【注意:BL】①END-Zan
BLです!!BLですよ!!!BLですからね!!!!
墨←男。恋愛対象の相手も男です←これ以上の説明が必要ですか??
男女の恋愛ではありませんよ~~。
読後の苦情は受け付けておりません!!
ご理解いただける方のみ、ご覧ください♪
幼いころから裏の世界にいた。
生まれたすぐに、母の腕の中。すべての情報と共に、成長する感覚。
母は、昔から言っていた。
「裏を知り、そこで生きた者は。表では、生きられない。自由へと解放される日が、来るのだろうか。」
時間がかかったが、その時代は来た。
俺には、関係のない時代だったけど。それを見守ることが出来たのは、君と出逢ったから。
君との時間が、俺を変えてくれた。裏で生き続ける力。
裏を憎んだり、表を願ったりしたわけでもない。
それでも、光になったんだ。君の存在が。
「君が情報屋?くくっ。案外、簡単に行きつけるんだね。すべての情報を頂戴。ね、お金に糸目は付けないよ?」
目に入ったのは、綺麗な男の人。
切れ長の目は、真っ直ぐに。他の何をも何者をも、気にすることなく強い輝き。
耳に入る声の心地よさ。誰もが、彼に惹かれるだろう。そんな男の人。
彼のために、父は命も懸ける役目を受けた。俺は、そんな闇を望んだんだ。
二十数年後。
「っんでだよ!親父、俺を騙しやがったな!!」
「うるせぇ!遠矢は、俺の主だ!!てか、お前に任せるほうが主の身の危険じゃねえか。考えたら、わかるだろ?」
前任 墨。父から任務を継承した。
学園の裏を取りまとめる役員衆(7人)の内の一人だ。
しかし、大きな企業の未来を担う生徒を護るのも、役目の一つ。
「須藤家の影。俺たちの家系が、継いできた役目。何が不満だ?」
「不満だらけだ!!俺には、遠矢しか目に入らねぇ。」
「俺の主を呼びつけるな!!いいか、……」
「うるさい!!今、名前で呼びそうになったろ?親父、俺は現任の墨!命令すんじゃねえ!!」
俺は、自分の名を捨てた。
今度、それを手に入れるのは。役目を誰かに譲った後。生きていればの話。
「頭を冷やせ。幼き記憶は、忘れろ。特別な家系。手出しは、赦されない。」
「っ。けっ!!!!」
大上 遠矢。今。彼は結婚して、出逢った頃と同じ年の息子がいる。
父は、須藤家から外され。遠矢を主と認めなかった。
この裏世界は、学園の誰かを護る為にある。
父の願いは、違う形だけど。最高の主を見つけた。
幼い俺の脳裏に、影を落とし。30年の月日を縛り付けている。
大上家の呪いが移ったかのように。女に興味がない。
むしろ。遠矢の雰囲気に似た男に、心惹かれる。
手に入らない主。想い。裏で、生きることも苦痛ではない。
衆の枠を狙い、継承するのは役目。
主従関係を手に入れられると信じていたのに。親父め!!
年なんだから、遠矢も守れないくせに。
「墨に就任したんだって?お前、その眼。くくっ。相変わらずだね。」
「遠矢!!俺に抱かれに来たの?」
「俺は、美彩しか感じねぇ。何がいけなかったのかな?お前の父親か?」
親父は苦笑い。
「遠矢、今。幸せか?」
「あぁ!本家を黙らせるのに、学園の力を借りたけど。本当の自由は、いつ手に入るんだろうか?」
自由。それは、必要?
俺は、この想いに縛られていてもいい。解放されると、戸惑う。
行き場のない。陰の中。そこに、安堵して。
「墨。俺の子たちを護って欲しい。呪いが必ず、苦しめるだろう。ほんの少しの力を貸して欲しい。」
「らしくねぇ!!」
苛立ちに、その場を離れた。
遠矢は、独りで生きていく強さがあった。その眼。覚悟。俺の心を捕らえたのに。
弱い。誰かに頼ろうとするなんて!
畜生。女の所為か?
くだらない。遠矢の力があれば、弱さを俺に、いや!誰にも見せて欲しくない!!
