ベッドの上で・・
次の日の朝。武の部屋。
私を助けるために、無理をしたのかお寝坊さん。
「武、おはよう。」
声をかけるけど熟睡している。
ふむ。私達、ちゃんと気持ちを確認して両想いになったわけだし。
うんうん、ちょっと大胆になっても良いよねえ。
制服のスカートの折り目を整え、ベッドに腰かけて。
ゆっくり隣に寝ころんで添い寝。
小さな寝息が続いて、まだ起きない。
成長しても変わらず、幼い頃の面影のある可愛い寝顔。
堪能したいけれど。
もう時間も迫っているので起こそうと、武の鼻を指先でツンと持ち上げる。
武は違和感に眉間にしわをよせ、触れた指を払うように鼻をごしごし。
仕草が可愛くて笑ってしまう。
目を開けた武と視線が合い。寝ぼけて武が微笑む。
まだ夢の中だろうか。
「……凌子?何で……?」
「忘れちゃったの?昨日のこと……」
意地悪な私に、少し不機嫌な視線。
完全に目が覚めちゃったかな。
反撃なのか武の腕が私の腰に回る。
「ひゃっ。駄目だよ、制服がシワになっちゃう。」
抵抗して起き上がろうとするけど。
力が強くて、視線は鋭く真剣な表情の武。
「手の込んだ悪戯だな。マジで焦った、記憶がないなんて。」
からかいすぎた。
私の後悔を察したのか、口元が緩んで。
「どこに行くのかな?」
意地悪な仕返し。
強引な力で布団の中に引き込まれ。
焦る私を、じっと観察するような視線で。試されているようで、ちょっと逃げ腰。
「た、武……くん?下、おばさんいるよ?私達のご飯待ちです。」
「だから?」
起き上がるのかと思えば。
私の上に、武の体が覆う。
「遅刻、しちゃう……」
「黙って。」
武の顔が近づいて。私は、そっと目を閉じた。
【バンッ】
「ただいまぁ!」
勢いよくドアが開いたと同時。大きな声が部屋に響く。
私と武はベッドの上、布団の中。武が私の上で、登場した人物に目を向けて。
「ゲッ、まじか。」
「享子姉?」
…………。
「いただき……マス。」
武は表情が暗く、低い声で朝食に手をつけた。
「いやぁ~~。早朝着の便が取れちゃって、家に帰ったら凌子はいなし。まさか、ねぇ?ふふっ。ねぇ?タケポ~ン……」
姉はテンション高く、武に詰め寄り。とても上機嫌だった。
「享子ちゃん、いつまでいるの?相変わらず、凌子ちゃんと双子みたいねぇ。その制服どうしたの?」
私と同じ制服を着ていることに気づかなかった…………




