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A【学園シリーズ】情報屋Kの恋愛簿  作者: 邑 紫貴
情報屋Kの恋愛簿

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7/81

・・


「あはは。じゃ、質問。誰にでも、そんなことしない人?誰とも付き合おうとしない?ドアを開けたときの目が、いつもより怖かった?さ、いくつyesだったかしら。」


「……でも。」


確かにyesだ……けど!!

信じられない私に、彼女は微笑む。


「ん~?たくさん有ったわけだ。」


「……うん。」


私は赤面する。

自分でわかるほどに耳まで真っ赤だろう。


「良いね~。若いって!」


「同い年でしょ?」


綺麗な笑顔。女の子にときめくなんて。


「ふふ。瑠衣、教えてあげる。」


色気ある彼女が瑠衣と呼ぶ。

海外育ちだから?とても自然。そして大人な雰囲気。


彼女みたいになりたい。

荊ちゃん、あなただから素直に聞けたのかもしれない。


「彼は……血が繋がっていないことを、あなたが知らないと思っている。だから何もいわない。言うと、あなたを傷つけると思って。黙って見守ってる。あなたとの関係が崩れるのを恐れているのは、彼だ。」


「……そうだったら嬉しい。」


荊ちゃんは、優しく微笑む。


「自分の本当の気持ちを、そのまま伝えたらいい。」


「うん。」


私も笑顔を返す。

それを見た彼女は、少し照れたように見えて。同い年の幼さ。


誤魔化すように、意地悪な笑みを私に向け。


「でも先に進む覚悟をしてね!」


先に進む?

意味が分からなくて尋ねようとした。


【ガラッ】

1人、クラスの子が入ってくる。


「じゃ、またね。」


荊ちゃんは、慌てて去ってしまった。


先に進む……気持ちを伝えて兄妹ではなく、思いが叶った後……

想像したら恥ずかしくなった。


本当に?私が知っていることを告げたら。想いを伝えたら。気持ちは通じる?

留守の多い父を気にして、出て行ったりしないだろうか。不安しかない……



お昼休み。


彼との待ち合わせ場所に、お弁当を持って向かう。

人目につく所。中庭に彼は先に来ていた。


「お待たせ……きゃっ」


突風に、髪が乱れる。


「大丈夫?」


彼は手を伸ばし、私の髪に触れた。



「……の、野郎!」


聞き覚えのある声……お兄ちゃん?


【ガッ】

彼を殴った。


え?お兄ちゃんが怒鳴って、人を殴った?何故?

パニックになる。


「や、止めて!」


お兄ちゃんに静止を促し、彼に近づいて傷をみる。


「悪い!つい……」


お兄ちゃんは我に返る。


「痛っ……」


彼の口元が切れていた。


「大丈夫?……ごめんね。ごめんなさい……私がこんなこと頼まなければ。」


ポケットから出したハンカチで、彼の口元の傷を押さえる。


「引き受けたときから覚悟していたよ。……瑠衣、自信持って。俺の役目はここまでだから。」


あぁ、彼との取引が終ったんだ。


「え?」


突然の事に、お兄ちゃんは理解できないみたい。


「お兄さんも、気にしないで下さいね。……失礼します。」


紳士的に去る彼。


「あの……えっと。お兄ちゃんが何故、ここにいるの?」


私の質問に答えず、その場に座り込み。


「……騙された?」


お兄ちゃんは、私以上に状況が分かっていない様子。

この流れで言ってしまおう。


「私、お兄ちゃんと血が繋がってないって最近知ったの。気持ちが抑えられなくて……敬一さんが好き!」




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