第4話 蓮と寝る
そして、その夜、蓮がお風呂から上がり、ベランダに行った時だった。
「と、知也!?」
そこには知也がいた。
「なっ、なんでそこにいるの。」
知也が少しびっくりした顔をしている。
「私の習慣なの。よくここに来てボーッとするんだ。」
「・・・」
知也のちらっと見た。なんだか少し元気がないような…
「どうしたの。なんかあったら私に言ってよ。なんでも相談にのるよ。」
「なっ、ないよ…あるわけないじゃん。」
「ほら、私は知也のお姉ちゃんなんだし。」
そういう蓮の声は真剣だった。
「…俺は蓮のことが姉弟だって思えないんだ。」
「正直に言ってくれて、ありがとう。知也がそういうふうに
思っていても、私もお母さんも知也のことが大好きだから。
だからね、心配しなくても大丈夫だよ。」
と言った。蓮はすごく照れていた。そして、
「今日は一緒に寝よう。一人じゃさびしいでしょ。」
「でも・・・」
知也が言う前に蓮が知也の腕をいきなり引っ張った。
「一緒じゃなきゃだめなの。一緒に寝るの。」
そうして、知也は蓮の部屋に来た。ベットが一つ置いてあるが、一人用だった。
「ここに寝よう。」蓮がベットをさす。
「うっ…うん。でも、本当に一緒に寝てもいいの?」
「いいに決まってるでしょ。」
知也は蓮の横に寝た。一人用のベットなので狭く、蓮と近い。
なぜだか、嫌ではなくて、逆にうれしかった。
その日はすっかり二人とも寝た。