感謝短編【花冠】
タイトル『イジワル』
Side:武・登場人物:凌子
今日は、邪魔者が海外にいる。以前 通っていた学校に用事で、2・3日不在。
心身共に痛い目に遭い、釘を刺されたが……
くくくっ。約束なんて、誰が守るか!!そんなの破るに決まってんだろ。
俺の欲望の為!!その後は血祭りだろうけど……そうだ、今が反旗だ!
邪魔者のいない凌子の家。久々に入る部屋。
女の子の匂いがします!!くんかっくんか……必死で匂いを嗅ぐとか変態ですね。
お茶の準備でいない一瞬に、そわそわする。下着の入った引き出しは……
【ガチャッ】
【びっくぅ~~】
自分の部屋に、ノックなんかしないよな。
いきなり開いたドアに、心臓が飛び出るほど驚いた。
「ふふ。邪魔者は、居ないって分かっていてもビクビクするの?」
クスクスと笑いながら、コーヒーとおやつを机の上に乗せる。
「痛い目に遭ったんだ。ね、キスしてよ。」
甘えるように、ちょんちょんと唇を指差しておねだり。
久々の甘い時間に、凌子の照れた微笑み。
激カワですよ!!
「な?いいだろ……痛みを癒して……」
断れないのを知っている。
邪魔者に、きつく言えない凌子は、俺に対して罪悪感があるのを知っている。
別に、(邪魔者が憎いけど)二人の最低限の時間はあるわけで。
それでも贅沢は言って良いよな?(言いたい)
こんな風に、自分の中でも邪魔者の脅威が大きいのだと自覚する。
迷っていた凌子が、真っ赤な顔。
「目を閉じて。」
ちょっとイジワルしたいよね?
いつも、辛い思いをしているのは俺だし!
「何で?」
俺の意地悪な質問に、目を真ん丸にした凌子。
「え?」
戸惑いながら、出たのは一言。
イジメたい。もっと困らせたい。
「ね、何で目を閉じなきゃいけないの?閉じると、見えないよね?今日は邪魔するヤツが居ないし……見ていたいなぁ~~?」
ニヤニヤとした俺の笑みに、言い返す言葉がない凌子。
俺の目の前まで来て、恥ずかしさに震えている。
抱きしめたい。キスしたい。押し倒したい!
欲望との戦いに奮闘しながら、じっと凌子を見つめる。
「恥ずかしいよ。キスだって、そんなにしていないのに……見られたまま唇を重ねるのって……変な顔してないかとか。」
追い詰めすぎたのか、凌子の目から涙。
「ごめん。」
慌てて抱き寄せようとした俺の手を、軽く払う。
「うっ……っ……バカ。」
「ごめんって。恥じらう凌子が可愛いから、つい……俺だって我慢したんだ。キスしたい。されたい……駄目かな?」
涙を零して睨んでいた凌子に、素直に言ってみる。
和らいでいく表情。
好きになった女の子の一喜一憂が、俺を恐怖に突き落とし……歓喜を与え、幸せを味わうことを教える。
「凌子、ごめんね。好きだよ……この時間を無駄にしたくないのに、意地悪しちゃったね。」
「武、私も好き……」
凌子は言葉を呑み込み、俺の頬に唇で触れ……少しずつ唇へと近づけていく。
目を開けたまま。唇を重ねた。
けっ!!タケポンめ……
邪魔者は、私の意思かもしれない(失笑)
タイトル『立ち止まったまま』
Side:凌子・登場人物:武・荊
任務での見回り。今日は、荊と行動を共にする。
窓際から運動場でサッカーをする武の姿が目に入る。足を止め、見つめた。
「ふふ。武さん、モテモテですね。」
え?荊の言葉に、武しか目に入っていなかった私。
運動場には女生徒が沢山。……彼女がいても変わらない人気……
「荊、今日は天気も悪いし……急ぎましょう。」
視線を逸らしても、変わらない事実が胸を苦しめる。
裏の役員と行動する私は荊を守り、荊に守られる。
「荊は、恵の事は気にならないの?」
不安は、同じだろうか?
