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窮地
その高く、不安定な台に乗った少女は
足を痙攣させてその場から崩れ落ちた。
心臓の飛び跳ねと共に糸が切れた。
意図が読めた。
光に満ちたその足場は高く
新しかった。
同じ足場に居る者からの抱擁と
下に居る者からの罵声。
足場は迚も不安定で、
同じ足場に居るのに
安定している。
私のこの足場は倒すのに、
一言の圧力を掛けるだけで充分だった。
私はただ必死に喰らい付いた。
それでも圧力は掛かり続けるものですから、
足に負担が掛かり、痙攣する。
疲れて居るのだ。
それでも圧力は掛かり続けるものですから、
とうとう足場は割れ、
あの者共と在る事も出来ずに、
堕ちた。