木陰を抜け、裏道を通る。
そこに、人影。役員かな。高校生の好みな男の子。
あれ?母さんの後任。情報屋か。むふふ。美味しそう♪
【ゾクッ】
寒気と同時。
油断した。俺の首元に、ヒヤリと冷たい刃先。
「お仲間だろ?物騒じゃねぇ?」
殺気が保たれたままなので、話しかけた。
「手を出さないと、誓え。」
ふぅ~ん。良い声♪男だね。背の高さは、俺と同じぐらい。遠矢と近い♪
肘を素早く相手の腹部を狙って攻撃。軽く、かすった程度。
予想の範囲内。身体の方向を変え、間合いを詰める。
長い前髪。掴んで、顔を上に向かせる。
「ぐっ」
武器をもった利き手は、当然 押さえた。隠れていた目が、鋭い光を放つ。
くはぁ~~。俺好み♪♪
「ね?名前は?あの少年は、君の?ふふ。違うか。役員だよね。母さんの後任の武智 恵。現任の情報屋。君は。あぁ、思い出した。慧。くすくすくす。ふふ。闇の住人だ。悔しい?くくっ。俺、ちょっと機嫌が悪いんだよね。相手、してくれるかな?」
「好きに、すればいい。俺には。無力な俺に失う物はない。」
鋭かった瞳の輝きに、陰り。
違う。コイツじゃない。
「ふんっ。赦してやる。」
俺の手から解放されたサラサラの髪が、彼の両目を隠す。
「墨。前任の情報屋が、あなたの事を言っていました。光を見つけて欲しいと。」
「光?俺に?要らねぇ。俺は、もぐら。光に弱いのさ♪」
そんな出逢いも。俺を受け入れる。小さな光の一つ。慧。
光は、お前にも必要。俺とは違う。お前が、失ったと思った光は。生きているんだ。
それでも、俺達は闇で生まれ。育った。恵も闇の中を生きる。光を知らない学園の籠の中。
俺の好みを熟知したかのように、微妙な主。
顔はいいが、好みと異なる。性格もいいが。何かが俺を留める。
好きと言うより、虐めたい♪
そうか、こいつ。想いがあるんだ。何かが近い感情。
俺は、思ったより簡単に敬一を主と認めた。
そして巡り逢う。君と。
任務で、校内の見回りをしていた。
役目は役目。サボれる所は、どこでしょう♪お、好い感じの木陰。
【ドキッ。】
木にもたれ、眠る青年。
目を閉じているのに分かる。遠矢に近い整った顔。
男なのに、長い髪はサラサラ。風に揺れる。
心奪われた。いつものように、迫ることを戸惑う。拒絶を恐れた。
独りで生きてきたのに。失うかもしれない未来を、この時から知っていたかのように。
俺は、その場から逃げた。
そして、影から彼の姿を見守るようになる。ストーカーだ。
遠くから見るだけで、満足しようと決意していたのに。
寝ている君が零した涙。拭ってやりたいと思って。自然に俺を突き動かした。
頬に触れ、涙を拭い。何も知らない君に、愛しさが溢れ。拭った涙を口に運んだ。
「あなたは、誰?」
【ギクッ!!】
起きた気配に気が付かないほど、心奪われていた。
「忘れろ!通りすがりだ。」
「くすっ。座りませんか?」
笑った笑顔は、遠矢とは違った。
違う。俺の求めている存在じゃない。
「くくっ。俺に、喰われるか?」
嫌われれば、楽だろうか。そんな弱い自分に、嫌気がする。
「俺は、美味しそうかな?」
微笑んだまま、俺を見透かすような眼。
「食い気が失せた。寄れよ!俺は、サボりだ。共犯にしてやる。」
隣に並び、時間を過ごす。
何日も。ただ、何も話さずに。心許して闇に落ち。
失う時を恐れながら。残りの時間を常に意識しながら。それは、幸せだったのかな?
