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A【学園シリーズ】情報屋Kの恋愛簿  作者: 邑 紫貴
君は小学生?!

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58/81

・・


次の日。同じクラスの、水泳部のマネージャーに話しかける。

すると距離をとって。


「優貴君、みんなの視線が痛いの。手短にね?」


周りの視線が気になるのは、俺も同じだ。

誰が犯人か俺には分からない。


「悪い。シンと、記録のことで話をしたことある?」


なくなった記録ノートの存在は、水泳部なら誰もが知っていると思っていた。

ましてマネージャーなら。


「え?森君は、楽しみで泳ぐくらいだったでしょ?記録なんて気にしなかったよ。みんなには、私以上にアドバイスしてくれたけど。」


「そっか、あいつ優しかったからな。それに、息抜きで泳いでるって忘れてた。」


普通の会話って、意識すると難しい。

聞き出したいことがあるのに、上手く誘導できないのは。


「先生は、何も言わなかったの?」


「森君、成績優秀だから。顧問の先生と二人で話をしてたのって、あまり記憶に無いな。あ、」

「優貴くぅ~ん!何、なにぃ~。何、話してるの?」


数人の女の子に囲まれ、彼女は表情が曇り。

慌てて、俺から更に距離をとる。


「またね、これ以上はごめんなさい。」


素早く去って行く。

何かを思い出した風だったけど。この状況なら、しょうがないか。


女って面倒臭いな。

寄ってきたのを無視して、場所を移動する。


そういえば綾、昨日の様子がおかしかったような。

どうして来たのかも、結局は分からず。大丈夫だろうか。


しかし……暗号は水泳と関係ないのかな。

気晴らしで泳ぐ程度。背泳ぎ。背中?


記録のノートをつけていたのは誰だろうか。

探すなら、過去のものでもないだろうし。


放課後、帰りにでも励治さんの所に行ってみるか。



「あ、いた。多河君!」


聞き覚えのある声。

けれど。


「あれ?励治さんの」


彼女さんが、太西学園の制服を着ている?


なんだろ、無言の圧力。場所を移動するよう、視線で誘導。

はいはい、黙ってついて行きますよっと。



屋上。

周りに人が居ないのを確認し、違和感に我慢も限界で。


「あのぉ~。聞いていい?」


それに、綾にいつ見られるか。落ち着かない。

また機嫌を損ねないように、距離をおき。


「いいわよ?」


やっぱり警察署で見た雰囲気と、違う気がする。

気になったのはそれだけではないのだけれど。


「ここの制服って、簡単に手に入るの?上の趣味なの?」


綾・麗季ちゃんに、彼女さんまで。


「え?他所の制服じゃ、目立つでしょ?」


キョトンと、何がおかしいのかまるで分かってない顔。

普通の子なら目立たないけど。


「この学園にいない人だって、分かりますよ?」


学んでいた。

綺麗とか魅力的とか、簡単に使って良い言葉ではない。


「そう?」


不思議そうに、制服をヒラヒラさせる。

役員って、顔とかで選んでないですか?


役員が気になってくるじゃねーか。

まぁ、それはまだ考えず。


「励治さんの、彼女じゃないですよね?雰囲気が違う。」


「ふぅ~ん。なるほどね!私は卯佐美うさみ 凌子りょうこ。励治の彼女は、私の姉。よく似ているんだけど、年子の妹よ。よろしく。」


違和感を解決したくて、聞いてよかった。やはり別人。

あんな一瞬、見てはいけないと直視せず。

よくわかったよな、俺。


凌子さんは嬉しそうに笑う。


「一回で見分けついたの、あなたが初めてよ!おっと。嬉しくて、肝心なこと忘れるところだった。」


役員なのに、よく話す人だな。

気持ちを切り替えたのか、真剣な表情になり。


「励治から伝言。見つけたものは、綾に見せるように。との事!」


そう言うと。

俺に手を振りながら、方向を変え。

ドアを開けて、上がってきた階段を下りて行ってしまう。


チームAだけか。

格子を超える姿が常になり、普通の行動が地味に感じた。


しかし、どうして励治さんに持っているメモの事がバレたんだ?

情報屋か?噂で聞いていたけど、それにしても万能すぎないか?


励治さんは、犯人を知っていると思う。

俺を試しているのか、証拠を待っている?


不謹慎にも、ワクワクしている自分がいた。






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