「恵の事?慧がいるから心配していないよ?」
そうだろうけど、違う……
求めていた答えではないけど、荊のズレは裏で生きてきたからなんだろうな。
孤独……それは、表で生きてきた私も同じ……
麻生学園への道で、どしゃ降りの雨。
任務用の一室に入り、着替えを探す。
「荊……っ!?」
目を向けると、何の恥じらいも無く全裸の荊が首を傾げた。
「シャワー、浴びないんですか?先に行きますね。」
手には、バスタオル……背中に見えたキスマークの痕。
うわぁ~~分かってはいるんだけど、生々しくて顔が真っ赤になってしまった。
キスマークか……自分の下着姿を全身鏡に映して見つめる。
髪が雨で濡れ、滴る水が白い肌を滑り落ちた。痕などない……
羨ましい?そうかもしれない……近い感情は、先に進めず立ち止まったまま。孤独……
雨で切り上がり任務は早めに終了した。
私は武の家に向かう。
「どうしたんだ?」
理由がなきゃ、来ちゃダメなのかな。
違うか……いつも入る邪魔。幼い頃から、武の特別な位置を占める。
それが、私への想いとは違うモノでも……彼女への嫉妬と劣等感。
「凌子、雨で風邪でもひいてるんじゃないか?」
心配する表情に安堵。
「武の部屋で、話がしたいの……良い?」
「あ……ぁ。」
武の表情が明るくなって、嬉しさの伝わった直後に沈んでいく顔を見て不安が募る。
武、何を考えた?
部屋に入り、武の正面に座って、前から抱き着いた。
武は戸惑う様に抱き寄せ、背中や頭を撫でる。
「何があった?」
優しい声に涙が出そうになる。
「……抱いて欲しいの。」
私の言葉に、武の動きが止まった。
「えっと……抱いてるだろ?」
悔しい。分かっているくせに……
違う。自分が彼女に強く言えなかった結果が、今の武を抑制しているんだ。
「ごめんね、帰るわ。」
武の腕を退けながら、体勢を戻す。
「凌子!」
私の手首を掴み、武の表情からは悲しみが伝わる。
傷つけ、どうしていいのか戸惑う。
「私は武が好きよ。武は、私の事……好き?」
「好きだ。俺が信じられなくなったのか?」
私は必死で首を振る。
「違うわ……ふふっ。ちょっと、雨で風邪……ひいたのかな?情緒不安定……」
視線を逸らし、涙が零れるのを拭った。
武は黙って手を伸ばす。
私の頭を撫で、髪をすいて頬を伝う涙を拭い……見つめ続ける視線。
視線を合わせ、身体を武に近づけて口づけした。
「凌子、風邪……俺にうつせばいい……」
後頭部に手が回り、押さえつけるようなキス。
深く入り込むような、熱と息が雑ざる……自分の感情を満たす愛情。
それに応えるように、今まで感じていた戸惑いも恥じらいもなく……身を委ね落ちていく。
私を置いて行かないで……
生意気なタケポン視点love……
タイトル:『イチャlove』
Side:武・登場人物:凌子
最近、励二への嫌がらせも兼ねて、邪魔者を追い出す方法を見つけた。
「武、あの話は本当なの?」
「あぁ、励二の人気は本当だ。写真の裏売買も、情報屋からのリークで間違いない。」
怒りに燃えた邪魔者は、数日は近づかないだろう。
お昼に甘い時間。凌子の手作り弁当を味わいながら、ほのぼの。
「ど?武……美味しい?」
不安そうに下から覗くような視線に、別の欲求が芽生えた。
「美味しいよ。ね、凌子……食べ終わったら、俺を味わってみる?」
顔を近づけ、軽いキスを落として反応を見る。
凌子は頬を染め、周りを気にしながら。
「もう、変な事を言わないでよ。」
変な事?
お弁当を置き、凌子の手を捕らえて引き寄せる。
「な、何するの?武、ここは中庭で……皆が居るんだよ?」
小さな声で、抵抗をしながらも本気じゃない。可愛い!
耳元に口を近づけ、囁く。
「凌子、人が居ない所ならいい?あいつが居ないのに、イチャイチャしたいのは俺だけなの?ね、本音で答えてよ……凌子?」
俺の近づいた頬にキスを軽くして、真っ赤な顔でニッコリ笑顔。
「お弁当、残さず食べてくれたら……武を味わっても良いよ?」
激可愛!!
end




