんぶ!おんぶうぅぅぅ!!!」
「だあぁー!もうわかったよ!やってやりゃあいいんだろ!
やってやりゃあ!」
俺は膝を曲げ、ホリンが乗りやすい高さでおんぶの体勢に入る。
「やったーおんぶー!」
ふにゅん。
うおっ...女の子が所持するお山が・・・・ん?
「どうしたんですか?」
「いや...別に...」
無い。
女の子特有のダブルマウンテンが!無いだと!
少しは期待してた俺がバカなのか!?
だってこういう場面ならお約束だろーがぁ!!!
くそっ!神様のバカヤロオオオオォォォォォ!
こうして、俺はテンションが下がりつつも
ホリンをおんぶして森を進んで行く。
「おんぶのおーはおりこうのおー♪」
「・・・。」
「おんぶのんーは.....んーは.....んーは!....うえぇぇぇん」
「なぜ泣く!」
「だって...だって...思い付かないんだもん...」
「まぁそりゃ[ん]だからな」
「んーは...んーは!......んふふのんー♪」
「なんじゃそりゃ」
「おんぶのぶーは....ぶ....は.....」
「どうした?[ぶ]なんかたくさんあるぞ?」
「.....くぅー」
「寝ちゃったか...」
俺は眠ってしまったホリンを背負いながら森を歩く。
それにしても随分歩いたなぁ
「俺も少し休むかな」
ホリンを木の影におろし、バックから毛布取り出しを被せてやる。
「ふぅ....」
ホリンのとなりに座り、一息つく
目を閉じると、虫の鳴き声や草が揺れる音。
風の音が安らぎを与えてくれる。
森の良いところだな
リーン
お、虫が鳴いてるな。
ギリリリリン
こっちにもいたか、良いね。たまにはこうゆうのも。
ブーン
ハエか?まぁ今回は見逃してやろう。さっさと俺の前から消えろ
ブーンブーン
増えたか?ハエ共め、後でまとめて塵にしてやるからな。
ブーンブーンブーンブーン
あぁ!もう我慢の限界だ!
俺は目を開けた。
そこにはハエ?そんなんだったら屁でもないよ...
なんか黄色くて針があって女王様に甘ーい蜜を運んでくる....
ハチかよ!やべぇ、一文字違うとこんなに怖くなるんだね!
....ってそんな事言ってる場合じゃねぇよ!
俺はホリンをお姫様抱っこして(おんぶするひまがなかった)
その木から離れるが......
何で追いかけて来るんだろうね?
俺悪いこと一切してないよね!?
ホリンの時もそうだけど俺は悪くないかんな!!!
俺はハチの大軍から必死に逃げる。
嫌がらせか、やたらとこの森は根っこが多い気がする。
つまずいたらジ・エンド
俺の人生が終わる!
必死に逃げた。
がむしゃらに逃げた。
だがハチの大軍は全く動じない。
そんな時だった。
「ふわあぁぁ...」
「今起きんなよ!」
「あ、おはようございま.....キャアアアアアアアア!!!!!」
ホリンの叫び声が森中に響く。
だが、同時にハチの大軍が撤退していく。
なにはともあれよかった。
「大丈夫かホリ......」
べっちーん!
「いってええええええええ!!!!!!!」
ビンタ。
きょーれつなビンタだ。
「早く下ろしてください」
「だからって殴る必要ないだろ!」
「ビンタです」
「破壊力はおんなじなんだな!」
おぉ...おぉ...頬がヒリヒリするぜ...
「どう言うことか説明してもらいます」
俺はホリンに今起きた出来事を全て話した。
するとホリンは体を曲げ...
「すいませんでした!」
ホリンは深々とお辞儀をして、顔を赤く染めていた。
「いいよ、別に無事なら」
「ほんとにすいません!」
このあとホリンが泣き出すまで謝り続けた事は言うまでもあるまい。
「あれ、ここ出口か?」
幸いハチから逃げた時に道を進んでいたらしい。
何はともあれラッキーだ。
「それじゃあ行きましょう!」
こうして俺たち二人は次の町カリモレへと向かうのであった。
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3月18日に改行しました