君は小学生?!
後日、同じ学校だと分かったヒツジと仲良くなり。
中庭で話をして戻ったら、下箱の中に予告状が届いていた。
誰にも気付かれなかったのは、封筒が可愛いハート付きだったから。
『多河 優貴様。この度は、お疲れ様でした。改めて推薦に参ります!一緒に、大切な人を護りましょう?チームAより』
ヒツジも役員だった。
綾の捜査の為、後から麗季ちゃんが無理やり入ったとか。
諸々話が出来てよかった。
奏子は、太西学園から麻生学園に編入になった。
お腹が目立つまで、援助をしてくれるそうだ。
励治さんは、その環境が整った麻生学園の理事長の息子だと言っていたから、安心していいだろう。
和也と奏子の間のことは時間が掛かる。
俺は見守ることにした。
「お前が、多河か?」
綾との仲を公にしてから、決闘が続くようになった。
嵐の言っていたファンクラブ。
柔道の技で、片付くのは一瞬のこと。
「はぁ。」
ため息が出る。
あれから女の子たちは寄ってこない。
相手は小学生、けれど俺がロリコンだと言う奴はほとんどいない。
綾が、それだけ綺麗な子なんだ。
ため息が続く。
「ハゲちゃうわよ?」
綺麗な透き通る声。
また高校の制服で、屋上に登場。
「あのさ、お願いがあるんだ。それ、やめて。理性が飛ぶから。」
「それが狙いなのよ?励治さんが、絶対に落とせって!」
励治め。自分が彼女に勝てないからって。
俺で遊んでいるんじゃないだろうな。
「ね、可愛い?そうだ、私の胸も少し大きくなったのよ。ね、触って?」
どこかで見たような。
これ、夢かな?夢ならいいかな?
「駄目!君は、小学生。」
「そうよ。だから?ね、どうしてダメなの?」
言った後、慌てて口を押さえた俺を気にせず。
成長している。この前は、泣きそうだったのに。
「触ってくれなきゃ、連歌に触らせるわよ?」
「あいつ、まだ綾に近づいてるのか?」
「いけませんか?」
「うわっ!」
急に現れた連歌は、余裕な笑顔。
「俺は、ここの中等部ですよ。」
「ここは高等部だ!しかも綾は麻生学園の初等部だろ?」
余裕の笑顔の理由。
俺にケンカ腰で。
「俺も役員ですよ?」
え?こいつも?
綾を見る。
「え、知らなかった?」
連歌は、するっと綾の腰に手を回し引き寄せた。
「こら!」
「やっ」
綾の首筋にキス。
手慣れているのか、役員だからそれなりの身のこなし。
「痛っ」
嫌な予感がした。
満足そうに綾を離して、表情は大人の男。
「俺のです。覚悟してください!対等の力になったら、絶対に奪ってやります。あぁ、それと。綾、俺なら喜んで触ってあげますよ。」
速い足で距離を取り、挑戦的。
綾に投げキッスしながら、堂々と言ってのける。
「うるさい、黙れ!」
俺は怒りが頂点。
首元を押さえ、泣きそうな顔の綾。
「見てよぉ~。どうなってるの?ね、まさかキスマーク?」
あぁ。俺の理性やらなんかどうでも良くなってしまう。
油断していると、攫っていく勢いの生意気な連歌。
「見せて?」
白い首筋に、少し赤くなった部分。
痕は残らないだろうけど、怒りが治まらない!
「なってるんだぁ~?」
俺の様子を見て、子どもみたいに泣く綾。
そして涙目で下から、上目の潤んだ瞳で訴える視線。
「優貴、ここにいっぱいキスして。」
連歌の触れたのを目撃して、怒りはある。
塗り替えたい気持ちもありつつ。それって間接キスでは?
「ね、お願い。」
可愛い涙目でのお願いに、理性やら何かの葛藤を乗り越え。
嫉妬心が沸々と。
唇にキスを落とし。
肩に唇で触れ、舌で首筋までなぞり。
触らないと言った胸に手が触れる。
【パシャッ】
シャッター音。
「はい、ストップ!もう今はダメよ、みんなが見てるから。」
綾は冷静な表情で、俺の顔を両手で押さえる。
みんな?見てる?
さっきの音は。
「優貴、この写真をばら撒かれたくなかったら。役員になってくれるわよね?」
意地悪な微笑みの麗季ちゃん。
隣に立った励治さんが、含んだ笑み。連歌は不機嫌で。
綾は演技だったのか?
俺だけが……
「綾、本当に……君は小学生?!」
END




