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A【学園シリーズ】情報屋Kの恋愛簿  作者: 邑 紫貴
時を巡る

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73/81

共に生きる…… 覚悟


加羅。


……また間に合わないなら……また、大切な人を失うのなら。

いっそ、一緒に消えることを選びたい。

ワタシは、覚悟を決めた。その時、降り注ぐ水の矢が、光に包まれ消えた。

時定……?今回、時代に手を出したのは何故だ!今まで何故、何もしなかった?

お前の目的は、役目は何だ?

「時定、お前は……!」

張り詰めた緊張から、出た言葉だった。本気じゃない、許して欲しい。

君は、ワタシの……!未来の保障。光を受け継ぎし者……。

でも、ワタシは……君を失うのだろうか?君の役目は、……。




光を受け継ぎし者。


今日はバレンタインデー。第二課に向かっていた。

まさか……私が、あなたの存在を消す役目だなんて。

あなたの中の、聖花が目覚めます……。

衝撃と共に大きな爆発音、警報とアナウンスが続く中……。

時巡は、羅針を作動させた。

あなたは、あの日に……。イリスの目覚める、あの時に移動した。

あなたの願いなのか、聖花が求めたのか……すべて どうにもならない結末……

信じて欲しい。その恋に必死で、本気だった。

私の心は、知っていた……。本当に大切な人を。……気付くのは遅かった……?




時の犠牲。


君を愛したことを、後悔するでしょうか……?

自分の存在が、すべてを狂わすと知っていても。幼い頃に出逢ったキミ……懐かしい感情……。

人として抱いたのか、聖花が持った感情なのか……キミを求めた。

願いを欲し、願いは募る……。

もしかして、あの人は……心から、本当は愛していたのかも。

男の子でなくても良かったんだ。加羅……。

君じゃなかった。間違えても仕方ない……。

過去・現在・未来を変えたのは聖花……自分の願いだから……。

消える者だと、解っていても最期にキミがいてくれるなら……。

キミは、聖花に未来を捧げ……泣いてくれる……?




見守る者。


あなたのことを、見守り続けたのは……すべて、役目だけではないと信じてくれますか?

いつも一緒にいた。でも、想いは……届かない。

君は出逢った。逢わなければ、いけなかった人。

愛しい……。必死で恋をする君が、とても愛しい。

その瞳で……俺を見ることはない……。

君は、たくさんの犠牲を見る。役目は、君の恋を赦さない……。

お願いだ……決して、一緒に消えることを望まないで。

俺を選んで欲しい……。

すべての終わりは、君の選択に係っているから……





桜野家に5歳で引き取られて、12歳……実父が消えたあの日まで……年に一度面会してた。

あの日は、春花も一緒だった。

思い出した!

イリスや光が身体に入って……検査のため、すぐに研究所の関連病院に移された。

あの時の男の子……。

そして、実父とは違う存在……小さな子供も、病院に。

後日、遠縁の海辺家に預けられた……改。

すべての、時の始まり……。

どうしてイリスを託され、……使えたのか。

ワタシの中に光があったから。そして、大和の中にも………

大和。何度でもあなたを捜す……。だから無事でいて!


羅針は作動する。

……でも間に合うのか……?



学校。

昼間の時間なのに、誰一人いない。

「大和……。大和ぉ~~」

羅針は、ここに導いた。いるはずだ!……ここに……。

必死で、大和の名を呼びながら……走った。

間に合って!……無事でいて!!

何度でも、あなたの名を呼んで……捜すから!

お願い……大和……。


屋上への階段に近づいた時、イリスが左手に現れる。

まだ、一つ足りない状態。

「……大和?三つ目……を?」


階段を上り、屋上の扉を開く。

そこは、別の空間……水が地面を覆っていた。

水……遠くに、水の壁の前に立っている人影。

近づくにつれ立っているのが 海辺 改だと気づく。

「……改。」

聖花の入った子供……今、7・8歳のはず?

「目覚めた未来で、君が過去に送った。イリスの目覚めるきっかけは……君だよ、加羅。」

ワタシが……?

柱にもたれて座っている姿……大和?!

まさか……!!

