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A【学園シリーズ】情報屋Kの恋愛簿  作者: 邑 紫貴
時を巡る

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感謝短編のどこかに書いたオマケ


「加羅、何見てるの?」

大和は、加羅に聞いた。

ここは、公園。大学の受験を控えているのに、余裕の大和……。

それをずっと避けていた加羅。

「いや、子供……。こんな時間まで遊んでるんだな。ふふっ可愛い……。」

子供に興味が無いような加羅。笑顔が可愛く思える。

「加羅。いいよ!俺、協力する!!」

目がキラキラと輝く大和。

大和は、加羅の腰に手を回しました。

「ちょっ、どこを触って……止めろ!子供が見てるだろ?」

ずっと避けていて、拗ねた大和の機嫌が直ったばかり。あまり無下に出来なくて、……。

しかし、調子に乗る大和は……首筋にキスをした。

恥ずかしさに、大和の回した手を払い退ける。

「や~ま~とぉ?触るな!!しばらく、『おあずけ』だ!!」

睨んだ加羅に、大和は嬉しそうに笑う。

「……?」

「それって『良し』もあるってことだよね?覚悟してよ?言うの遅いと……後悔するよ?」と、獲物を狙った眼。

「………。」

大和が上手だった。

大和は、加羅の手を引いて歩き出す。

「……?大和、どこに行くんだよ。家は、反対……」

急に立ち止まる大和の背中に、加羅がぶつかります。

「ぶっ……」

背中にぶつけた鼻を押さえ、加羅は絶句。

裏通りのホテル街が立ち並び……大和は無言。

「………。」

まさか?さっき、『おあずけ』したばかり。

でも、その気……?

まだ、私たちはそんな関係ではない。

何度か、そんな雰囲気になったが……その都度逃げていた。

まさか、まさか……?

「加羅……」

いつもよりトーンの低い声。

「はい?」

何故か、変な返事をしてしまう。

「……くくっ、あははは……」

我慢しきれず、ふきだした大和。

顔が熱くなるのを感じる加羅。

「か、からかったのか?」

喧嘩腰の加羅に、まじめな顔で大和は振り返ります。

【ドキッ……】加羅は、こんな表情を見たことがありませんでした。

「や、大和……?」

まだ明るい時間に、人通りも少ない道。

大和は、加羅を抱きしめます。

いつもの雰囲気と違う大和にときめきながら、加羅は抵抗を忘れ……

大和の胸に自分の顔をすり寄せます。

「加羅……。」

優しい声に、加羅は顔を上げ……目を細め、大和の唇が近づくのを待ちます。

ゆっくり、重なる唇……。

「……?!!」

いい雰囲気の中、加羅は抵抗を始めます。

大和の手が、太ももとおしりに触り……

優しかったキスが激しくなり、舌を入れて自分の舌に絡みます。

「んんっ、……や、やめ……大和……んっ」

ぷつっ……何かが切れた音。

大和の理性はもう切れていました。

……切れたのは、加羅。

「んんっ?!」

加羅は、少しきつめに大和の舌に噛みつきました。

「いひゃい……」

我に返った大和は、さすがにやばい……と、思います。

気丈な加羅が、涙ぐみ……今にも涙が零れそうです。

「加羅、ごめ……」

大和の言葉の途中、加羅は走り去ります。

大和の手は、止まったまま……加羅を追いかけるよう思考が動きません。

今まで、何でもこなしてきた大和にとって、加羅は先の読めない相手でした。


「はぁ……。」

大和は家に帰って、自分の部屋のベッドに寝転がります。

『加羅……。どうしたら先に進めるんだろう?もうすぐ、輝が生れる……。一年後に、飛鳥が生れるはずなのに。無理やり婚姻届を書かせた。書類の上では、提出さえすれば……夫婦。簡単なのに……現実は上手くいかない。加羅は、俺のこと……好きなのか?キスを受け入れるのに、俺の気持ちに追いつかない。俺が悪いのか?触りたい……キスしたい。すべてを手に入れたい。俺は、おかしいのか?』


朝……寮から、学園に向かう。

門に、愛しい姿。

「加羅!」

嬉しさのあまり、昨日のことを忘れていました。

「……昨日のこと、謝れ!じゃないと、離婚だ!!」

まだ、婚姻届も出さないうちに……離婚宣言。

「……加羅……ごめん。愛してる。俺のこと、嫌いなの?」

周りは、登校の時間で人通りが激しく……みんなが見て行く。

「大和、ちょっ……声大きい!」

大和の反撃です。

「ね、俺……周りなんか気にならない。愛を叫ぼうか?ね……赦してくれる?キスしていい?ね、ここで……」

「わかぁっつた!!私が悪かった!……頼むから、黙っ……むぐっ……」

口を塞がれたのは加羅。

あぁあ~~、加羅に最初から勝ち目なんてありません。

だって、彼はこの世界で最強♪……ね、加羅……応援している。……ファイト!






拙い作品にお付き合いいただき、ありがとうございます。

他のシリーズも当時と変わらない拙いまま掲載しますので、ご了承ください。


【大上家シリーズ】お楽しみください!



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