表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A【学園シリーズ】情報屋Kの恋愛簿  作者: 邑 紫貴
君は小学生?!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/81

嫉妬


俺はアヤを傷つけてばかりだ。


「……ごめん。」


「遅いわ、アヤには聞こえてないわよ!」


気配が無かった後ろからの声に、ビックリして振り返る。

そこには、嵐の好きな麗季れきちゃんが立っていた。


「麗季ちゃん?だよね。」


小学生にしては背が高いほうだけど、アヤより小学生らしい高さ。

ただ胸が目立つ。


「はぁ……私の一生の相手も高校生なの。世間の恋愛基準なんて知らないわ。考えて?大人になったら、5つの年の差なんて可愛いものよ?何故、今は駄目なの?子どもだから?それは、誰が決めるの?失うのは簡単。手に入れて、大切にすることがどれ程大変か。」


麗季ちゃんの言葉を、子どもだからと聞き流すなら。

俺のほうが幼稚だ。


自分の気持ちと、アヤの気持ち。

麗季ちゃんも歳の差に悩んでいるのか、悲しいほどに感情的で。


「アヤは……。ま、いいわ。私が、これ以上言うことでもないし。」


麗季ちゃんも、アヤと同じように柵を飛び越えた。


二人組の女の子、チームA。

俺は、とんでもない秘密を知ってしまったのかも知れない。


あれ?嵐は、麗季ちゃんの相手を知っている?

だから年齢差を気にして釘を刺したのだろうか。



家で夕飯の時、俺は嵐を見つめながら食べていた。


「なぁ、優。俺のこと好きなのは分かるけど、あんまり見んな!」


当然だ。

瞬きも少なく、口をモグモグしながら。嵐を見つめ考えていた。


「悪い。……嵐、あのさ。今日、麗季ちゃんに会って。なんか、その。彼氏?か、好きな相手の事を聞いたんだけど。」


今日は母さんは俺たちの食事を準備し、父さんと仲良く外食だった。

気兼ねなく、会話できるとはいえ。どう切り出せばいいのか。

何故そんな場面になったのか説明もできないけれど。


「……あぁ、ヒツジか。」


不機嫌ながら、一言だけ。そして嵐は食べ続ける。

ヒツジ?変な名前だな。


「高校生なんだって?」


俺は、聞いてどうするのか。

嵐が答えてくれるかわからないけれど。


「あぁ。麗季の家、呪いがあるって有名なの。で、ヒツジが一生の相手らしいよ?」


『私には一生の相手がいるから』

前にも言っていた。


「あいつは本気みたいだし?俺は別に気にしない。」


小学生の嵐が、同じ男に思える。

子ども。それは誰が決める?

もう大人と同じ考え方が出来る。もちろん経験が浅い。

それは、どの年齢になっても年上から見たら同じ。


父と母の年の差は、10。

母さんが10歳のとき、父は20歳だったことになる。

今、二人は幸せで。出逢ったのがその頃なら?

俺たちは生れてきただろうか?


確かに『失うのは簡単』。


「アヤは……」


【ドキッ】

嵐の口から、彼女の名が出ただけで何故か後ろめたい気持ちになった。


「アヤちゃん?が、どうした?」


平静を装い問う。

そんな俺を見透かしたように、嵐は含んだ笑み。


「あいつ今日、中学生から告白されてたぞ。前からずっと断ってる奴だよ。断りきれなくて、付き合ったりして~~」


今までにない感情が湧き上がる。

渡したくない、闘争心のような熱を含んで。


「ふ~ん、可愛い子だったからな。」


内心とは裏腹に。

余裕を見せて、とぼけてみた。


「くくっ。ファンクラブまであるし?ちょっと前に、年上の男の人と噂になってたな~。そのことを誰かが聞いたら、嬉しそうに笑っていたっけ。」


俺は、新聞の隠し撮りの笑顔を思い出した。

その先にいた人だろうか?


彼女は、年上の恋に馴れている?

いや、俺が触れたとき震えていたし。


「優、あいつ大切な人がいたって聞いたことがあるぞ?年上の大人な人だって。俺は、あんまり興味なくて覚えてないけどな。」


嵐に、俺の気持ちがバレている。

心配そうに情報をくれるのが、なんだか情けない?

いや、嵐が大人と同じ考え方が出来て、成長した証拠なんだ。


嵐は麗季ちゃんの心に、他の人がいる苦しみを味わっているのだから。


『好きよ。』

『酷い。私の気持ちは、どうなるの?』


アヤの気持ち。俺の気持ちは。


「あ!そういえば。今日告白した奴が、アヤの頬にチュウしてたぞ。」


ブチッ。

俺の中の何かが切れた。


「で、アヤちゃんはどうしたのかな?」


余裕も消えて。

俺の殺気に、嵐は食べ終わった食器をかき集めて。


「べ、別に?俺は、その後を知らねぇ!」


逃げられてしまった……






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