病気の弟を救う為なら、どんな男とでも結婚すると誓った女の御話
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彼はたいそあ驚愕(驚愕)し、またたいそあ歓び勇んだし、またとてつもなく期待に胸を膨らませたものだった。 何しろ、今年で三十一歳になってしまって、これは永年の夢であったカノジョ作りだの恋人探しだの、ましてや、結婚だのといった俺にとっては夢物語に過ぎなかった夢もいよいよ叶う見込みもなくなってきたか、とてつもなく落胆した憶えがあったばかりだったから。
━━でも、女では、もう二度と失敗はしたくない。 そんな思いも人一倍強いのが彼でもあるのだった。 彼はかつて、結婚を語り、それを餌として金品を掠め取る手口の詐欺の被害にも遭っていたものだから、女性に対してはとくに警戒心と懐疑心とを強く持っているのであった。 ━━しかし、金ならいくらでもある。腐る程ある。 彼は不敵な笑みをすら浮かべながら、スマート・フォンの画面を指先でなぞって、返信を試みようとしたのだった。 そう、金ならいくらでも出す用意はあった。いかに難病とはいえ、いくらなんでも手術に百億レベルの金が掛かるとも思えない。 ならば、超一流企業の創業者である名も知れた資産家である父親が昨年老衰により志望した折に、独り息子である彼のもとに舞い込んできた遺産の額のほんの一部で、拠出出来る筈であった。 ━━ふふふ。やはり金に不自由などしとらんわ。 ほくそ笑んだ。 さっそく返信を返すつもりだ。 はっきり言って女と名のつくものなら何でもよかったというのが正直なところだった。
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