表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A【学園シリーズ】情報屋Kの恋愛簿  作者: 邑 紫貴
時を巡る

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/81

共に生きる…… 選択


末来。

私は、実父の願い通り……聖花を研究する仕事に就いていた。

そして、娘……飛鳥が、あの時……と同じ年頃になる。


時は来た!

衝撃と共に、大きな爆発音……警報とアナウンスが続く。

第二課……確かに、飛鳥はいた!

目覚めた聖花……改と一緒に。私は、飛鳥を守るため……羅針を作動させる。

聖花と改を……過去に送るために!

「母さん……?」

飛鳥……

「痛いっ……!!」

時役使……時の犠牲……。

彼女も目覚める。時の定めを守るため……。

時を変えてしまった改……恋した人の存在を消すために。

あなたは、いつ気付く?……失うことの悲しみに……。


羅針は私を導く。

……飛鳥の想いを……巡る為。




飛鳥の想い。


「いってきます。」

舟越ふなこし 飛鳥あすか

長い黒髪をなびかせ、いつもの背中を見つけ……飛びつく。

「うおっ」

……1歳年上の幼馴染。

「輝、おはよう!」

優しく頭を撫でて、「いつも元気だな、飛鳥は……」と。

彼とは、いつも一緒。それが当たり前だと思っていた。

「ね、きれいな先輩の告白を断ったって……ホント?」

「誰から聞いたんだか……。あぁ、本当。」

「付き合えばいいのに……」とか言いながら、安心している自分。

大切なお兄ちゃんを、誰にも取られたくないし!

「……ご機嫌だな。」

優しい瞳。

本当は知っている……私にだけに向けられる目だと。


放課後。輝は呼び出され、告白されている。

待っている間、ずっとイライラ……我慢できなくて先に帰る。

でも寂しくなって、母の研究所に寄った。

一人で行くのは初めて。で、迷子。

……輝が悪いんだ!!ここ、どこだろ……?

中庭かな……大きな木。男の人……?

【ザァ~~】

風が吹く中、何かの音を聞いた……鈴?

「……君は……?」

輝とは違う、大人の男性。

海辺 改さん……との出会いだった。

父は、母と同じ顔の私に、輝以外……近づくのを許さなかった。

緊張しているのか、ドキドキする。

迷った私に優しくしてくれた。……好きに……なった人……改さん。

何度か輝の目を盗んで、改さんのところへ遊びに行こうとした……が、邪魔された。

行き先を聞かれたけど、黙っていた。

……輝に秘密……初めてのこと。それが嬉しかったのかも……?



バレンタインデー。輝には、朝一でチョコを渡した。

その日は、嫌い!!輝と会えないから……。

だから邪魔されないその日に、改さんの居る……研究所に向かった。

輝以外の人にチョコを渡す。初めてのことが増え、世界が広がった気がした……。

まさか私が、あなたの存在を消す役目だなんて……


部屋に近づいた時、大きな爆発音!

改さんの手には、赤い宝石が光っていた。

……聖花の目覚めだった。

何の力なのか、部屋は破壊されている。警報とアナウンスが続く……。

苦しそうな改さんに、近づくことが出来ない。

「飛鳥!」

母さんの声……?

母さんの右手に何かが現れ、……改さんと宝石は……消えた。

「痛いっ!!」

左手に激痛が走る。時定としての、目覚めだった。

かじが作動し、時を巡る。

……イリスの目覚める……あの時……過去に。

私は、人の存在を消す役目。消さなければならない命……

その恋に必死になり、……本気だった。

信じて欲しい……一緒に、消えても良いと……願うほど。

あなたが、母に執着したのは……私に恋してくれたから……。



飛鳥。イリスの目覚める過去……。

【ドンッ】小学生と、ぶつかった。

「ごめんね。大丈夫?」

転んだ男の子に、手を差し伸べる。

改さんにそっくり……?

「お姉さん……。」

可愛い!

