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A【学園シリーズ】情報屋Kの恋愛簿  作者: 邑 紫貴
君は小学生?!

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ダイイング・メッセージ


「昨日その時間は、授業に出ていましたけど。犯人は身近な人?シンは、殺されたんですか?」


警察から連絡が入り、事情を聴かれている。

自分が本気で疑われていないのを感じ、質問攻め。


「いや、それは調査中で」


新米の警察官が口ごもる。

そうだろうな、消化作業なのか警察官の聴取。


「優貴くん。君、何を知ってるの?」


横から割り込んだのは、男前な刑事さん。


「駄目ですよ!励治さん」


止めたはずの新米君が、刑事さんに部屋から追い出されてしまった。


「邪魔者はいないよ。俺、麻生学園担当の刑事なんだ。」


励治さんは笑顔なのに、謎の緊張感。

それに学園担当とは。


多分、秘密事項なのかな。

俺を信頼した言葉なら、応えないといけない。


「あなたは役員ですか?」


「今は違う。昔はひいで、生徒の長だった。今は、ただの刑事さ。」


雰囲気が変わる。

砕けた口調とは似つかない、刺さるような視線。凍り付くような空気。


麻生学園は幼小中高大学までエスカレータ式。加えて姉妹校6つ。

大規模な学校運営に、秩序を護る役目を持つ役員達。


「覚えてない?君にも、推薦がいっていたんだ。君がバスケ一筋だった頃。」


記憶に無い。中学生の頃?

綾や麗季ちゃんは小学生。そんな年齢の子たちまで。


「ははっ。チームAの報告通りか。どうする?今からでも役員になるか?」


威圧感の増した励治さんは、今も権力を持っているのだろう。

俺についての報告。秘密を知ったんだ、当然か。

役員になれば、綾を護れるだろうか。


「……いえ、今はまだ。だけど俺は協力しますよ。」


俺の知っている情報を伝え。

協力すると言ったが、自分の力で動いてみたかった。


励治さんは全てを見透かすように笑う。


「優貴、お前の身近な人間が犯人だ。誰にも気を許すなよ。」


意味深な言葉を残して、励治さんは部屋を出ていく。

もう犯人が分かっているような発言。


身近な人間?

試していた俺が今、試されている。


励治さんの眼や立ち居振る舞いに憧れを感じ。

やる気も沸いて。


部屋を出た。


「励治ぃ~。来ちゃったぁ!」


綺麗なショートの女子高生に抱きつかれ、励治さんが押され気味。


「こら、やめ……んんっ」


あの励治さんも、彼女のキスには勝てないのか。

ここ警察署ですよね?


見てはいけないものを見てしまった。

俺は、何も見ていない。そう何も。



家に帰り、自分の部屋に向かう。

着替えて、ベッドの上に寝転がる。


身近な人間。


ふと、机の横に無造作に置いた紙袋に目が留まる。

しまった!シンの家まで行ったのに、おばさんに渡していない。

まぁ、あの時は仕方ないか。部屋が荒されたと連絡をもらって、すぐ学校から向かったからな。


水泳部の部室ロッカーにあったシンの荷物。

起き上がり、紙袋の中身を机に広げる。


予想していた水泳部で使うタオルや着替えの予備。

それに反して、就職の本や求人誌?


ここは中等部より劣るが進学校。

シンの進路希望や大学の候補は1年のころから聞いていた。

就職に変更なんて。聞いていない。バイトは禁止されている。


【コロンッ】

転がり落ちたのは、古い手造りの小さなヌイグルミ。

ボール型の猫?犬?ブタではないよな。


ん?違う色の糸で、一部が縫われている。

まさか中に?


ぬいぐるみを耳に当て、指で押すと。


【カサ】


小さい音で、紙切れのような音。

中に何かある。




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