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忘れられる側の人間

作者: dcgenjin
掲載日:2026/05/24

日本語を勉強している外国人です。日本人にも通じる文章を書けるようになりたいです。厳しいご批判でも歓迎します。

缶コーヒーが頬に当たって、ひやっとした。

「つめてぇな。なんなんだよ、お前!」

静香は俺の前に立ったまま、むっとした顔をする。

「なにが『なんなんだ』よ。せっかく優しくしてあげてるのに。」

「……別にいいんだよ。お前に優しくしてもらわなくても。つーか、なんで俺がここにいるってわかったんだ?」

静香は鼻で笑った。

「武ってさ、落ち込むといつもここの土手に来て、なんかふか〜いこと考えてるみたいな顔してぼーっとしてるじゃん。」

「……うるせえな。」

「大事な試合でやらかして負けたから落ち込んでるんだろうけどさ、武って頭いいんだろ? もう京大にも受かってるんだし。だったら、なんでたかが野球部の試合くらいでそんな落ち込んでんの? 別に負けたっていいじゃん。」

「お前にはわかんねえよ。」

俺は足元に転がっていた石を拾い、川へ放り投げた。

静香の顔が曇る。

「あっそ。じゃ、先に帰る。」

「……別に帰れなんて言ってねえよ。」

静香は呆れたようにため息をつき、俺の横に腰を下ろした。

「こんな町のことなんか気にせず、さっさと出ていけばいいじゃん。変に気ぃ使われるほうがきついって、わかってないの?」

「だってさ……未練とか残さずに出ていきたかったっていうか……」

そう言った瞬間、静香の顔がみるみる曇っていく。

「そういうのってさ……優しくないよ、武。」

また説教かよ、静香。

「お前さ、昔っからそうなんだよ! 人の気持ちがどうとかこうとかって。結局、他人が何考えてるかなんて、わかりっこねえだろ? だから、わかったようなこと言うなって!」

次の瞬間、乾いた音が響いた。

漫画みたいに平手打ちなんかされたこと、一度もなかった。

……めちゃくちゃ痛かった。

読んでくださってありがとうございます。

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