そんな日々に、転換点は来る。
「大切な、妹だよ。ずっと守ると約束したんだ。幸せなら良い。」
遠くから悲しげな主と友人、恵との会話を見守る。
主は、うすうす気づいている。恵が裏の情報屋だと。
俺の母親が、情報屋だったから存在を知っているんだ。どんな存在かも。学園の意図も。
「敬一。彼氏は、良くない噂だ。」
「見張りを一匹つけてる。」
「買収の話が出てる。いつ崩れるか分からない。」
「そうか。墨、いるか?」
恵の情報に、俺は在るんだ。当たり前か。くくっ。
「最初から、お前に頼めばよかった。聞いていた通りだ。行ってくれ。」
主の悲しそうな表情が、無理な笑顔を生み出す。
自分の力のなさ。それを痛感する。そして、男に嫉妬するなんて。
情報を手に入れていたが、主の命令は俺ではなく役員の下っ端に出されていた。
そんな程度なのだと、軽く見ていた。もっと、早く確認しておけば良かった。
後悔は、そうして後から波となって押し寄せる。
校舎に並んでいる高い木に登り、瑠依の彼氏のいる教室を覗いた。
そこに、彼の姿。
【ドクン】
心音が、頭に響く。
【どくっ。どくっ。】
恐れ?恐怖?不安?何だ、この感じたことのない感覚。
身体に感覚や神経が通っていないかのような。
【グラッ】
バランスを崩し、スローモーションのように体が落ちる。
肌の部分に、何度も痛みが通り過ぎていく。このまま、消えてもいい。
【ドサッ】
「っ。」
小さな声と同時に、身体への衝撃は想像以上に軽かった。
「おい、走れ!!」
【ボスッ】
わき腹に、目覚めの一発。
俺を受け止めた慧からの攻撃だった。
きっと、木の枝が折れ。音も響いただろう。
前を走る慧を追いかけ続けていたが、スピードを落とし。背を向けた。
慧は、俺を呼び止めない。俺の役目を知っているんだ。
俺は、役目の為に命を懸ける。その為に名を捨てた。
そんな覚悟もなく、たった一人の存在の為に簡単に消えようとした俺を。慧は、責めなかった。
俺が戻るのは、主の所。
「墨?どうして、そんな悲しそうな表情を?」
主の想いは俺と同じ。いや、瑠依は敬一を好きだと思っていた。
彼は、瑠依を好きなのだろうか?
瑠依への想い。彼の流した涙の意味が、そこにあるのだろうか?
苦しい。どうすればいい?
「墨。彼を見たのか?報告はしなくて良い。俺が直接、見に行く。気持ちの整理を、俺がしないと。」
悲しそうな笑顔。傷つかないで。これ以上、誰も……。
護りたい願いが増える。
主に留まるように告げられ、何も報告できずに佇む。
「墨。光を諦めないで。まだ、間に合う。」
「慧。お前は、俺と同じ闇。分かるだろ?光は、瑠依を望んでいる。主の想いも、叶えてやれない。どこで間違えた?遠矢の言う護ること。それを今更、理解しても遅い!!」
「どうして、諦める?逃げるな。」
逃げる?いつから、こんなに臆病だ?
最初から。遠矢への想いも、呪いや性別に阻まれたと線を引いた。
だから、何も語らず。踏み込まず。
「行け。主の願いは、すぐそこだ。このチャンスを逃したら、同じ役目を担うものとして赦さない。」
前髪をかき上げ、微笑む慧。
「慧、この借りは必ず返す!!」
俺は、主を追いかけた。
「私、敬一さんが好き!」
息を切らした俺は、瑠依の告白を目撃した。
敬一の間抜けた顔。
「遅いよ、墨。俺の事、知らなさ過ぎ!!全く。しょうがない奴だね♪」
俺の後ろで、気配なく。木に身をもたれさせ。ん?と、首を傾げる。
口元の傷を、舌で舐め。俺にいつもの笑顔を向ける彼の姿。
「今。墨って、言った??」
大切になった相手が男だった。
ずっと、静かに注ぐ光の中にいるように。闇にいた俺を包むのは、幸せな時間。
まるで、表の世界。でも、この気持ちは表に受け入れられない闇色。
何も知らない。何にも触れない。踏み込まない。
お互いに線を引き。この関係はいつまで?
終わりまでの時間は、どれほど残っているのか。
「ね、墨。怒ってるのかな?」
「しばらく、口を利きません!」
すねる俺の隣には、彼と。
「ふふっ。墨。お兄ちゃんには、内緒よ♪」
瑠依。情報屋の素質が彼女に あった。目的のために、最善の方法を取る。
女は、やっぱり。信用できねぇ!!
「さて、私は帰るね。翼。痛む?」
「大丈夫、気にしないで。」
口元が切れ、出血は止まっているが。
綺麗な顔なのに!! 殴ったのは、主だ。チクチクと、虐めてやる!!
植梅 翼。彼は、俺と同じ役員衆。華。
「お仕置きだね♪こんな傷をつけて。」
切れた傷を彼が舐めたように、舌を出し舐める。
「ッ!!」
痛みに、歪む表情。しかし、拒絶ではない。
「なぁ、嫌じゃないのか?」「嫌だと言えば、止めるの?」
俺は、男の唇も。柔らかいのだと知った。




