終:魔女の呪いと銀色の王女
セラスヴァーノ王国は混乱を極めた。
十五年前に失踪した王子の帰還。一年前に失踪した王女の帰還。
狂った王の死と、それをもたらしたのが遠く離れた地の魔女であると言うこと。
隣国・ノズヴァーノとの外交問題と、問題は山積みだった。
それらがひとまずの収束を見せたのは実に一年半後――その収束に一役買ったのはリラメイア王女に他ならなかった。
シュリウス王子たちが本物の王子であることの証明。
ノズヴァーノとの外交も主に彼女とオルス王子が引き受けた。
魔女ランカレッチェについては、魔女フィーチェがすべてを償わせるとし、国としては何もなかった。ランカレッチェがなぜセラスヴァーノに手を出したのか、それもフィーチェの胸に収められた。母親である魔女からその地位を受け継いだ新たなアヴェカの魔女フィーチェは、かの魔女の命だけではなく、もっと大事なものを奪ったらしいが、それも人の知るところではないようだった。
ナリアル王子はセラスヴァーノが落ち着くと同時に国を出奔する。
幼い時分に城を出たため、王城での生活になれることができなかったとも、リラメイア王女により過酷を強いることになった原因のため兄に許されなかったとも言われた。
オルス王子はナリアル王子が出奔してよりさらに一年後――国が安定したのを見届けると、魔女の家に「帰った」。
つまりはそういうことだった。
シュリウス王子はセラスヴァーノ王国の国王となり、磐石な国づくりを目指した。彼は魔女の家で、セラスヴァーノの王城では見ることのできないほどの、あらゆる国のあらゆる書物に触れた。そこで得た知識を使い、よき王とはなにかを常に疑いながら、よく国を治めたという。
「リラメイア殿下」
「はい」
「……あなたの声を、こうして聞くことができることを、幸せだと思う。私を愚かだと笑いますか?」
「……ソルライン殿下が愚かなら、わたくしはもっと愚か者です」
「リラメイア」
「はい」
「……と、呼び捨てにしても、よろしいですか?」
「……リラと、呼んでください」
「私のことも、ソルと!」
「はい」
「……」
「……ソル」
「リラ」
「リラ。あなたの、過酷だった過去ですが、そのおかげで私はあなたに会うことができた。これからのあなたの未来……私の横で幸せになってほしいと思っています」
「……」
「リラメイア。私と結婚してくださいますか?」
「……喜んで、お受けいたします」
最後、だれてしまいました。
久しぶりに執筆し、楽しくも苦しい時間をすごしました。
一晩寝ずに書いたので眠いです。
ここまで読んでくださった方には感謝を。
ありがとうございます。




