表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A【学園シリーズ】情報屋Kの恋愛簿  作者: 邑 紫貴
花冠の伝説

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/81

・・


「どこまで話したか。あぁ、橘川茉莉香は妃だ。」


妃って現、学園の長ってこと?

あの、おっとりした間の悪い感じなのに。

思わず疑問が口から滑る。


「彼女が……?」


「あれで、仕事は凄い能力を持っている。幼馴染の蒼井あおい 水樹みずきが転校して来て、補佐も完璧だ。事件で表に出ないように手をまわして大変だったけどな。」


あの仲の良い雰囲気は幼馴染の延長なのね。

学園の意図に、妃の補佐役も含まれるだろうか。そう思っておこう。


「あの日、初めて被害に遭ったのは妃だったのね。」


情報をくれた友人は、妃……橘川さんが被害に遭ったとは言わなかった。

手をまわし、外部への情報規制。


「そう、氷上は実質の第一被害者ではない。同日、事件の現場にいた二人が被害に遭い。幸か不幸か立て続けに起こった。」


「その犯人も秀一くんなの?」


秀一くんは成績のために妃を?

まだ好きだと言っていた氷上さんを同日にというのも。


「全部、校長たちの仕業だよ。」


私の髪も。

あの校長、許さない。


「バカバカしい。あいつ等、ショート愛好家だとか言いやがって。綺麗な女性は絶対ショートだと。何言ってんだ。女は、長い髪を……こう……。」


…………。

(少々、お待ち下さい。ショートの享子が、励治に愛情を注いでいます。)


そういえば秀一くんは、偶然が重なったと言っていた。


「秀一は、利用されたんだ。体育館の鍵を開けたのは、『ショート愛好家』だった。一度、学園と全姉妹校を調査し直さないと。校長室の奥だけでなく、体育館倉庫の奥にも隠し部屋を造っているとは。そこから秀一のしたことを目撃して、脅したようだな。そしてショートのターゲットも見つけた。妃と氷上だ。秀一は好きな氷上の髪を切った奴らに、使われるとはな。」


「……あの怪我は自演というより、これ以上利用されないためだったのかも。」


「自暴自棄になっていただろうな。突発的な行動が利用され、結果として大切な女の子を傷つけたんだ。凶器が見つかり怪しい自分が警察に捕まれば、隠れ蓑に行動していた奴も捕まる。」


私が捕まったとき、もう自分がすべての元凶だと罪を被ろうとしたのだろうか。

成績の話を出すなんて。

いや、勉強に追われていたのは本当。

いなければいいと、そう思ったことがあったのだろう。


自分を責めて辛くて、私からの非難で気が楽になると思ったのだろうか。

複雑な感情が予想され、とても悲しくなる。


「新聞部の火事も、イベントの【花冠】の伝説を忘れたい思いと同時に、犯人特定につながる痕跡にしようと罪を重ね……」


励治は口を閉ざす。

複雑に絡んだ感情と、突発の事件がここまで膨らんで。


「結局、私たちの捜査が間に合わなかった。秀一くんは、武の携帯から私を呼び出して。」


あの時、武が私を見つけなければ今頃どうなっていたか。


「水樹は、校長を捜査していたのね?」


秀一くんのことも知っていたんだ。

学園の意図的な転校。


「励治、私にまだ言っていないことがあるよね?Kも。」


触れてはいけない。けれど、もう少し言える情報があったよね。

それが私の時間を無駄にしたのは事実。


「Kは、俺の命令を守っただけだ。凌子を危険な目に遭わせるわけにいかない。俺に背いて情報を渡したKは責めるな。」


「Kの情報に、生徒会長の事が入っていたときには、何も教えてくれなかった。妃のことだって。別に、私が聴取に行かなくても良かったじゃない!」


腹が立っていた。

自分に力が無いだけじゃない。自分は護られる側で、捜査の邪魔だったんだと。


「ごめんね、励治。でも何だか怒りが治まらない。享子姉、私ね……励治にキスされちゃった。」


「凌子、それは!」


ずっと大人しく励治の膝上にのって抱きつき、話を聞いていた享子姉から殺気が漂い。

私は黙って椅子から立ち上がり、部屋を出る。


廊下で伸びをする私に、部屋の中から励治の悲鳴が聞こえた………




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