第8話 世界で唯一の魔術師の俺、三人で風呂に入る
「師匠、ちゃんとそっち押さえてて!」
「はいはい。レオはそんなことしなくても逃げませんよ。ねぇ」
「ははは……」
俺は両サイドを師匠と姉弟子に挟まれて、風呂場へと連行されていた。
俺の右腕にしがみつくように抱きつく姉弟子。
俺の左腕に恋人つなぎで寄りそってくる師匠。
二人とも負けず劣らずのお乳をお持ちだが、異なる柔らかさを俺の腕へと押し当ててくるので、俺はなすすべもない。
全力で素数を数えておっきを防ぐので精一杯だ。
「むー。なんで急にお風呂を嫌がるようになっちゃったの? 先週も一緒に入ったじゃない」
姉弟子が頬を膨らませて言う。
先週も一緒に入ってたのかよ!?
なんで俺は覚えていない!? 一番大事なところだろうが!
以前の俺にとって一緒に風呂に入ることなんて、あまりに日常の記憶すぎて覚える必要もなかったんだろうな……。
この二人と一緒に暮らしていて、雄の本能が1ミリたりとも動かないとかもうね。
記憶を思い出す前の俺は、ちゃんとにんにんが付いてたのかな……。
「はい着いた。もう逃げられないわよ」
屋敷から屋根付きの外廊下を歩けば、浴場に到着だ。
この屋敷はとてつもなくデカいが、離れに設置された風呂も同じようにデカい。
ちょっとしたプールくらいはある。
三人で入っても楽勝で泳げるくらいの広さだ。
師匠の魔術で常に清潔な湯が張られていて、24時間いつでも風呂に入れる。
そうだ、思い出してきたぞ。
俺たち三人は全員風呂が好きで、時間が空けばしょっちゅう入ってた。
時間が合えば、気にせず一緒に入るなんて当然だ。
あと、入浴方式が前世と同じなことも思い出した。
やはり風呂はゆっくり湯船に浸かってなんぼだと思う。
「おっそいわよ!」
「もう、アグニカ。そんなに急かさなくても」
などと考えている間に、師匠と姉弟子は服を脱ぎ終えていた。
髪もちゃんとまとめ上げて、その髪型もとても可愛らしい。
そして視線は下に移る。
「キャーっ!!」
俺は思わず両手で目を覆った。
大事な場所を隠そうともしない二人の完璧な裸体。
神聖すぎて目が潰れるっ。
「なにいきなり悲鳴あげてんのよ? ほんと今日あんたおかしいわよ?」
「色々なことがありましたからね。疲れてしまっているのでしょう。レオ、そのままでいいですよ」
俺が二人の裸体を守るため、物理的に目を潰すかどうか悩んでいると、師匠が俺の前に立つ気配がした。
「私が脱がしてあげますからね、じっとしていて下さい」
「えっ!?」
【注意・ここから先はライトですが性的なシーンがあるため別サイトに投稿します。未成年の方はこのまま次の話へ進んで下さい。お風呂が終わったところから始まります】