……怪我の手当てをしてあげた。

「ありがとう。」

海辺家に引き取られたあなた……田井博士の養子……

母さんと血のつながらない弟だと、教えられていた。

この高等部に、逢いに来ていた君は……私を、母さんだと思った。

私は、まだ存在していないから……。

あなたの願いなのか、聖花が求めたのか……すべて、どうにもならない結末。

悲しすぎる……存在……。愛してあげたい……。


時始がイリスを生み出した。同時刻……それに反応して、私の中の光が右手に現れる……。

父と母の中にあった……光。イリスと合わせて、初めて……封印の力となる。

時は、まだ来ない……。

私は、同じ顔や姿を隠し……時巡として目覚めていない……母の前に現れた。

「時始は、私が預かる。」

光が、最初の犠牲……時始を包む。

聖花は、改さんの手から離れ……雪花さんの願いに惹きつけられていた。

聖花の持ち主でない者は、操られ……願いと引き換えに命を失う。

……たくさんの犠牲を目にした……。

「この世界を閉じ、ここにいる者達は預かる。」

私は、すべてを光で包んでゆく……。

有羽さんは、ばらばらになった聖花とイリス……そして改さんを送る。

光の半分を持った父が、イリスや母と巡り逢う為……。

それを追って私も巡り……赤い輪……イリスの一つを手に入れた。

改さんは、母の気持ちを手に入れるため、水の矢で父を殺そうとした。

光に反応して、イリス二つが私の元に来る。

聖花を封印する、本来の形……。

私は、揃った聖花や改さんと……未来に戻らなければならなかった。

「時定、お前は何の為に居る?なぜ封印しない!力があるのに……何故だ!」

……母さん……ごめんね。

「飛鳥……!」

左手に舵を作動させ、……時を巡る……未来へ………



時の最果て、裁きの空間。聖花を一時的に、封印する場所。

聖花は、願いの強いものに反応して……同じ事を繰り返す。

本当は、刻さんが管理するはずだった。

幼いときに、ここを引き継ぐことなく……学園に引き取られた。

先見の能力を、人が欲しがったから。

すべて、人の間違った願いが……時の犠牲を増やす……。

そして、あなたも……犠牲の一人。

「幼い頃に出逢ったのは、君だったのか。初めて会った時、懐かしい感情を抱いた。間違えても仕方ない。自分の存在が、すべてを狂わせた。人として抱いた感情が……君を求めた。」

……改さん……!!

「君を……愛したことを、後悔するだろうか?聖花は……願いを欲し、願いは募る。田井博士は……加羅のことを、心から……本当は愛していたのかも。男の子でなくても、良かったんだ。加羅に執着したのは、彼だ。」

涙が止まらない……。改さん……改さん~~……

聖花や人の願いに生み出され、ここに存在する。

もし普通に生まれていたら………

あの木の下で、私と巡り逢い……未来は繋がっていたのかな?

「消える者だと、解っている。でも……最期に、泣いてくれる……君と一緒なら……消えても良い。君は、俺と聖花に未来を……捧げて……くれる……?」

私の心は、知っていた……

気付くのは、遅かった……?本当に大切な人……!

いつも一緒にいた人が……心残り。

……輝……輝に、もう一度逢いたい……

手を取るようにと促す……改さん。……この手を……取ってあげたい……

「改さん……ごめんなさい……。消えても……良いと思った……本気で、……あなたと一緒なら……と。でも、……私の中に、大切な人がいる。巡る想いの中……すれ違い、諦め……失う悲しみを見た。まだ、間に合うのなら……未来は……輝と歩みたい……。」

「分かった……。飛鳥、近くに来て……」

最期まで優しく接してくれる。

「聖花に、イリスと光を重ねて……」

イリスの中に光……その中に聖花が……入る……。


封印は完了した。

改さんの手が、私の手に重なり……私の唇にそっと……改さんの唇が触れた。

一瞬だった……。

「ごめん……」と。

言葉と共に……消えた……。

「うっ……あ……あら……た、さん……。ごめ……ん、な……さい……」

ごめんなさい……


「飛鳥……」

愛しい声……

「輝……?」

……いつもなら……その胸に飛び込むのに……。

できない……資格がない……

「飛鳥。ずっと見守り続けた……。一緒にいても、想いは……届かないと思っていた。必死で恋をする君の……その瞳は、俺を見ることはないと……。俺を選んでくれて……ありがとう。」

「輝……、好き!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