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A【学園シリーズ】情報屋Kの恋愛簿  作者: 邑 紫貴
君は小学生?!

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59/81

○ん?


シンとの関係に、嫉妬がないと言えばウソになる。

それでも犯人を捕まえることが優先で。


放課後に行こうと思ったところに、先手を打たれ。

俺は綾の小学校に向かう。


『見つけたものは、綾に見せるように』


複雑ながら、試されているような言葉にケンカ腰で挑む。それなのに。

俺の嫉妬心に、別の火種。連歌が綾に迫っているところを目撃。


校門の壁際に綾を押し付け、体が密着している状態。

しかも野次馬の小学生が目を輝かせ、赤面しながらの見学。


「連歌ぁ~?一体、何をしてるのかなぁ。こんな往来で。」


後ろで仁王立ちの俺に、顔だけ俺のほうに向け平然と答える。


「え、見て分からないのですか?」


泣きそうな綾から離れることなく、ケンカを売ってくるとは良い度胸。

思わず眉間にシワが。


深く息を吐き。

俺は大人だ。我慢。少しトーンは低いけれど、普通の音量で。


「綾から離れろ。」


周りに見物の小学生がいなかったら、もう少し乱暴だったかもしれない。


「何故ですか?」


俺の限界を超えた。

連歌の手首を掴み、身長差を示すような視線と力で、綾から無理やり引き離す。


連歌は俺を睨んで、掴んだ手を振り払い。


「卑怯ですよ。」


「何がだ?」


「力・言葉・態度、全てです。」


背の低い年下から言われて。

当然なのだが、それが余計にムカツク。


ここでも歳の差を考えろと言われているようで。

そんなことを気にしていたら、また拗れてしまう。


年の差。

綾が成長するまで時間はあるようで、一時も無駄にはしたくない。


「綾と、付き合っている。二度と触れるな!」


周囲も合わせて一瞬の沈黙。

綾の驚いた表情。


言ってしまった。


「きゃあぁ~~!」

「やるぅ~~!」


周りにいたのが小学生だからか、大きな声が響いた。

まずい、このまま留まるのは。


勢いで綾の手を引き、その場を走り去った。



「はぁっ……止まって、優貴。」


どれくらい走っただろう?


息のあがった色っぽい声。

綾の足が止まって、手を引いていた俺の足も止まる。


「……はぁ。ごめっ……大丈夫か?」


俺の息もあがって。

その後を走っていた綾はもっと苦しかっただろう。それなのに。


「嬉しい。」


息継ぎで、うつむき加減だった顔を上げ。

頬は走ったからなのか、赤らんでいる。


小さな声で「嬉しい」と、もう一度。

そして満面の笑み。


可愛い!


「何?」


思わず。

聞こえていたが、もう一度聴きたくて綾に耳を傾ける。


「みんなの前で付き合っていると言ってくれた。それが嬉しい。好きよ、優貴!」


俺に両手を差し伸べ、向ける最高の笑顔。

抱き寄せて、心臓がバクバクと心拍数の上昇。


「綾、好きだよ。」


抱きしめた腕の中。

いい香りがする。つい首筋にキス。


「ひゃっ」


綾の体が反応したのが嬉しくなる。

これは、往来のある道ではいけない。名残惜しいけれど。


「綾、大切な話があるんだ。二人で話せるところはない?」


もちろん下心あり。

けれど嘘ではない。


「そうね、家に来る?近いし。」


俺の下心に何の疑いもなく、綾は手を繋いで歩き始める。

家族いるのかな?でも、二人で話せる所って言ったし!

期待が膨らんでいた。


んん?見覚えのある道を通る。

このみち~は~いつかきたみ~ち。そうだぁ!


「シンの家?」


立ち止まり、茫然と出た言葉。

綾は手を離して、家に走り寄り。


「おかぁ~さぁ~ん?」


子どもらしい呼び方で、家のドアに手をかける。


【ガチッ】

鍵が閉まっている音。


「やっぱり留守か。」


鍵を出し、開けて振り返り。

状況の解らない俺に、綾は微笑んだ。


「改めまして、福本ふくもと りん。シン君の妹です!」


「いっ……妹?」


記憶が、繋がりを再確認していく。


『大切な人』『いつも護っていてくれた』

兄妹なら当然だ。


和也が言っていた。AYAの記事。

『これ、シンに見せたらビリビリに破られて没収されたんだ。それからすぐ販売中止になるし』


正義感強かったし、すぐに販売停止したのはシンが動いたからだろうな。

新聞を破ったって。そうだよな。自分の妹の写真が、ほとんど隠し撮りだし。


『懐かしいモノが君の中にある』

シンと同じ資質。持って生れたもの。

当たり前だ。それに気付かないなんて。


「優貴、入って?」


入り慣れた家が、別の空間に感じる。

階段を上がり、シンの部屋を通り越した奥の部屋。

ドアに【リン】と書かれたボード。


「入って。」


中はシンの部屋と同じ造りだが、女の子の部屋だ。


「今はね、任務の関係で寮にいるの。」




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