第3話:最底辺だった俺が、配信の力で弟に一矢報いる!?
――視聴者数、再び急上昇中。
俺の配信に“異変”が起きていた。
弟・シリウス・フェイド=アルカディアが、俺の配信と被る形で突如ライブ配信を始めたのだ。
しかもタイトルが最悪だった。
《最底辺ダンジョン《屑鉄の迷路》を初期装備で1時間で踏破してみたwww》
「……どんな嫌味だよ、それ」
しかも開幕コメントはこうだ。
『たまたま時間空いたから配信でもしよっかな〜(笑)』
偶然を装いながら、全力で潰しにきてる。
スタジオも完璧、衣装も整え、イケメンフェイスに爽やかスマイル。
俺と真逆の、圧倒的・勝ち組配信者だ。
【弟きたあああああ!】
【兄と比較する流れ最高www】
【兄、終わったな】
【これが本物ってやつか】
……ふざけんな。
「だがな、今回は違うんだよ」
俺には、応声剣がある。
そして──“俺を見てくれる視聴者”が、いる!
◇ ◇ ◇
舞台は第二層。
弟がかつて「秒殺した」と豪語した鉄装ゴーレムが俺の前に立ちはだかる。
「ここで負けたら、全部終わりだ……!」
配信スタート。
俺は迷いなく叫ぶ。
「視聴者のみんな、力を貸してくれ!!」
【ラグノスきた!】
【弟よりアツくない?】
【兄が弟に挑む展開アツすぎ】
【推すわ、兄貴】
そのとき、“名無しさん”から指示が飛ぶ。
【名無しさん:右脚の関節を狙え。そこが弱点だ】
そして、セレからも。
【セレ:初撃は威嚇。冷静にさばいて】
「ありがとう……!」
剣を構えた瞬間、熱気に呼応して刃が赤く輝く。
『応援シグナル感知、出力30%ブースト──斬撃補正発動』
俺の一撃が、ゴーレムの関節部に突き刺さる!
装甲が砕け、火花が舞う!
【やば!】
【ダメージ入ったぞ!?】
【応援で強化される剣とか最強すぎ】
【兄の方が面白いんだが……】
【弟より配信映えしてる】
◇ ◇ ◇
そして、ついに――異変が。
シリウスの配信に、こんなコメントが流れ始めた。
【兄の方、逆転あるんじゃね?】
【こっちの方がドラマある】
【弟ちょっと焦ってね?】
【兄の方に移動するわ】
視聴者が、俺の配信に“戻ってきて”いる。
弟・シリウスの顔が、ほんのわずかに引きつる。
「へぇ……成長したじゃん、兄さん」
そう言いながらも、彼の笑みは歪んでいた。
勝ち続けるだけだった天才が、初めて“焦り”を見せた瞬間だった。
◇ ◇ ◇
俺は画面越しに、口角を上げた。
「悪いな、シリウス。“今の俺”には最強の味方がついてんだ」
それは──“才能”でも“努力”でもない。
――視聴者の“声”だ。
コメントとスパチャ。
それこそが、俺の力。
「最底辺だった俺が……お前に、一矢報いたぞ」
この勝利を、配信で届けてやる。
読んでいただきありがとうございます!
まさかの弟との配信バトルが勃発しました。
完璧超人な弟に対して、最底辺配信者ラグノスが“視聴者の力”で一矢報いる展開、少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
次回、第4話ではさらに激しい展開と、「配信者」という職業ならではのギミックも登場予定!
よろしければ評価・ブックマーク・感想いただけると、作者のやる気ゲージが爆上がりします!
それでは、次回もお楽しみに!




