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――遠い未来の話――
ムッティーです、よろしくお願いします
前回読んでくださっていた人には申し訳ないですが、しばらくは前回の内容から少し変わった程度のものです
ただ、前回より少しは読みやすくなっていると思いますので、第一章からでも読んでくださると幸いです
では、『TS少女の征く異世界毒殺譚』、はじまりです
蒼銀に輝く。
眼下に広がる光景。
ああ、世界は美しい。
「ねえねえ―――ちゃん」
「ん?なんだい?」
「これまで、どうだった?」
これまで、か。
「……そうだね、楽しかったと思うよ」
「そう……それなら、良かった」
ああ、楽しかったよ。
愛しい人と巡る世界は。
「また、一緒に行ってくれる?」
「ふふっ、当たり前じゃんっ!」
そうか。
そうだね。
「じゃあ、いこうか、――――」
「うんっ!―――ちゃんっ!」
手を繋ぐ。
ぬくもりを感じる。
ああ、美しい世界よ。
――――残念だ。
「私達の邪魔をするモノは――――」
終わりの始まりだよ。
「――――敵は、殺せ」
これは、終焉の物語。
たとえ―――全てが、世界が、敵になったとしても