「大和……?大和!」

温かい……気を失っているだけだ。

抱きしめる。大和のにおい……愛しい……。

「大和……」

「君が来るまで、どれだけ……彼を消したかったか。けれど……加羅、君の前でないと意味が無いから……。もうすぐ、聖花が集まる……。君の心が……欲しい。」

改は、右手から一本の水の矢を出し……大和に放つ。

「止めて!」

大和をかばった……つもり。体が回転し、衝撃は無い。

自分を覆う大和の体……水に広がる血!

「大和……?」

「加羅、お帰り。」

大和の腕の中。

抱きしめる力は、だんだん弱まり大和は気を失う……。

傷は肩の辺りだけど、出血が多い……?

「大和……。」

いつも守られてばかりだ。

大和の右手にイリスは無い……左手にも。

……未来から、ワタシが送ったなら……未来に帰すことも、出来るはず。

しかし羅針は作動しない。……せめて、大和を守れたら。

改は、地面の水から無数の矢を出す。

ワタシは、覚悟を決めた!

その時……降り注ぐ水の矢が、光に包まれ……消えた。

時定……?

彼女の右手にガラス水晶。それに赤い輪が光る。

イリス?

それに反応するように、ワタシの左手にあったイリス二つは……ガラス水晶の元へ。

聖花を封印する、本来の形。


「君は……?」

改は、時定を知っている?

時が止まったように静かな時間。

しかし、……続くはずは無い。

水の壁が消え、そこから見覚えのある女の子が現れる。

「舞……?」

右手に、すべてそろった聖花。

あぁ、本当は包帯で……聖花を右手に隠していたんだ。

集めていたのは、舞だったのか!

羅針は作動しない。時定も動かない。

……なぜ、封印しない?

張り詰めた緊張の中。

改は、舞から聖花を受け取った。

舞は、何かの願いと引き換えに命を失った……。

また見ているだけ……だった。

時定……時代に手を出して、ワタシと大和を助けたのに!!

力の無い自分に対する苛立ち……八つ当たりだった。

「時定、お前は何の為に居る?なぜ封印しない?力があるのに……何故だ!!」

改は聖花を手に入れ、力が暴走する。

地面の水が荒れ……水が時定を襲い、覆う。

黒い衣装が流れ……隠していた姿を見せる。

長い黒髪……君は、ワタシ……私の……!!

飛鳥あすか……!」


本気じゃない、許して欲しい……。

君の役目は、……私以上に残酷だ。

未来の保障……光を受け継ぎし者。

あぁ、私は……君を失うのだろうか?

君は、左手にかじを作動させ……改と共に時を巡る。

……本来の居場所……未来に。

君のガラス水晶は、私と大和の中の『光』だった。

君は……私に瓜二つ。私たちの娘……飛鳥。


………。


光は、舞と空間を包んでいく。

そして、元の屋上に……私と大和……

大和のそばに座り、肩の傷を見るが……浅く、出血も止まっている。

……?

「ヤマさん。そろそろ、起きたらどうですか?」

……!?!!

「輝?……どうして!」

「輝……。いいところを邪魔するなよ。」

……?!

「や……大和……?」

とっさに、大和の首を絞め……

「いつからだ?」と、問い詰めた。

「最初から、ずっと起きてたよ?」

幸せそうに笑う。

憎い!!手に力が入る。

「で、輝は……なぜここに?」

込み上げる怒りの中……冷静な自分がいた。

「加羅サンを、舞から守るためだよ。」

舞を気にしていたのは、見張っていたのか!


「……時間だ、行かないと。」

輝の右手の灯火ともしびが……時を照らす……


「輝!あいつの心に、お前はいる!信じてやってくれ。」

大和が言い終わらないうちに、輝は……時を巡った。

……未来へ……



「……説明、してくれるよね?」

私の引きつった笑顔に……

「返事、聞かせてくれたら……ね。」と、笑顔。

私の頬を、手の指先で撫でる。

「私に触れるな!」

払おうとした手を取り、引き寄せ……抱きしめる。

「舞は、聖花の力が弱く……意識の無い改を見つけ、助けた。願いは、父親の悪事を止めることだった。心を奪われ、聖花を集めた。改は、加羅に執着してたから……舞が害を加えないように、輝が守ってた。時守として。時代に必要な君と俺……そして飛鳥を……。」

まじめな話をしながら……手が、腰の辺りから背中に滑る。

【ゾワ……】

「離せ!」

「逃がさないよ。」と、笑顔。

……捕まった……




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