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Astral Monster Online   作者: 海老天丼Mk-4
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進化


「んーっ、今日もやっていこう」

「ワフッ!!」

「うわっ!?」


ログインの後に体を伸ばしていると、犬の声と共に私の体が白い何かを受け止めた。

視線を落とし正体を見るとそこには、白い狼がいた。認識した瞬間、ピロンッと音がなりウィンドウが表示された。


『ボスモンスター《銀の狩人》のテイムに成功しました。報酬はメールボックスに転送されます。

称号《従魔を持ちし者》を取得しました。《銀の狩人》の名を設定してください。』




「情報多すぎ!」


でもメールボックスは見ちゃう!気になるから!


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


ボスモンスター討伐及び従属報酬


【白銀狼の毛皮】5枚

白銀狼の毛皮。魔を弾き、呪いを克服する力を持つ

要求値 敏捷 70以上


【白銀狼の牙】

白銀狼の牙。魔を吸収し、返す力を持つ。

要求値 敏捷 40以上


【白銀狼の肉】

白銀狼の肉。喰らいし者に力と呪いを与える

要求値 無し

〈注意!〉この肉を食べると、魔族:人狼になります。

更に《呪詛:狩りの夜》をリアル時間で8時間受けます。


【白銀狼の血液】

白銀狼の血液。飲みし者に力を与える。汝にその覚悟はあるか?

要求値 無し

〈注意!〉この血液を飲むと、魔族の格が上がり進化します。

ただし激痛と狂気に侵されます。


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


「なにこれ?」

「ワウ!」


いやいや、おかしいでしょ!?なにこれほんとに!?強すぎない?ボスってこんなに美味しいの!?


いや、とにかく元シルヴァに名前をつけなきゃ。現実逃避しないとやってられない!


「うーん、シルヴァ――シルバー、!!ギンなんてどう?」

「ワウッ!!」


安直?うるさい!


『銀の狩人に新たな名が与えられました。』


「ワウッ!」




                 ―――2時間後―――



私は宿をとって、ベッドに腰掛けていた。

宿の部屋はセーフティルームになっていて、自分好みに変えることができる。

今あるのは、HPを回復する【回復の泉】と意志の力で物の姿を変える【錬成台】がある。


私は【錬成台】に【白銀狼の血液】を置き、魔力を集めて願う。

魔力は霧となり血の入った盃を覆う


「私は、新たな存在に進化することを願っている。その為に私は血を飲み、魔を喰らい、己が力とする。

どうか私に新たな力を!!」


そう唱え魔力を込め、まだ唱える。霧は濃く紅くなっていく。


「私の身は力を欲している。たとえそれがいかなる道であろうと。我が身に試練を!!」


その時に、私は更にすべての魔力を込めた。霧が晴れて、残っていたのは真紅の血液だった。

すかさず鑑定、及び配信開始。


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


鑑定結果


【存在進化の血液】


これを飲むものは力を得る。狂気と痛みと共に。

汝にその覚悟はあるか?


〈注意!〉このアイテムを飲んだ場合、激痛と共に【状態異常:狂気】が与えられます。心して飲んでください。


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


「覚悟……ねぇ。そんなものは決まっているよ!」


そう言い、私は盃を一気に飲み干す。口に広がる鉄の味と共に、全身を焼いた針に刺されたような痛みが押し寄せた。


「hぎゅえdhwdwんrfdべfげっ!!」


自分の口から出たとは思えないほどの声。それと共に私の心の底から湧き上がる歓喜に笑い声を上げる。


「あははははははははははははははははははは!!!!!!!」


素晴らしい!!心の底からそう思い、運営に感謝を述べる。

痛み!!力!!知識!!これほどに素晴らしいものがあるか!?いやない!!

狂っている?だから何だ!私はそれらを愛している!



「んjへvcげhぅえhdjwhづr3!!」


私は急いで【回復の泉】に向かいそれを飲み干す。















しばらくした後、全てが落ち着き賢者タ◯ムのような状態になった。


「素晴らしい!なんて素晴らしいんだ『AMO』!!これを私は求めていた!」


存在が進化した。らしい。


『種族が狂殺之(ジェノサイド)吸血鬼(ヴァンパイア)に進化しました。』





その声を最後に私はログアウトした。









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